写真:重要文化財、JR門司港駅
この夏は京都で赤い青春18きっぷを買いに行ったり、それを使って北海道に行ったり、それで1冊使い切ってもう1冊買ってまた北海道に行ったりと何かと大活躍したJRの普通列車が乗り放題になるこのきっぷ。
8月も終り、ふと机の上に放り出したままの2冊目の青春18きっぷを手に取ると、
「しまった…まだ2コマ残ってるじゃないか!」
1冊1万千五百円で5回分、普通列車が1日中乗り放題となる青春18きっぷ。
使用期限は9月10日までで、この期間内に5コマに区切られた区画にそれぞれ改札印を捺してもらい、5回分を使い切ってしまわないと残りのコマは一切無効となり、9月11日からはただの紙切れとなる。
「もったいない!特に行きたいところはないけれど、どこかに行かなければ!」
という訳で9月第1週の週末、本末転倒な旅に出てきました。
正直、この夏はやたらと列車に乗りまくったので乗り鉄は少々食傷気味なのだが、ちょうど今JR九州主催で鉄道スタンプラリー「トレインピック2008」というのをやっており、まあこのスタンプラリーは昨年もやっていて僕もついつい全スタンプをコンプリートしてしまったりしたのだが、さすがに2年続けて今年もやるモチベーションが上がらず(それでもしっかりスタンプ手帳は入手していたのだがw)様子見だったので、丁度いい、ちょっと近場を周ってスタンプを集めて来よう。
とりあえず5個集めれば参加賞の「オリジナルストラップ」を貰えるらしいし。
さて、どこの駅に行けばスタンプがあるのかね~
とりあえず地元の熊本駅で1個ゲットだな。それからそのまま鹿児島本線を北上して、北九州近辺で掻き集めれば何とか合計5個くらいたまるだろう。
で、熊本駅の改札口の金魚の隣にあるスタンプを捺してそのまま大牟田行き普通列車に乗車、荒尾で隣のホームに停まってる811系電車に何となく乗り換えて、居眠りしているうちに気が付くと小倉。
消化試合みたいな旅行なので、乗り鉄してても全然テンションが上がらない。
小倉でも何となくスタンプを捺して、鹿児島本線の基点駅門司港へ。
門司港駅でスタンプを捺した後、駅を出て徒歩5分ばかりの場所にあるここへ。
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九州鉄道記念館。
ここにもトレインピック2008のスタンプが設置されていて、しかもスタンプラリー参加者は入館料が2割引になる。
先月行ってきた大宮の鉄道博物館ほど大規模ではないが、それでもなかなか凄い車輌たちが展示されている。
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中央ゲートでお出迎えしてくれた9600型「59634」の奥にいる、
これが名機として名高いC59型のトップナンバー機「C59 1」。
高速旅客列車専用の純血種サラブレッドのような機関車で、大きさは貨物機改造型のC62型に及ばないが、華麗で貴公子然とした雰囲気が漂う。
最期は熊本に集結してブルートレイン「みずほ」を牽引していた。
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磨きぬかれた剛鉄の輝き。もはや芸術品のような機能美を見せる、C59 1の大動輪。
高速旅客列車に特化した設計故に動輪に掛かる軸重が重過ぎ、大幹線の電化後は行き場を失ってしまったという皮肉な宿命を背負った動輪には、ある種の悲壮感すら感じる。
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C59の奥には、見憶えのあるこの車輌。
先月、東北本線で乗車した快速「みちのく」号に使われていた583系寝台電車と同系列の、581系“月光型”。
関西と九州を結ぶ特急「月光」のために世界で初めて開発された「寝台座席両用型車輌」で、583系より1世代前の車輌だが設計やデザイン等には共通点が多い(実際、大阪と新潟を結ぶ急行「きたぐに」号では今でも両系列が共通運用されている)。
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581系の車内。
当然のことながら、快速「みちのく」号と全く同じ雰囲気である。
尤もこの九州鉄道記念館の581系は晩年に普通列車用に改造されて転用されていたという過去を持つ車輌で、写真に写っていない車内の端っこにはなぜかロングシートが設えられていたり洗面台が塞がれていたりとかなりチグハグな姿となってしまっているのだが。
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こちら、581系の昼の姿。
向かい合わせボックスシートが並ぶ。
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これが夜の姿。
ボックスシートは実はソファベッドになっており、背もたれを引き出すと広々とした寝台が現れる。これに荷物棚の奥に収納された上段と中段のベッドを引き出して覆いかぶせると、3段ベッドの寝台車が出来上がり。これぞ世界初の寝台座席両用車の実力!
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門司港の街並みにマッチしたレトロな赤煉瓦の本館内には鉄道に関する資料の展示や鉄道模型の大パノラマ、ミュージアムショップやカフェもあって楽しめる。
特にカフェにはさり気無く特急「つばめ」のビュッフェで使用されていたカウンターバーの実物が置かれて今でも使用されていたりして、小粒でもやたらとピリリと辛くて侮れない九州鉄道記念館なのだった。
門司港鉄道記念館でもスタンプを捺してから、せっかくなので関門トンネルを潜って本州側の下関へと向かう。
以前から寝台特急「はやぶさ」に乗ってこの区間を通ると、下関の隣の幡生駅の構内にブルートレインの車輌が留置されているのが見えて気になっていたので、実際に現地に見に行く事にする。
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幡生駅のプラットホームを広島方に歩くと、やはり隣接する構内に数輌の寝台車が停め置かれていた。
今年に入ってからJR西日本の運行するブルートレインは「あかつき」、「日本海」、「銀河」と軒並み廃止されており、不要になった寝台車がここに集められ解体を待っているらしい。
「あのオハネ25なんか塗装も綺麗でまだまだ使えそうじゃないか…勿体ない。でも確か、状態のいい寝台車はタイに無償譲渡されるんだよな。ここにいる寝台車も重機で潰されるんじゃなくて、タイへの船積み準備で集められたものならいいのにな」
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さて、そろそろ帰ろうか。途中で博多駅の隣の竹下駅で途中下車してスタンプを捺せば、ちょうどスタンプ5個。これで参加賞は貰えるね。
幡生駅で下関行きの列車を待っていたら、やたらと派手なディーゼルカーがやって来た。
地元出身の詩人金子みすゞをモチーフにした観光列車「みすゞ潮彩」号だ。これはラッキー、隣の駅までの僅かな乗車だけど、珍しい車輌に乗ることが出来た。尤も指定席券がいらない自由席の車内は何の変哲もない無改造のままだったけど。
ところで、僕は実は来週からまた旅に出るのです。
いや、異国に旅立っていったブルートレインの車輌たちのその後の様子が気になるもんで、ちょっとバンコクまで。
職場でも「なるべくリフレッシュ休暇を取るように」と言われてたし、航空会社のマイレージもまだまだ残ってたもんで、半年前に休暇とタイ行き無料特典航空券を確保してたんですよ、まさか今年の夏がこんなに青春18きっぷでの乗り鉄三昧になるとは予想してなかったもので、つい、ね。
ですから、「さすがに遊び過ぎだろ!」「勤め先から愛想を尽かされて干されても知らんぞ!」とのご心配は無用です。
という訳で、ちょっと後ろめたくて申し訳ないけれど、最後に残った青春18きっぷの1コマを使って福岡空港まで移動してから、バンコクに行って来ます…
って、「バンコクで反政府団体が首相府占拠!?非常事態宣言!?何それ!」どうなることやら。
この夏は京都で赤い青春18きっぷを買いに行ったり、それを使って北海道に行ったり、それで1冊使い切ってもう1冊買ってまた北海道に行ったりと何かと大活躍したJRの普通列車が乗り放題になるこのきっぷ。
8月も終り、ふと机の上に放り出したままの2冊目の青春18きっぷを手に取ると、
「しまった…まだ2コマ残ってるじゃないか!」
1冊1万千五百円で5回分、普通列車が1日中乗り放題となる青春18きっぷ。
使用期限は9月10日までで、この期間内に5コマに区切られた区画にそれぞれ改札印を捺してもらい、5回分を使い切ってしまわないと残りのコマは一切無効となり、9月11日からはただの紙切れとなる。
「もったいない!特に行きたいところはないけれど、どこかに行かなければ!」
という訳で9月第1週の週末、本末転倒な旅に出てきました。
正直、この夏はやたらと列車に乗りまくったので乗り鉄は少々食傷気味なのだが、ちょうど今JR九州主催で鉄道スタンプラリー「トレインピック2008」というのをやっており、まあこのスタンプラリーは昨年もやっていて僕もついつい全スタンプをコンプリートしてしまったりしたのだが、さすがに2年続けて今年もやるモチベーションが上がらず(それでもしっかりスタンプ手帳は入手していたのだがw)様子見だったので、丁度いい、ちょっと近場を周ってスタンプを集めて来よう。
とりあえず5個集めれば参加賞の「オリジナルストラップ」を貰えるらしいし。
さて、どこの駅に行けばスタンプがあるのかね~
とりあえず地元の熊本駅で1個ゲットだな。それからそのまま鹿児島本線を北上して、北九州近辺で掻き集めれば何とか合計5個くらいたまるだろう。
で、熊本駅の改札口の金魚の隣にあるスタンプを捺してそのまま大牟田行き普通列車に乗車、荒尾で隣のホームに停まってる811系電車に何となく乗り換えて、居眠りしているうちに気が付くと小倉。
消化試合みたいな旅行なので、乗り鉄してても全然テンションが上がらない。
小倉でも何となくスタンプを捺して、鹿児島本線の基点駅門司港へ。
門司港駅でスタンプを捺した後、駅を出て徒歩5分ばかりの場所にあるここへ。
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九州鉄道記念館。
ここにもトレインピック2008のスタンプが設置されていて、しかもスタンプラリー参加者は入館料が2割引になる。
先月行ってきた大宮の鉄道博物館ほど大規模ではないが、それでもなかなか凄い車輌たちが展示されている。
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中央ゲートでお出迎えしてくれた9600型「59634」の奥にいる、
これが名機として名高いC59型のトップナンバー機「C59 1」。
高速旅客列車専用の純血種サラブレッドのような機関車で、大きさは貨物機改造型のC62型に及ばないが、華麗で貴公子然とした雰囲気が漂う。
最期は熊本に集結してブルートレイン「みずほ」を牽引していた。
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磨きぬかれた剛鉄の輝き。もはや芸術品のような機能美を見せる、C59 1の大動輪。
高速旅客列車に特化した設計故に動輪に掛かる軸重が重過ぎ、大幹線の電化後は行き場を失ってしまったという皮肉な宿命を背負った動輪には、ある種の悲壮感すら感じる。
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C59の奥には、見憶えのあるこの車輌。
先月、東北本線で乗車した快速「みちのく」号に使われていた583系寝台電車と同系列の、581系“月光型”。
関西と九州を結ぶ特急「月光」のために世界で初めて開発された「寝台座席両用型車輌」で、583系より1世代前の車輌だが設計やデザイン等には共通点が多い(実際、大阪と新潟を結ぶ急行「きたぐに」号では今でも両系列が共通運用されている)。
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581系の車内。
当然のことながら、快速「みちのく」号と全く同じ雰囲気である。
尤もこの九州鉄道記念館の581系は晩年に普通列車用に改造されて転用されていたという過去を持つ車輌で、写真に写っていない車内の端っこにはなぜかロングシートが設えられていたり洗面台が塞がれていたりとかなりチグハグな姿となってしまっているのだが。
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こちら、581系の昼の姿。
向かい合わせボックスシートが並ぶ。
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これが夜の姿。
ボックスシートは実はソファベッドになっており、背もたれを引き出すと広々とした寝台が現れる。これに荷物棚の奥に収納された上段と中段のベッドを引き出して覆いかぶせると、3段ベッドの寝台車が出来上がり。これぞ世界初の寝台座席両用車の実力!
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特にカフェにはさり気無く特急「つばめ」のビュッフェで使用されていたカウンターバーの実物が置かれて今でも使用されていたりして、小粒でもやたらとピリリと辛くて侮れない九州鉄道記念館なのだった。
門司港鉄道記念館でもスタンプを捺してから、せっかくなので関門トンネルを潜って本州側の下関へと向かう。
以前から寝台特急「はやぶさ」に乗ってこの区間を通ると、下関の隣の幡生駅の構内にブルートレインの車輌が留置されているのが見えて気になっていたので、実際に現地に見に行く事にする。
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幡生駅のプラットホームを広島方に歩くと、やはり隣接する構内に数輌の寝台車が停め置かれていた。
今年に入ってからJR西日本の運行するブルートレインは「あかつき」、「日本海」、「銀河」と軒並み廃止されており、不要になった寝台車がここに集められ解体を待っているらしい。
「あのオハネ25なんか塗装も綺麗でまだまだ使えそうじゃないか…勿体ない。でも確か、状態のいい寝台車はタイに無償譲渡されるんだよな。ここにいる寝台車も重機で潰されるんじゃなくて、タイへの船積み準備で集められたものならいいのにな」
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さて、そろそろ帰ろうか。途中で博多駅の隣の竹下駅で途中下車してスタンプを捺せば、ちょうどスタンプ5個。これで参加賞は貰えるね。
幡生駅で下関行きの列車を待っていたら、やたらと派手なディーゼルカーがやって来た。
地元出身の詩人金子みすゞをモチーフにした観光列車「みすゞ潮彩」号だ。これはラッキー、隣の駅までの僅かな乗車だけど、珍しい車輌に乗ることが出来た。尤も指定席券がいらない自由席の車内は何の変哲もない無改造のままだったけど。
ところで、僕は実は来週からまた旅に出るのです。
いや、異国に旅立っていったブルートレインの車輌たちのその後の様子が気になるもんで、ちょっとバンコクまで。
職場でも「なるべくリフレッシュ休暇を取るように」と言われてたし、航空会社のマイレージもまだまだ残ってたもんで、半年前に休暇とタイ行き無料特典航空券を確保してたんですよ、まさか今年の夏がこんなに青春18きっぷでの乗り鉄三昧になるとは予想してなかったもので、つい、ね。
ですから、「さすがに遊び過ぎだろ!」「勤め先から愛想を尽かされて干されても知らんぞ!」とのご心配は無用です。
という訳で、ちょっと後ろめたくて申し訳ないけれど、最後に残った青春18きっぷの1コマを使って福岡空港まで移動してから、バンコクに行って来ます…
って、「バンコクで反政府団体が首相府占拠!?非常事態宣言!?何それ!」どうなることやら。