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どれからなりとおためしください

2014-15 イタリア三都ガリレオ追っかけツアー その19:ピサ大聖堂と夜の斜塔~ドゥオモ広場散歩・後編~

2015-03-22 | 旅行記:2014-15 イタリア

その18:ピサの斜塔~ドゥオモ広場散歩・前編~からの続き

世界遺産「ドゥオモ広場」の2015年、元日の昼下がり。





ピサの斜塔があまりにも有名なドゥオモ広場ですが、それだけではありません。
ドゥオモ広場にはピサが海洋国家として繁栄を極めた時代を象徴する数々の傑作建築群が建ち並び、それらの織り成す調和のとれた美しさから「奇跡の広場」とも讃えられているのです。

このちょっと可愛らしい丸い建物は洗礼堂



建物の上部と下部とでゴシック様式とロマネスク様式が融合した大変珍しい建築様式だそうです。
南ヨーロッパの濃紺の青空に映える白亜の大理石、そしてその大理石の壁面に施された緻密な装飾も見事ですね。

そしてドゥオモ広場の中心に鎮座ましますこの大伽藍が、ピサ大聖堂



今では大聖堂よりも有名になったピサの斜塔も、本来は大聖堂に付属する鐘つき堂(鐘楼)です。
…こうして大聖堂と並んでるのを見ると、ホントに傾いてるなぁピサの斜塔(笑)

ピサの斜塔に登る入場券を買うと、特典としてこの大聖堂にも無料で入場して内部を見学することが出来ます。
さっそく、本来は斜塔よりも主役の大聖堂に入ってみましょう!




大聖堂の中は、陽射しが入ってとても明るい雰囲気。

正面の最奥部に見えるキリストの姿を描いたモザイクで彩られたドーム天井の手前に、ガリレオがその揺れる様子を見たことで「振り子の等時性」を発見するきっかけとなったシャンデリア(ガリレオのランプ)が見えます!
そう、このピサ大聖堂も斜塔と共にガリレオ・ガリレイの重要な聖地の一つなのです。

…もっとも、このシャンデリアの逸話も斜塔での鉄球落下実験と同じく後世の創作のようです。
何しろ、実際にはシャンデリアが作られたのはガリレオが振り子の等時性を発見した後のことらしいので…(´・ω・`)


気を取り直して、シャンデリアの下に立ちキリストのモザイクを見上げます。
「きっと、ガリレオも生まれ故郷のこの大聖堂のこの場所に立って、自らが身を捧げた科学の勝利を高らかに謳いあげて神に祈った筈…」

クリスチャンではない僕も、ここで祈りを捧げて今年の初詣をしました。八百万の神を戴く日本人は、どんな神様にでも別け隔て無く二礼二拍手一礼して祈れるのです。

「今年も、少しでも世界が平穏に過ごせますように…」


ステンドグラス越しに陽射しが降り注ぐ大聖堂内には、油彩の宗教画も数多く掲げられていてまるで美術館のようです。

大聖堂内部をじっくり見て、外に出てくると2015年の元日の太陽は既に傾き始めていました。




巨大な日時計になったピサの斜塔が、ドゥオモ広場に時を刻んでいきます。

やがて夕陽が大聖堂と斜塔を美しく染め上げ始めました。






斜塔の回廊の横には、今夜の月が…




辺りはすっかり暗くなりました。
それでも、ドゥオモ広場は多くの観光客で昼間と変わらぬ賑わいです。

斜塔も相変わらず大勢の見学者が順番に並んで、頂上に登っています。



夜の斜塔は「童話の天文学者」が似合いそうな独特の雰囲気で、昼間とはまた違った魅力がありますね。
月に照らされた斜塔の回廊を登ると、鉄球ではなく望遠鏡を携えたガリレオに会えるような気分になるのかも知れません。


…今日は一日かけて、心ゆくまでドゥオモ広場を堪能しました。
でも正直まだ見足りない、出来ることなら一晩中でもピサの斜塔と大聖堂を眺めていたい気分なのですが、名残惜しいけれどもこれでドゥオモ広場に別れを告げることにします。

明日は、朝からフィレンツェ経由でミラノに戻ります。
さようなら、ガリレオが生まれたピサの町。人々は親切だし景色もきれいで、何より雰囲気が実に良くて安全な素晴らしい町でした。
「イタリアに来るまでは、治安が悪くてルーズな国かも知れないと思っていたけど、ピサは本当に素敵な町だったな…帰るのは寂しいよ。
またいつか必ず、僕はピサに来たいな…今度はドゥオモ広場だけじゃなく、もっとゆっくり旧市街やアルノ川の岸辺を散歩したり、そうだガリレオが生まれた家にも行ってみたいな」


ガリレオの足跡を追いイタリアの三都を巡った旅も、段々と終わりが近づいてきています…



B&Bへの帰り途、ドゥオモ広場近くの観光客で賑わう商店街でこんなものを発見。


日本が世界に誇るインスタントラーメン!
日清の出前一丁 です。商品名はDEMAE RAMENになるんだなぁ(笑)


パッケージには中国語も書かれていましたが中国製のニセモノではなく、日清食品のドイツ法人がEU圏内でライセンス生産している本物のようです。

かくして、ピサでの最後の晩餐は懐かしい日本のインスタントラーメン・出前一丁になりました(笑)
それにしても、B&Bのこのキッチンで炊事してると何だか日本の自宅の台所にいるみたいで、ホントに落ち着くなぁ…


その20:再びフィレンツェ。花の聖母教会、“天国の扉”に続く

2014-15 イタリア三都ガリレオ追っかけツアー その18:ピサの斜塔~ドゥオモ広場散歩・前編~

2015-03-22 | 旅行記:2014-15 イタリア

その17:フィレンツェ散歩。ミケランジェロ広場からの眺めからの続き

2015年1月1日

明けましておめでとうございます。
今年の元旦は、イタリアはピサのB&Bで迎えました。

さて、B&Bとはそもそも「Bed and Breakfast」の略称で、その名の通りベッドと朝食のみが提供される簡素な民宿…という意味合いを持つものなのですが、我々が滞在しているここピサのB&B「Affittacamere Delfo」は何故か朝食が提供されず、セルフサービスとなっています。その代わり、客室の設備は簡素ではなくとても豪華で、きれいなトイレと洗面所とシャワールームも各部屋に付いているんですけどね…ハッそうか!ここでは「Bed and Bathroom」という意味か(笑)

という訳で朝食は、昨夜旧市街のインド人夫婦がいる小さなスーパーマーケットで買っておいた食材を使って自炊です。
まぁこれはこれで楽しいんですよね。…それに、実は今朝の食事は「私達が作るから、いいから寝てて!」と女性陣から申し出があって全部作ってもらったんですよね。とうとう僕の不器用男料理が酷すぎると愛想尽かされたか(苦笑)



朝からキッチンに並ぶ温かい手料理は、やっぱり最高ですね!
パンとスクランブルドエッグとスープですが、今年最初に食べるので立派な「おせち料理」でもあります。

食事を済ませたら、身支度を整えてさぁ出かけましょう!
今日は日本晴れの(ここはイタリアだけど…)いい天気!元旦なので、初詣に行かなくちゃ…そう、ピサの斜塔があるピサ大聖堂に新年のお詣りに行きますよ!!


…と、B&Bを出たところで発見!
「おおっ傾いてる傾いてる!これがピサの斜塔か~!?って、僕の知ってる斜塔とちょっと違う(笑)
どうやらこれ、ピサの町らしい「街角オブジェ」…らしい。

なんちゃって斜塔を後に、さらに歩いて行くと…


「おっ!?」


「おおっ!?」


「おおおっ!?」


「おお~、これぞ本物のピサの斜塔だぁ~!!…本当に随分傾いてるねぇ(笑)






とうとうやって来ました、ピサの斜塔を擁する大伽藍・ピサ大聖堂の建つ世界遺産「ドゥオモ広場」です。

科学者ガリレオ・ガリレイの故郷ピサに彼の生前から存在していたドゥオモ広場、斜塔にも大聖堂にもガリレオゆかりの伝説伝承が数多く語り継がれているのは御存知の通り。
ガリレオの足跡を追う今回の旅の、ここは最も重要な目的地の一つです。

まずは、斜塔を近くからじっくり拝みましょう!




斜塔の基部は、塔の周りの地面を掘り下げた窪みの上に建っている事が分かります。

ピサの斜塔は12世紀後半の建築開始直後から傾き始めたそうですが、ピサの町の地質がアルノ川によって堆積した不均質で軟弱な砂地だったために塔の南側で地盤沈下が起きたのが原因とされています。
以来数百年間、斜塔の基部の地盤は沈み続けて傾きは徐々に進行し、とうとう傾き過ぎて塔全体が崩落する危険性が指摘されるようになったために1990年から10年間に亘って立入禁止となり大規模な改修工事が実施され、現在では塔の傾きの進行は停止しています。
改修工事の際に塔の北側の地盤を掘削して傾きをやや補正したそうなので、その際に永年地中に向かって沈み込み続けていた斜塔の基部を掘り返して基礎部全体をきれいに石で覆ったのかも知れませんね。


間近で見上げるピサの斜塔…こうやって見ると、傾いているのがよく分からないからつまらない(笑)

通常、建築物が傾いているのは大問題で「基礎工事の手抜きが原因の欠陥建築か!?」等と騒ぎになったりするものですが、“傾いている事が大事で、傾いているから歓ばれる” 建物というのも世界中でこのピサの斜塔だけだろうなぁ…

さて、斜塔を外から見ていると今度は実際にてっぺんまで登ってみたくなってきました。
ピサの斜塔は入場券を買えば頂上部まで登ることが出来ますが、何しろただでさえ危なっかしく傾いている塔を改修工事を施してどうにか支えている状態なので、塔に負荷を掛け過ぎないように配慮しているらしく入場券は時間を区切って人数制限付きで販売されています。
今日の分の入場券が売り切れていたり夜まで待たされたりしたらどうしようと心配でしたが、どうにか1時間半待ちで塔に登れる入場券を購入することが出来ました。


1時間半待って塔の中に入ると…何と、中は空洞です!
ピサの斜塔は内部が空っぽの、筒のような構造の塔だったんですねぇ。
元々、大聖堂に付属の鐘つき堂として建てられたそうなので、てっぺんに鐘を吊るす事だけを考えた設計になっているんですね。


よく見ると、塔の頂上から鉛錘が提げられています。
恐らく頂上では塔の中心部から吊り下げられているのでしょうが、基部ではこの通り完全に壁についてしまっていますねぇ…
現在、ピサの斜塔は南に向かって約4度、中心部からの距離にして約4メートル分傾いているそうですが、そのことを強く実感できます。

中空のピサの斜塔の「底」に、こんな装置を発見しました。



「おおっプレートに刻まれたこのロゴは…カール・ツァイス・イエナ!」
プラネタリウム投影機で有名なドイツのカール・ツァイス社の製品です。「NI002」という製品番号を帰国後に調べてみたところ日本の国土地理院でも使われている自動水準儀(オートレベル)だそうで、ピサの斜塔の正確な傾きを測定するのに使われているようですね。


さあ、いよいよ塔のてっぺんに登りますよ…
しかし、歴史的に貴重なピサの斜塔にはエレベーターなんてもちろん設置されておらず、この磨り減った螺旋階段をひたすら歩いて登ることになります。
高さ55mの塔の頂上まで約300段!「き、きつい…でも、この階段をかつてガリレオも落下の実験用の重い鉄球を担いで登ったんだ!まぁ実際には実験道具は助手に運ばせただろうし、そもそもこの実験の話自体後世の創作だって知ってるけどさ(笑)
でも、ガリレオは落下の実験は行わなくても、きっと子供の頃から町内に建っていたこの塔には何度と無く登っている筈…きっとそうだよね!

そして、ぼやきつつヒイヒイ言いながら登ったピサの斜塔の頂上には、この絶景が待っていました!






「うわ~いい景色だなぁ!きっとガリレオも苦労して登った甲斐があったと思っただろうなぁ」


遥か彼方の地平線には、ガントリークレーンらしきものが並んでいるのも見えます。アルノ川の河口にあるピサ港でしょうかね。
あの向こうには地中海が広がっていて、ピサの斜塔やドゥオモ広場が作られた頃に海運国家として繁栄を極めていたピサ共和国の人々はこの塔の上から大海原を想い、そしてその先の海へと漕ぎ出して行ったのでしょうね。




そして足元に目をやると、隣のピサ大聖堂を見下ろす迫力満点のこの眺め。
「アニメのル◯゜ン三世なんかだと、銭形警部に追われたルパンたちがここから大聖堂の屋根にジャンプして乗り移って逃げるシーンだよねこれは(笑)


ピサの斜塔は鐘つき堂なので、ちゃんと鐘が吊られていました。
今でも現役なのかは不明ですが…

ここで、塔のてっぺんの見学時間は終了。名残惜しいのですが、係員に追い立てられて螺旋階段を降り下界に戻ります。




地上から、改めて斜塔を眺めます。
「こうして見ると、本当に絶妙に傾いた塔だねぇ…傾きに趣があるような気がしてきた。それに、よく見ると途中で傾きに抗って何とか建築を鉛直に直そうと上層階に行くに従って角度を修正してる跡が分かるね。なんだか塔が“海老反り”になって踏ん張ってるみたいで、健気な感じさえするね!」

もうお昼です。
ドゥオモ広場の近くに並んだ観光客向けのカフェテラスで昼食にします。





イタリアンなトマトソースの肉料理とピッツァを食べて体力を取り戻したら、再びドゥオモ広場に戻りましょう。
午後は斜塔以外の建築物も見て回ることにします。

その19:ピサ大聖堂と夜の斜塔~ドゥオモ広場散歩・後編~に続く

おかえりなさい!SL人吉2015

2015-03-22 | 鉄道

今年も元気に走り始めました。SL人吉、平成27年3月21日から今年の営業運転開始です!
おかえり、SL人吉!!



…という訳で、昨日はいつもの不知火跨線橋付近で一番列車をお見送り。
満員御礼だったようで、展望車も大賑わいですね。
今年もいい旅を!

撮影場所:鹿児島本線松橋―小川間(公道上から撮影)