「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

語り継ぐこと

2007年09月02日 | 沖縄の旅案内
記録映像「島クトゥバで語る戦世」を見に行った。

この映像自体は、失われつつある沖縄戦や沖縄文化について、
数百人のお年寄りに方言で語ってもらう姿を映像として残す膨大なプロジェクトで、今日の映像は、そのうち、住民の集団自決についての語りを特集したものだ。

教科書検定で、集団自決についての日本軍関与記述が削除されたことに対し、
沖縄の全市町村議会が検定撤回を求め、
9月に県民集会が予定されているのにあわせた企画と思われる。

衝撃的なのは、戦後62年も経つのに、80歳近いお年寄りが鮮明な記憶として詳細に語ってくれること。中には、語りながら当時の情況を思い起こすのか、言葉につまり表情を曇らせる方もいる。それだけ、凄惨で忘れがたい日常の中に身を置いていたのだろう。

ひめゆり学徒隊の生き残りの方からの証言を集めた記録映画「ひめゆり」を見たときも思ったが、体験した方の生の声を聞くことは、時代的・空間的に離れていることをシェアするまたとない機会である。

先日、ヘリパッド移設問題で揺れる高江集落の現状報告会に行った妻によると、
自然への影響についての分かりやすい著名な大学教授の話よりも、
その集落で実際に座り込みをしている方の苦労話が一番心に残ったとのこと。
そのような社会問題には今まで関心を払わなかった妻も心を動かされる程のものであったらしい。

高江辺野古など、現在おきている問題に対しては、
自ら知る努力をする、人に伝える、行動に参加するなど、
自分の立場でできることを日々積み重ねていくことが求められている。

過去の戦争などについても、現在生きていらっしゃる方の声や文献を通して追体験し、同じ過ちを繰り返さないために現代でできることを、一人一人が考え、
時に行動に移していかなければいけないと思う。