akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

フィルムセンター【こども映画館(小4~中学生向け)】

2007-08-04 | 活弁
3日はフィルムセンターでの【こども映画館~活弁と音楽の世界】二日目。

小学校高学年・中学生向けの回だったのですが、会場には、どう見ても小学校低学年という子どもたちがけっこういて、あら!という感じ。29日の応募がいっぱいになり、こちらに参加することになったようなのですが、伊藤大輔監督の『斬人斬馬剣』と、フランスの初期の無声映画『ジゴマ』は、難しかったかもしれません。
もともとストーリー展開も字幕も早いし難解なのですが、小学校高学年から中学生くらいであれば、このくらいの言葉は、映像とともにボキャブラリーを増やす意味でも有用だろうと書いた台本。低学年の子どもたちは、全体のストーリーよりも、シーンの面白さで観ていることが多いようなのですが、高学年以降の子どもたちには筋や独特の言い回しにも気を留めてもらいたいなと思い、そのまま語りました。

連続活劇『ジゴマ』は、1910、11年のものを二本続けて上映。
まだこの頃の映画作品は、弁士の語りなしでは分かり辛いものでしたし、『ジゴマ』は弁士の語りと相まって当時大ブレイクした作品でした。日本でもジゴマ人気に便乗した小説や映画がたくさん作られ軒並みヒット。子どもたちの間では「ジゴマごっこ」やジゴマを真似た犯罪が流行り悪影響が見られるようになったため、日本では上映禁止となった作品です。
現代では、そうした過去の社会現象を含め、文化として、国立の機関が子どもたちに見せてくれるのですから、面白いものです。

『斬人斬馬剣』は、テーマも映像も、若き日の伊藤大輔監督らしい、スピード感と正義感あふれる作品です。「虐げられる民 対 権力を笠にのさばる官僚」という構図の小藩で、「弱きを助け強きを挫く、浪人もののヒーロー」が他の浪人たちを味方につけ、民の心を奮いたたせて、起爆剤となり平穏な治世を築いていくーという物語。後半の、民を助けるために、また悪代官たちを成敗するために疾走するシーンのスピードと迫力は、息もつかせぬ感じです。

両作品ともに、語らせていただくことができ、弁士として光栄でした。
素晴らしい音楽で、作品に立体感を与えてくれたFEBOの小沢さん永田さん、そしてフィルムセンターの皆さんに感謝いたします。

8月7日(火)は、すろ~しねまprezents活弁シネマライブ@大手町カフェで、またFEBOのお二人と御一緒します。
小津安二郎監督の『出来ごころ』です。フィルムセンター公演で上映した『突貫小僧』の、坊や青木富夫と、誘拐犯坂本武が、親子で笑わせ泣かせる人情喜劇。夏にぴったりの名作です。ぜひご覧下さい。


コメント (2)
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