銀河中心の超大質量ブラックホールの周囲に広がる高密度分子ガス円盤。
この円盤が、ブラックホールへの質量の供給源として重要だということが、
初めて示されたんですねー
このことは円盤で発生する超新星爆発が、
ブラックホールの成長を駆動するという理論予測を観測的に支持するもので、
超大質量ブラックホールの起源解明につながる観測結果になるようです。
ブラックホールへのガスの供給源
多くの銀河の中心には、
太陽の100万倍以上もの質量を持つ超大質量ブラックホールが存在しています。
でも、その形成過程は謎に包まれていて、
現代の天文学が解決すべき最重要テーマの1つになっています。
また、中心部での星形成が活発な銀河ほど、
銀河中心ブラックホールへのガス質量降着率も大きいことが知られています。
(ブラックホールに落ち込むガスの量が多い)
でも、この2つの現象を結び付ける物理機構はまだ分かっていません。
今回の研究では、アルマ望遠鏡などで得た高解像度の電波観測データを解析。
近傍宇宙に存在する銀河10個の中心に潜む超大質量ブラックホールについて、
その周囲数百光年にわたって広がる低温・高密度の分子ガス円盤を調べています。
すると解析から、
シアン化水素分子輝線の電波強度から見積もった“高密度分子ガス円盤の質量”と、
別の観測で知られている“超大質量ブラックホールへのガス質量降着率”に、
強い正の相関があることが明らかになります。
また、別に見積もった“銀河全体の高密度ガスの総量”と、
“ブラックホールへのガス質量降着率”には相関が見られませんでした。
このことは、超大質量ブラックホール成長に重要なガス質量の供給源として、
中心部の小さな高密度分子ガス円盤こそが、重要な機能を果たしていることを示す結果でした。
超新星爆発がガス質量降着のカギ
さらに、“高密度分子ガス円盤内で形成された大質量星が超新星爆発を起こし、
ガス中に強い乱流が発生することで、さらに内側へのガス供給が促進される”という理論モデルと、
実際の観測データをもとに、高密度分子ガス円盤からさらに内側に流入するガス質量を計算。
この値を超大質量ブラックホール近傍で実際に消費されているガスの総量と比較したところ、
これら2つの量は一致しました。
ガスの総量とは、ブラックホールの成長に使われる質量と、
ブラックホール近傍で発生する強い放射で外部に吹き飛ばされてしまう質量の合計。
この理論モデルでは、
超新星爆発(星形成と関連する現象)がガス質量降着のカギになっていて、
「中心部での星形成が活発な銀河ほど、銀河中心ブラックホールへのガス質量降着率も大きい」
ことを自然に説明できるんですねー
今回の結果は、観測からこのモデル予測を裏付けるものになります。
超大質量ブラックホールと星成分の研究に、低温高密度分子ガスの観測を加えることで、
銀河中心数百光年以内の小さい領域におけるガス質量の流入・流出の収支が、
初めて整合的に説明されました。
今後、アルマ望遠鏡を用いた遠方ブラックホールの詳細な観測から、
宇宙の昔と今にわたるブラックホールの成長の包括的な理解が進むと期待されています。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 初めての直接観測。 ガス雲が秒速300キロで超大質量ブラックホールに向かって落下している様子
この円盤が、ブラックホールへの質量の供給源として重要だということが、
初めて示されたんですねー
このことは円盤で発生する超新星爆発が、
ブラックホールの成長を駆動するという理論予測を観測的に支持するもので、
超大質量ブラックホールの起源解明につながる観測結果になるようです。
ブラックホールへのガスの供給源
多くの銀河の中心には、
太陽の100万倍以上もの質量を持つ超大質量ブラックホールが存在しています。
でも、その形成過程は謎に包まれていて、
現代の天文学が解決すべき最重要テーマの1つになっています。
また、中心部での星形成が活発な銀河ほど、
銀河中心ブラックホールへのガス質量降着率も大きいことが知られています。
(ブラックホールに落ち込むガスの量が多い)
でも、この2つの現象を結び付ける物理機構はまだ分かっていません。
今回の研究では、アルマ望遠鏡などで得た高解像度の電波観測データを解析。
近傍宇宙に存在する銀河10個の中心に潜む超大質量ブラックホールについて、
その周囲数百光年にわたって広がる低温・高密度の分子ガス円盤を調べています。
(左)今回調査された銀河の1つ、ペガサス座に位置するNGC 7469の可視光線画像、 (右)NGC 7469の中心領域におけるシアン化水素分子輝線の強度分布図(疑似カラー)。 中心の十字が超大質量ブラックホールの位置。 |
すると解析から、
シアン化水素分子輝線の電波強度から見積もった“高密度分子ガス円盤の質量”と、
別の観測で知られている“超大質量ブラックホールへのガス質量降着率”に、
強い正の相関があることが明らかになります。
また、別に見積もった“銀河全体の高密度ガスの総量”と、
“ブラックホールへのガス質量降着率”には相関が見られませんでした。
このことは、超大質量ブラックホール成長に重要なガス質量の供給源として、
中心部の小さな高密度分子ガス円盤こそが、重要な機能を果たしていることを示す結果でした。
超新星爆発がガス質量降着のカギ
さらに、“高密度分子ガス円盤内で形成された大質量星が超新星爆発を起こし、
ガス中に強い乱流が発生することで、さらに内側へのガス供給が促進される”という理論モデルと、
実際の観測データをもとに、高密度分子ガス円盤からさらに内側に流入するガス質量を計算。
この値を超大質量ブラックホール近傍で実際に消費されているガスの総量と比較したところ、
これら2つの量は一致しました。
ガスの総量とは、ブラックホールの成長に使われる質量と、
ブラックホール近傍で発生する強い放射で外部に吹き飛ばされてしまう質量の合計。
この理論モデルでは、
超新星爆発(星形成と関連する現象)がガス質量降着のカギになっていて、
「中心部での星形成が活発な銀河ほど、銀河中心ブラックホールへのガス質量降着率も大きい」
ことを自然に説明できるんですねー
銀河中心部で起こっている超大質量ブラックホールへのガス質量降着過程(イメージ図)。 高密度分子ガス円盤中で発生した超新星爆発が周囲に強い乱流を引き起こし、 安定な運動を妨げられたガスが中心に向かって流入する様子を表している。 |
今回の結果は、観測からこのモデル予測を裏付けるものになります。
超大質量ブラックホールと星成分の研究に、低温高密度分子ガスの観測を加えることで、
銀河中心数百光年以内の小さい領域におけるガス質量の流入・流出の収支が、
初めて整合的に説明されました。
今後、アルマ望遠鏡を用いた遠方ブラックホールの詳細な観測から、
宇宙の昔と今にわたるブラックホールの成長の包括的な理解が進むと期待されています。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 初めての直接観測。 ガス雲が秒速300キロで超大質量ブラックホールに向かって落下している様子
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