このスライドは、私たちが患者さんと2000年から2005年までに経験してきたIFN療法の年齢分布です。女性は60代にピークがあり男性は50代にピークがあります。だんだんと全体が年齢を重ねてきているので、インターフェロンが認可されるようになった1992年より、15年経過しているわけです。当時65才以下が適応と、年齢で限界が決められているかのような、話がたくさんありましたが、現在は、75才までは、何らかの形でIFN療法を検討できるのではないかと言われるようになってきました。
肝炎の方は、何才になっても肝癌になる可能性があることがわかってきており、肝硬変や肝癌になる可能性があるのであれば治療をするべきと考えられるようになってきました。以前は、高齢者の場合は進行が遅く、肝癌よりも脳卒中や心臓病でなくなる人がおおいから、インターフェロンはしないでも大丈夫なんて言われていた時期もありましたが、現在はそうではないと言うことがよくわかってきており、ウイルス肝炎の多発している年代の方は、ウイルスがいる状態で肝炎が持続することで肝癌の発生が何歳でもあり得ることがわかってきています。日本には、このウイルス肝炎の多発する年代層があり、国民病として、感染を広げた責任が、医療行為にあったことがだんだんと証明されつつあると思います。はやく国の対策を充実したものとして欲しい。患者さんの切実な思いは、いまもなお、聞かれます。