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ロケット聖地巡礼~内之浦ぶらぶら歩き~

2013-11-16 | 宇宙

“日本のロケットの聖地”と呼ばれる小さな町が、鹿児島の大隅半島南端にあります。
日本で最初の人工衛星「おおすみ」をはじめ、数々の科学衛星を宇宙に送り出してきたJAXA宇宙科学研究所のロケット打上げ基地を擁する海と山に囲まれた町、内之浦です。



現在は近隣の町と合併して「肝付町」の一部となっていますが、ロケット基地の名称は今も「内之浦宇宙空間観測所」のまま。
ロケットの聖地はロケット基地にその名を残し、そして常にロケットと共に在りました。今までも、これからも。

今年の夏、聖地・内之浦は新型ロケット「イプシロン」初号機の打上げに熱く沸きました。
日本中から注目された、その熱狂の記憶もまだ冷めやらぬ秋に、内之浦は再び全国から“聖地巡礼”に訪れる宇宙ファンで賑わう祭りの日を迎えます。
年に一度の、内之浦宇宙空間観測所の“例大祭”、施設特別公開が開催されるのです!
普段は近付くことの出来ないロケット基地内の各設備、イプシロンが翔び立ったロケットランチャーも間近で見ることが出来るというこのイベント、宇宙好きでロケット好きとしては絶対に見逃せません。
もちろん見に行きました。それも、気合いを入れて前日から泊りがけで!!

…という訳で、2013年の内之浦宇宙空間観測所 施設特別公開が開催される前日、11月9日(土曜日)に現地入りしたのです。
今日は午後に、予約していた町内の宿で、同宿となるTwitter宇宙クラスタ仲間と合流することになっていましたが、少し気合いを入れすぎて昼には内之浦に着いてしまいました。まだ仲間も到着していないし、宿の部屋の準備も出来ていないとのことなので、暫し“聖地”をぶらぶらとそぞろ歩いてみることにしました。

内之浦の町にはほぼ毎年、施設特別公開の度に訪れていますが、町をゆっくり歩いてみるのはこれが初めてです。
“ロケットの聖地”の素顔はどんな町なのでしょうか…?


町の目抜き通りから、海沿いに向かって曲がった道。この先は内之浦漁港と、そして海が広がります。
潮の香りが漂ってくる路地です。


路地に面した酒屋兼雑貨屋さんの店先には、施設特別公開のポスターと手書きのシブい広告が。
焼酎イプシロン!


(ΦωΦ)路地で眠るねこ発見。
ねこがリラックスしきって眠れる町は、平和で良い町です。(笑)


山の方に向かう道を進んでいくと、こんなノスタルジックな風景が…


そして向こうの山の上には、巨大なパラボラアンテナが!
内之浦宇宙空間観測所の34mアンテナ、通称“大うっちーさん”の雄姿。山のむこうの水平線の方角を向いているので、おそらく金星探査機「あかつき」か何かの科学衛星と通信運用を行っている最中だと思われます。
のどかな日常風景の中に日本の宇宙科学の最先端がごく自然に同居する不思議な町、それが聖地・内之浦。


町を流れる小田川にかかる橋のたもとには火崎灯台の標識が。


河口の砂浜の向こうに続くのが津代半島で、その先端部の岬が火崎と呼ばれる地区です。火崎灯台もこの岬にあります。
火崎は太平洋に突き出た断崖絶壁に亜熱帯植物が生い茂り、たどり着くのも一苦労の場所だそうなのですが、その火崎こそ先日イプシロンロケット初号機で打上げられた惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の愛称「ひさき(HISAKI)」の由来となった地名なのです。
火崎は内之浦で最初に朝日が当たる場所であり、イプシロンが切り開いた内之浦の新しい夜明けの象徴としてふさわしい場所。まさに「聖地の中の聖地」。
一度、火崎灯台から宇宙の「ひさき」と日本の宇宙科学の未来について思いを馳せてみたいものです。たどり着くのは本当に大変な険しいところだそうですが。。。



内之浦の町をぶらぶら歩いていると、同宿する仲間から「今着いたぞー」と携帯電話に連絡が。
宿で仲間と合流して、これから連れ立って昼食に行くことに。

内之浦の町で手軽な昼ごはんといえば、やっぱりここでしょう。
“宇宙に一番近いラーメン屋さん”「まつわき」で、にんにくたっぷり正統派の鹿児島ラーメンです!



サービスの大根の漬け物も健在ですね。
ここではラーメンライスにして、漬け物と豚骨スープでご飯を食べて締めるのが正しいスタイル…のような気がします。
ごちそうさまでした~

宿に戻って、部屋に通されて一休み。


部屋に用意されていたお茶請けは内之浦銘菓「ロケット最中」


ラベルはイプシロンロケットでしたが、最中の皮にはしっかり先々代の固体燃料ロケットM-3SIIの刻印が(笑)
M-3SIIロケットがデビューしてハレー彗星探査機「さきがけ」や「すいせい」を打上げた頃に売り出された歴史ある商品がイプシロンの打上げに合わせてリバイバルしたもののようで、皮を焼く型は以前のものをそのまま使っているのでしょうね。
ゆず風味の餡がたっぷりで、香ばしいM-3SIIの皮とよく合って、とても美味しい最中でした。

二間続きで広々とした宿の部屋で、お茶を飲んでダラダラしているのはとても心地良いのですが、せっかく聖地に来ているのだからと重い腰を上げてまた出かけます。
夕食前に、あの夏の日の熱い想い出の場所を見てくることにしましょう。

ロケット聖地巡礼~内之浦宇宙空間観測所かけ足散歩~に続く