アルマ望遠鏡の観測により、131億年前の宇宙に存在する銀河に、
電離した酸素ガスが初めて検出されたんですねー
このことは、いまだ謎である宇宙再電離を探る、
重要な手がかりになると期待さるそうですよ。
重元素の量と宇宙の歴史
138億年前、ビッグバン直後の宇宙には、
最も軽い元素になる水素と、2番目に軽いヘリウム、
そして3番目に軽いリチウム(ごく微量)しか存在していませんでした。
それは、酸素や炭素といったより重い元素は、
星の内部で起こる核融合反応によって作られ、超新星爆発などによって宇宙空間にばら撒かれて、
次世代の星の材料になるからです。
こうして星の生死が繰り返されることで、星の内部の重元素が増えていくので、
その量は星形成の歴史を反映するものになります。
なので、とくに宇宙最初期の重元素を探すことは、
宇宙で最初の星形成の歴史や銀河の誕生について調べることにつながるんですねー
電離した酸素
今回の研究では、宇宙最初期の重元素を探すためアルマ望遠鏡を使用。
2012年に、すばる望遠鏡によって発見された、
くじら座の方向にある銀河“SXDF-NB1006-2”を観測しています。
この観測で研究チームが注目したのは電離した酸素で、
酸素からの光が検出可能であることをコンピュータシミュレーションで確認したうえで、
観測を実施しています。
すると銀河から、酸素に由来する電波が検出されます。
この結果は、
今から約131億年前、宇宙誕生後およそ7億年という最初期の宇宙に、
酸素が存在していたことを証明するもので、
人類が目にする最古(すなわち最遠方)の酸素になりました。
検出された電波は、
強いエネルギーを受けて電子を2個失った状態の酸素からのもの。
このことから、
この銀河には太陽の数十倍の質量を持つ巨大な星が多数存在していて、
強烈な光を放って酸素を電離していると考えられます。
観測された酸素の量はシミュレーションの予想通り。
ただ、チリが少ない(チリからの電波が検出されない)という予想外の結果や、
炭素も検出できず…
この結果は“宇宙再電離”を考えるうえで非常に重要な点になるようです。
宇宙再電離
宇宙再電離とは、宇宙の誕生から数億年後、
宇宙に満ちていた水素原子が電離された現象のことです。
天体からの光によって引き起こされたと考えられているのですが、
それがどんな天体なのかは、はっきりとは分かっていないんですねー
今回の観測対象である銀河のようにチリや炭素が少ないと、
銀河中の巨大星から放たれた強烈な光が銀河の外にまで達し、
広範囲のガスを電離させることになります。
なので、今回電離した酸素が見つかった銀河“SXDF-NE1006-2”は、
宇宙再電離を引き起こした光源のプロトタイプなのかもしれません。
今回の研究成果は、
宇宙再電離を研究する上での第一歩に過ぎないのかもしれません。
アルマ望遠鏡の高い解像度で観測すれば、
銀河における電離酸素ガスの分布や運動の様子も見えるはずで、
銀河の性質を議論する上で非常に役に立つ情報になります。
どんな銀河が宇宙再電離を引き起こしたのか?
明らかにする重要な手がかりが、今後の観測で得られればいいですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 水素の霧が晴れたのかも? 131億年前に突然現れた銀河たち
電離した酸素ガスが初めて検出されたんですねー
このことは、いまだ謎である宇宙再電離を探る、
重要な手がかりになると期待さるそうですよ。
重元素の量と宇宙の歴史
138億年前、ビッグバン直後の宇宙には、
最も軽い元素になる水素と、2番目に軽いヘリウム、
そして3番目に軽いリチウム(ごく微量)しか存在していませんでした。
それは、酸素や炭素といったより重い元素は、
星の内部で起こる核融合反応によって作られ、超新星爆発などによって宇宙空間にばら撒かれて、
次世代の星の材料になるからです。
こうして星の生死が繰り返されることで、星の内部の重元素が増えていくので、
その量は星形成の歴史を反映するものになります。
なので、とくに宇宙最初期の重元素を探すことは、
宇宙で最初の星形成の歴史や銀河の誕生について調べることにつながるんですねー
電離した酸素
今回の研究では、宇宙最初期の重元素を探すためアルマ望遠鏡を使用。
2012年に、すばる望遠鏡によって発見された、
くじら座の方向にある銀河“SXDF-NB1006-2”を観測しています。
この観測で研究チームが注目したのは電離した酸素で、
酸素からの光が検出可能であることをコンピュータシミュレーションで確認したうえで、
観測を実施しています。
すると銀河から、酸素に由来する電波が検出されます。
この結果は、
今から約131億年前、宇宙誕生後およそ7億年という最初期の宇宙に、
酸素が存在していたことを証明するもので、
人類が目にする最古(すなわち最遠方)の酸素になりました。
検出された電波は、
強いエネルギーを受けて電子を2個失った状態の酸素からのもの。
このことから、
この銀河には太陽の数十倍の質量を持つ巨大な星が多数存在していて、
強烈な光を放って酸素を電離していると考えられます。
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“SXDF-NE1006-2”のイメージ図。 巨大な若い星たちが放つ強烈な光によってガスが電離されている様子。 |
観測された酸素の量はシミュレーションの予想通り。
ただ、チリが少ない(チリからの電波が検出されない)という予想外の結果や、
炭素も検出できず…
この結果は“宇宙再電離”を考えるうえで非常に重要な点になるようです。
宇宙再電離
宇宙再電離とは、宇宙の誕生から数億年後、
宇宙に満ちていた水素原子が電離された現象のことです。
天体からの光によって引き起こされたと考えられているのですが、
それがどんな天体なのかは、はっきりとは分かっていないんですねー
今回の観測対象である銀河のようにチリや炭素が少ないと、
銀河中の巨大星から放たれた強烈な光が銀河の外にまで達し、
広範囲のガスを電離させることになります。
なので、今回電離した酸素が見つかった銀河“SXDF-NE1006-2”は、
宇宙再電離を引き起こした光源のプロトタイプなのかもしれません。
今回の研究成果は、
宇宙再電離を研究する上での第一歩に過ぎないのかもしれません。
アルマ望遠鏡の高い解像度で観測すれば、
銀河における電離酸素ガスの分布や運動の様子も見えるはずで、
銀河の性質を議論する上で非常に役に立つ情報になります。
どんな銀河が宇宙再電離を引き起こしたのか?
明らかにする重要な手がかりが、今後の観測で得られればいいですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 水素の霧が晴れたのかも? 131億年前に突然現れた銀河たち