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プレアデス星団の星々の自転速度を測定

2016年08月29日 | 宇宙 space
探査衛星“ケプラー”の観測から、
プレアデス星団の星々の自転速度が計測されました。

このことにより、星の周囲のどこでどのように惑星が形成されるのか、
星団の星がどう進化するのかについて理解が深まると期待されているようです。


星の自転速度を観測

日本では“すばる”という名前でよく知られているプレアデス星団は、
地球からおよそ440光年の距離に位置する若い星の集まりです。

星々の年齢は約1億2500万歳で一生のうちの“若い成人期”に相当し、
その自転速度は生涯を通じて最も高速の状態にあると考えられています。
NASAの赤外線天文衛星“WISE(現NEOWISE)”がとらえたプレアデス星団。
4種類の赤外線波長による観測データをもとにした疑似カラー画像。

今回の研究でカリフォルニア工科大学の研究チームは、
NASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”の“K2ミッション”で、
プレアデス星団を72日間にわたって観測し、750個以上の星の自転速度を調べています。

  “K2ミッション”は姿勢制御装置の不具合により、
  主要ミッションを終了していた“ケプラー”の新しいミッション。
  姿勢制御装置(リアクションホイール)の代わりに太陽光圧を姿勢制御に利用する。


  故障中の“ケプラー”が復活ミッションで系外惑星を発見!

太陽の黒点と同様、恒星の表面にも磁場の影響で低温の暗い部分が存在します。

星の自転に伴って暗い部分が見え隠れすることにより、星の明るさが変化するので、
その明るさの変化から星の自転速が分かります。

とくに若い星では、強力な磁場の影響によって暗い部分が巨大になるので、
自転に伴う明るさの変化も大きくなり、自転速度が測りやすくなります。


自転速度と内部構造

観測データからは、質量の大きな星ほど自転速度が遅く、
小さな星ほど速いという傾向が明らかになってきます。

質量の大きい星(太陽と同程度)の自転周期は1日から11日、
小さい星(最も小さいもので太陽の10分の1ほど)の多くは自転周期が1日以下でした。

こうした自転速度の違いは、星の内部構造の違いによると考えられています。

大きい星はその内部の対流層が薄く、
反対に小さい星ではほぼ全体が対流層になります。

星の自転は星からの質量放出(恒星風)と磁場の働きによって遅くなります。
でも、この磁場ブレーキが効果的に影響するのは対流層が薄い大きい星の方なんですねー

プレアデス星団は地球に近いので、
今後の観測で、星の自転速度とその他の特徴との間にある複雑な関係も明らかにできそうです。

星の特徴は、その周りを回る系外惑星の気候や生命に適した環境の有無にも関係してきます。

なので、プレアデス星団と他の星団とを比較することにより、
星の質量や年齢とその関係、その星系における歴史についても多くのことが、
今後分かってくるのかもしれません。


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