まだ数十センチも雪が残る富良野の東大演習林を散策したあと、苗畑からエゾマツ、トドマツ、カツラなどの苗木を譲っていただき、車の荷台いっぱいに詰め込んで二風谷へ向かう。
その晩、7年掛りで皆で作り上げたというログハウスにて、NPO法人チコロナイの年に一度の総会が開かれた。こじんまりとした手作り感あふれる総会だが、「本来の北海道の森林を取り戻し、その中で培われたアイヌ文化を継承する」という理念に真摯に取り組んでいるのが伝わってくる。
総会の後、「先住民族の文化を尊重する調査等の手続きを取らずに建設したのは違法」との判決が下された「二風谷ダム裁判」に懲りず、「元々二風谷ダムとセットで計画されたので」という理屈で更にダムが建設されようとしているという話が紹介され、驚いた、というより呆れた。なんとしてでもダム建設ありきという土木行政の人以外には全く不合理な話しである。
しかし、「金にならない僻地を所有していても仕方ない」と土地収容に同意した地元の人も多いようで、このへんに難しいところを感じる。それにしても、反対の声が小さければ、長い年月をかけて育まれた自然や文化を破壊してダムを作ってもよい、ということにはならないはずだという思いが残る。
明くる日はいよいよ植林。ナショナルトラストとして買い取った山の斜面に、熊笹を払いつつ穴を掘って苗木を植えていく。雨の中足場も悪く、トゲトゲのタラの木をよけながらなので、結構な作業である。
鍬を持つ手が疲れてくると、
「休みの日に北海道まで来て何をやっているんだか・・・」という自嘲も頭に浮かぶが、昨晩のダム建設の話しを思いだし、「ダム推進派には、こういう自然を取り戻すことの大変さは分らねえだろうな~。」と思いなおし、再び鍬を持つ手に力を込める。総勢30名ほどで3時間ほどかけて、数百本の苗木を植えつけ完了。
その晩、7年掛りで皆で作り上げたというログハウスにて、NPO法人チコロナイの年に一度の総会が開かれた。こじんまりとした手作り感あふれる総会だが、「本来の北海道の森林を取り戻し、その中で培われたアイヌ文化を継承する」という理念に真摯に取り組んでいるのが伝わってくる。
総会の後、「先住民族の文化を尊重する調査等の手続きを取らずに建設したのは違法」との判決が下された「二風谷ダム裁判」に懲りず、「元々二風谷ダムとセットで計画されたので」という理屈で更にダムが建設されようとしているという話が紹介され、驚いた、というより呆れた。なんとしてでもダム建設ありきという土木行政の人以外には全く不合理な話しである。
しかし、「金にならない僻地を所有していても仕方ない」と土地収容に同意した地元の人も多いようで、このへんに難しいところを感じる。それにしても、反対の声が小さければ、長い年月をかけて育まれた自然や文化を破壊してダムを作ってもよい、ということにはならないはずだという思いが残る。
明くる日はいよいよ植林。ナショナルトラストとして買い取った山の斜面に、熊笹を払いつつ穴を掘って苗木を植えていく。雨の中足場も悪く、トゲトゲのタラの木をよけながらなので、結構な作業である。
鍬を持つ手が疲れてくると、
「休みの日に北海道まで来て何をやっているんだか・・・」という自嘲も頭に浮かぶが、昨晩のダム建設の話しを思いだし、「ダム推進派には、こういう自然を取り戻すことの大変さは分らねえだろうな~。」と思いなおし、再び鍬を持つ手に力を込める。総勢30名ほどで3時間ほどかけて、数百本の苗木を植えつけ完了。