アルマ望遠鏡が若い星を取り巻く円盤にメタノールを検出したんですねー
惑星の誕生現場になる円盤にメタノールが発見されたのは初めてのこと。
このことは、惑星誕生過程における化学反応や、
最終的に生命の誕生にもつながるような化学反応の理解を助けてくれるものかもしれません。
原始惑星系円盤
地球から170光年の距離にある約1000万歳の若い恒星が“うみへび座TW星”です。
その周囲には、惑星が誕生する円盤“原始惑星系円盤”が広がっていて、
太陽系が誕生してから1000万年ほどたったころの姿に似ていると考えられています。
“原始惑星系円盤”を持つ星としては最も地球から近い場所にあり、
円盤を真正面から見ることができるという好都合な点から、
盛んに観測が行われています。
有機分子の発見
オランダにあるライデン天文台の研究チームが、
アルマ望遠鏡を使って“うみへび座TW星”を電波観測すると、
星の周りの“原始惑星系円盤”に気体状態のメタノールが検出されます。
メタノールはメタンをもとにして作られる分子で、
“原始惑星系円盤”で見つかったものとしては、これまでで最も大きな有機分子になります。
このメタノールの発見をもとにして研究を進めれば、
誕生した赤ちゃん惑星に、どのようにして有機分子が取り込まれていくのか、
が分かるかもしれません。
メタノールは、
アミノ酸のようなさらに複雑な有機分子の材料にもなるので、
生命誕生に必要な物質を作り出すための化学反応を理解する上でも、
重要な発見になるんですねー
気体状態になった理由
さらに分かったことは、メタノールが中心の星の直近に集中しているほか、
半径30天文単位と100天文単位のところにリング状に分布していること。
メタノールは“原始惑星系円盤”に含まれるチリの粒子の表面で作られ、
その後、表面から離脱することで気体の状態になると考えられています。
でも“うみへび座TW星”の場合、中心星から遠くて温度が低く、
普通であればメタノールがチリの表面に凍りついているはずの場所でも、
気体状態のメタノールが存在していたんですねー
この理由については、
メタノールは単にチリの温度が上がって昇華したのではなく、
星から降り注ぐ高エネルギーの紫外線分子によって叩き出され、
気体状態になったのではないかと考えられています。
こうした研究により、星間空間におけるメタノールの気化のメカニズムや、
より一般的な宇宙での化学反応についても理解が進むんでしょうね。
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原始惑星系円盤
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その周囲には、惑星が誕生する円盤“原始惑星系円盤”が広がっていて、
太陽系が誕生してから1000万年ほどたったころの姿に似ていると考えられています。
“原始惑星系円盤”を持つ星としては最も地球から近い場所にあり、
円盤を真正面から見ることができるという好都合な点から、
盛んに観測が行われています。
有機分子の発見
オランダにあるライデン天文台の研究チームが、
アルマ望遠鏡を使って“うみへび座TW星”を電波観測すると、
星の周りの“原始惑星系円盤”に気体状態のメタノールが検出されます。
メタノールはメタンをもとにして作られる分子で、
“原始惑星系円盤”で見つかったものとしては、これまでで最も大きな有機分子になります。
“うみへび座TW星”を取り巻く“原始惑星系円盤”と、 その中に含まれるメタノール分子(イメージ図)。 |
このメタノールの発見をもとにして研究を進めれば、
誕生した赤ちゃん惑星に、どのようにして有機分子が取り込まれていくのか、
が分かるかもしれません。
メタノールは、
アミノ酸のようなさらに複雑な有機分子の材料にもなるので、
生命誕生に必要な物質を作り出すための化学反応を理解する上でも、
重要な発見になるんですねー
気体状態になった理由
さらに分かったことは、メタノールが中心の星の直近に集中しているほか、
半径30天文単位と100天文単位のところにリング状に分布していること。
メタノールは“原始惑星系円盤”に含まれるチリの粒子の表面で作られ、
その後、表面から離脱することで気体の状態になると考えられています。
でも“うみへび座TW星”の場合、中心星から遠くて温度が低く、
普通であればメタノールがチリの表面に凍りついているはずの場所でも、
気体状態のメタノールが存在していたんですねー
この理由については、
メタノールは単にチリの温度が上がって昇華したのではなく、
星から降り注ぐ高エネルギーの紫外線分子によって叩き出され、
気体状態になったのではないかと考えられています。
こうした研究により、星間空間におけるメタノールの気化のメカニズムや、
より一般的な宇宙での化学反応についても理解が進むんでしょうね。
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