第63回国際フィルムアーカイブ連盟(FIAF)東京会議2007開催記念特別上映会、衣笠貞之助監督の『狂った一貢』を観に行きました。
幻の前衛映画といわれる『狂った一頁』、35mmオリジナルサイレント版復元フィルムでの上映は世界初というキャッチもあって、有楽町朝日ホールには大勢の観客。
1926年(昭和元年)のその作品は、確かに、「幻の前衛映画」といわれるものでした。
精神科病院を舞台にひたすら狂人ばかりが描かれたその作品からは、監督が「伝えたかった」ことはさておき、当時30歳だった衣笠監督が「やりたかった」ことは伝わってきます。
文字字幕は一切なし、フラッシュバック、多重露光などの多様、構図の斬新さ(といっても洋画にはすでに見られるもの)など、とにかく、当時の日本にはなかった(であろう)手法や感覚ばかり。ドイツ映画の表現主義、『カリガリ博士』(ストーリー的にもかなりインスパイアされていると思う)や、ルビッチ、ムルナウ、『アンダルシアの犬』などのフランス映画の影響などがとても色濃く出ています。川端康成の脚本というのも頷けました。
チャンバラ映画が全盛を誇っていたあの時代に、それまでの日本映画にはない実験的な映画の登場は、どのように当時の人々に受け止められたのか、非常に興味深いものがありました。
もう一つの興味は、あの作品に、弁士が当時どんな説明をつけていたのか、ということ。
以前、「あなたの語りで衣笠監督の『十字路』を観てみたいです」と言われたことがあるのですが、自分が語りをつけるとしたら…。この『狂った一貢』は、かなり難解です。タイムスリップして当時の弁士の説明、聞いてみたい、ものです。
幻の前衛映画といわれる『狂った一頁』、35mmオリジナルサイレント版復元フィルムでの上映は世界初というキャッチもあって、有楽町朝日ホールには大勢の観客。
1926年(昭和元年)のその作品は、確かに、「幻の前衛映画」といわれるものでした。
精神科病院を舞台にひたすら狂人ばかりが描かれたその作品からは、監督が「伝えたかった」ことはさておき、当時30歳だった衣笠監督が「やりたかった」ことは伝わってきます。
文字字幕は一切なし、フラッシュバック、多重露光などの多様、構図の斬新さ(といっても洋画にはすでに見られるもの)など、とにかく、当時の日本にはなかった(であろう)手法や感覚ばかり。ドイツ映画の表現主義、『カリガリ博士』(ストーリー的にもかなりインスパイアされていると思う)や、ルビッチ、ムルナウ、『アンダルシアの犬』などのフランス映画の影響などがとても色濃く出ています。川端康成の脚本というのも頷けました。
チャンバラ映画が全盛を誇っていたあの時代に、それまでの日本映画にはない実験的な映画の登場は、どのように当時の人々に受け止められたのか、非常に興味深いものがありました。
もう一つの興味は、あの作品に、弁士が当時どんな説明をつけていたのか、ということ。
以前、「あなたの語りで衣笠監督の『十字路』を観てみたいです」と言われたことがあるのですが、自分が語りをつけるとしたら…。この『狂った一貢』は、かなり難解です。タイムスリップして当時の弁士の説明、聞いてみたい、ものです。