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2010-2011 年越し日本縦断旅行記!その5 海と山のハイブリッド「リゾートしらかみ」

2011-01-30 | 旅行
その4からの続きです

平成22年12月28日

青森で一夜明けて、今日も朝から乗り鉄します。
本日乗車するのは…

クルージングトレイン「リゾートしらかみ」青池ハイブリッド。

随分長いネーミングですが、
JR東日本が五能線で運行している大人気のリゾート列車「リゾートしらかみ」に新製投入されたばかりの、
日本海の水平線と白神山地の十二湖・青池をイメージしてデザインされたという最新型ハイブリッド車輌による編成です。
昨日乗車した「リゾートあすなろ」と同形式ですね。
平成22年の年末時点では「リゾートしらかみ」は青森駅と秋田駅の間を1日2往復、2編成が運行しているのですが、
この青池ハイブリッド編成は青森を朝に出て秋田に向かい、夕方また青森に戻ってくる「リゾートしらかみ2号」「同5号」として運用されています。

08:21、「リゾートしらかみ2号」で青森駅を出発します!


列車は4輌編成、全車指定席です。


車内のインテリアデザインも、クルージングトレインに相応しく洗練されたものになっていますね。


注目なのが、2号車に連結された「ボックス席」
ヨーロッパ式のコンパートメントスタイルになっています。グループや家族で利用するのに最適ですね。
これで普通車指定席と同じ料金で利用出来るのも素晴らしい。
また、この「リゾートしらかみ」自体が昨日の「リゾートあすなろ」同様、特急料金等不要で青春18きっぷでも乗れる快速列車なのも嬉しい。リゾート列車を軒並み特急化しているJR九州とは対照的です。
JR東日本、なかなかやるな!

搭載した最新型のハイブリッドシステムで静かに発車した「リゾートしらかみ2号」、
新青森駅で新幹線から乗り継ぎの乗客を乗せ、弘前駅で進行方向を変えて五能線に入ります。
ストーブ列車で知られる津軽鉄道と接続する五所川原駅を過ぎると、車内のイベントスペースに集まるよう促す案内放送が。
イベントスペースに行ってみると…





津軽三味線の生演奏ライブが始まりました!
これは「リゾートしらかみ」名物ともなっているイベントで、五所川原駅と鰺ヶ沢駅の間で走行中の車内で津軽三味線の生演奏を楽しむことが出来るのです。
雪景色の中を往く列車の中での、迫力の津軽三味線。感動的です。



やがて列車は、荒涼とした真冬の日本海の海岸に出ます。








景勝地の千畳敷駅付近を通過中には、速度を落として走るサービスも。
絶景をゆっくり楽しむことが出来ます。




展望室から眺める荒れる海と断崖絶壁、その向こうには列車名の由来となっている世界自然遺産の白神山地も見える筈なのですが…
今日はどんよりとした鉛色の雲に覆われてしまっているようです。




深浦駅では、秋田駅からやって来た「リゾートしらかみ1号」と列車交換。
あちらは通常型の車輌を改造した編成で、くまげら編成と呼ばれています。
「リゾートしらかみ」にはこれ以外にも、(ぶな)と呼ばれる編成もあるのですが、冬期間は運転本数も減るので青池とくまげらの2編成のみが運用に就いています。

白神山地の山懐と日本海の海岸の間を走り抜けた「リゾートしらかみ2号」は、東能代駅で再び進行方向を変え、奥羽本線を走ります。
青森駅を出てからちょうど5時間、13:21に終点の秋田駅に到着。

ここで50分足らずの間に車内清掃を済ませ、
14:10に「リゾートしらかみ5号」として再び青森駅を目指して発車します。

帰りの車中では、段々と日が暮れていく寂しい海岸を見ながらの戻り旅となりました。
冬の自然の厳しさと美しさ、ローカル線の旅情を満喫できる往復10時間の「リゾートしらかみ」の旅でした。

 2010,冬の旅


午後7時過ぎ、新青森駅に停車中の「リゾートしらかみ5号」車内にて、
携帯電話のワンセグTVで見たNHKニュース番組で、
つい先程情報センターJAXA i が閉館したということを知りました。

一昨日、既に別れは告げてあるけれど…やっぱり寂しいな。」

明日はいよいよ海峡を越えて、北海道に上陸します。

その6に続く

2010-2011 年越し日本縦断旅行記!その4 津軽と下北、2つの「リゾートあすなろ」

2011-01-30 | 旅行
その3からの続きです

上野発の夜行列車を青森駅で見送って、今日はこれから丸1日リゾート列車三昧です。
「あけぼの」を見送ったプラットホームの隣に現れたのは…


新型ハイブリッドトレイン「リゾートあすなろ」
東北新幹線新青森開業に合わせて、12月4日にデビューしたばかりのJR東日本最新のリゾート列車なのです。


東北新幹線との接続駅である新青森始発の「リゾートあすなろ」は青森駅で編成を切り離し、
大湊線の大湊行き「リゾートあすなろ下北1号」と津軽線の蟹田行き「リゾートあすなろ津軽1号」に分かれて運転されます。
今日は先ず、1日1往復のみ運転される津軽半島の蟹田行き「リゾートあすなろ津軽」に乗車しましょう。


「リゾートあすなろ」の車内で一番気になるスペースがここ、運転室の後ろにある展望室
前面かぶりつきの醍醐味を存分に味わえそうですね。


座席はすべて指定席、ゆったりとしたリクライニングシートです。
これだけの快適設備を備えながら、特急料金等が不要で青春18きっぷでも乗れる快速列車として設定されているのも凄い。JR東日本、太っ腹です!

11:01、「リゾートあすなろ津軽1号」青森駅発車!

展望室から、運転室を覗いてみると、
運転士さんの前のコンソールにこんなモニタが…

ハイブリッドシステムの制御系統が表示されていますね!
これはディーゼルエンジンで発電して、電車と同様にモータで駆動するというもの。発車時はリチウムイオンバッテリーの電力を使用するので、気動車であるにもかかわらずエンジン音が全くしない静かな走り出しです。これは面白い!
騒音がカットされるので車内環境も格段に向上していますね。今後、普及が期待される画期的なシステムだと思います。
九州でもリゾート特急「ゆふいんの森」に搭載してくれないかなぁ…


「リゾートあすなろ津軽1号」は、北海道へと続く津軽海峡線を走っていきます。
車内は空いていて、地元客中心のようです。観光客やグループ客などは見かけませんね。少し寂しい…

青森駅を出て40分程雪景色の中を走ると、もう終点の蟹田駅へ到着。
列車はここで折り返して、新青森駅へと戻る「リゾートあすなろ津軽2号」になります。




…蟹田駅に到着しても、特に観光案内も何もありません。
駅前にはタクシー数台が客待ちをしているのみ。
正直、「リゾートを名乗ってる列車なのに、なんでここを終点にしたんだ?」と首を傾げたくなります。だって、駅に着いても何もやることがないのですから。乗客が地元客中心だったのも頷けます。

 車内設備が良い分、列車の運転区間の設定に工夫が見られないような気がするのが残念ですね。沿線も、せっかくのリゾート列車運転を好機と捉えて活用しようという意志がないんでしょうか…?
「どうせなら、津軽線の終着駅の三厩駅まで走らせればいいのに!
あそこなら、“最果ての終着駅”として乗って行ってみるだけで面白いのにな!」

まぁ実際には「リゾートあすなろ下北」と編成を共通運用している関係で、延長運転が難しいという事情もあるのでしょうけど…

という訳で、手持ち無沙汰に蟹田駅のプラットホームをうろうろしていると、北海道からの特急列車がやって来ました。
特急スーパー白鳥、先頭には札幌都市圏のL特急から転じた改造車が入っていますね。この改造車も東北新幹線新青森開業に合わせて増備されたようです。



スーパー白鳥の後を追うように、「リゾートあすなろ津軽2号」も発車します。
30分程の蟹田駅滞在でした。


「リゾートあすなろ津軽2号」は青森駅を経由して、13:00に終点の新青森駅に到着します。
ここで車内清掃等を済ませた後、14分後に今度は「リゾートあすなろ下北3号」となって折り返し発車、下北半島の大湊へと向かいます。
「リゾートあすなろ下北」は青森駅で観光客や帰省客らしき乗客でほぼ満席になりました。車内販売のワゴンサービスも乗車して、リゾート列車らしい姿で下北半島を目指します。
青森駅から大湊線の分岐駅の野辺地駅までは、新幹線開業に伴いJR東日本から経営分離した第3セクター青い森鉄道を経由しますが、青春18きっぷ利用でも追加運賃の支払いが免除されるのも嬉しいですね。


野辺地駅に到着。ここで新青森行きの「リゾートあすなろ下北2号」と列車交換します。
野辺地駅にはかつて、“元祖レールバス”で親しまれた南部縦貫鉄道も乗り入れていましたが、
防雪林に囲まれるようにしてあった「じゅうかん」の使っていた小さなプラットホームと駅舎も今は跡形もなく消え去っていました…


荒涼とした冬の下北半島を駆け抜けた列車は、恐山観光の玄関口となる下北駅で観光客を降ろした後、
15:02に大湊駅に到着。
既に陽も傾きかけ、海からの冷たい風が吹き抜ける駅で折り返し待ち。



大湊には1時間足らずの滞在で、駅前の郵便局やスーパーマーケットで用足しをした後、
折り返し「リゾートあすなろ下北4号」で青森に帰ります。


夕暮れ迫る車窓には、雪に覆われた森。

そして夕焼けの海。




すっかり日が暮れた午後5時半、青森駅に到着。


今日は朝から津軽半島と下北半島を駆け抜ける「リゾートあすなろ」編成の全運用に同乗して走りまわった訳で、
妙に充実した1日となりました(笑)
青森駅のプラットホームで立ち食いそばを食べて、駅前のビジネスホテルに帰ります。

明日は… 五能線に乗って北国の海と、世界自然遺産の山を見に行きましょう。

その5に続く