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モバライダー mobarider

足並みが揃わない磁場反転、今後の太陽活動に注目

2013年02月11日 | 宇宙 space
太陽は、11年周期で訪れる活動ピークとともに、南北の極域磁場が入れ替わります。
でも、今年秋のピークを前にして、その反転の足並みが南北で揃わないままとなっているんですねー
今後の太陽活動に、どのような影響が出るのか注目されています。

太陽は、平均11年の周期で活動の極大と極小を繰り返しています。
現在は徐々に活動が上昇してきているところで、今年の秋ごろにピークを迎えると予想されているんですねー

太陽活動がピークになるころ、太陽表面の黒点の数が増加し、ほぼ同時に南北の磁場が反転します。
なので、黒点の源となると考えられている極域磁場が、
どのように変化するかを調べることは、太陽活動を予測する上で非常に重要なんですねー

太陽活動が上昇中の2012年1月、衛星“ひので”の観測で、
太陽の北極磁場がマイナスからプラスに転じる兆候を見せる一方で、
南極はプラスを維持しているままなことが分かりました。






太陽の磁場のようす



このままでは、近い将来に南北の両方がプラス極という四重極構造になると予測されていたんですねー

そして、2012年9月~10月の観測では、北極では引き続き磁場の反転が進行していて、南極では依然としてプラスのままとなっていました。

また、磁場の反転が低緯度側から起こることも今回の観測で明らかになり、北緯75度以北までプラス極になっていると推定されています。






“ひので”が観測した
太陽の北極周辺の
磁場マップ



今年秋のピーク時に予想される、黒点をベースとした太陽活動の指標“平均相対黒点数”は、過去100年で最低の数字となっていて、当面の太陽活動は低調に推移すると考えられています。

17世紀ごろの“マウンダー極小期”のような、極端な太陽活動の低下が発生する場合には、その兆候が1サイクル(11年前)近く前に極域磁場に現れると考えられています。

今後も注意深く、“ひので”による極域の観測を続ける必要があるようです。