広島市映像文化センターでの夏休み活弁ワークショップ&活弁シアター、今年も無事、盛況に終えることができました。
お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
今年は初めて大人のワークショップも開催されたわけですが、子どもも大人も、募集開始からまもなく定員に達したとのこと。子ども9名、大人5名。
子どもたちは3つの班に分かれて、『のらくろ二等兵』の<教練の巻>と<演習の巻>、そして『ラリーのスピーディ(爆進ラリー)』を声色掛け合い説明で。
大人は、『血煙高田馬場』(3人)と『ドタバタ撮影所』(2人)を、リレー活弁で。
子どもたちは、今年は小学2年生から中学2年生まで。上級生がまとめ、すぐに仲良くなります。みんなで短期間に一緒に作品を作る中で、チームワークができあがります。
大人は、演劇経験者や謡の経験者もいれば、その昔父親が趣味で自宅に客を集め映写機を廻しては弁士のようなことをやっていたという方まで、それぞれに実に個性的でした。短時間でしたが、なかなか得られない体験だったのではと思います。
23、24日と二日間のワークショップと午前中のリハーサルまでは、発表までこぎつけられるかしらと冷や冷やしたり、檄を飛ばしたりしましたが、本番は子どもたちも大人も、皆楽しく語っていて、会場からも笑い声が飛び、それぞれにいい口演になったと思います。
私の口演した小津安二郎監督の『東京の宿』は、今回初めて取り組んだ作品です。昭和10年、世相を反映して、喜八もののなかでももっとも暗い内容の作品ですが、小津監督の独特の笑いや下町の人情が描かれていて、重いテーマの中にもしみじみとした味わいがあります。
世はちょうどトーキーに以降していた時期ですが、小津監督は撮影監督茂原英朗の茂原式トーキーができるのを待って、音楽だけのサウンド版で作りました。
作品の作り方(編集の仕方)はほとんどトーキーです。字幕を抜いて声が入れば、そのままトーキー版になるような。
以前観た時は、暗くて淡々としてドラマの少ない作品だなあと思いましたが、やはり、自分が活弁をやると、登場人物や物語、背景にも愛着がわきますし、シーンごとの小さなドラマもけっこう面白く感じます。小津監督が作品に込めた、社会や人生への憂い、ちょっと酒にだらしがないけれど懸命に生きる男の滑稽さ健気さ、子どもや大事な人への愛情等を感じながら、それがちゃんと伝わるようにと願いつつ語りました。
「いい作品だったね。語りの力ってすごいね」「今と似た世相で考えさせられたけど、今は(飯田蝶子のような)人情味のある近所のおばさんがいなくなったね」などの感想をいただきとても嬉しくなりました。
広島映像文化ライブラリーの皆様には、今年もたいへんお世話になりました。
そう、昨年行った『おくりびと』バリアフリー版(私の副音声付き)上映会には、障害者、健常者あわせ、350人ほどの方がいらして下さったそうで、それも嬉しいことでした。
本当にありがとうございました。
お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
今年は初めて大人のワークショップも開催されたわけですが、子どもも大人も、募集開始からまもなく定員に達したとのこと。子ども9名、大人5名。
子どもたちは3つの班に分かれて、『のらくろ二等兵』の<教練の巻>と<演習の巻>、そして『ラリーのスピーディ(爆進ラリー)』を声色掛け合い説明で。
大人は、『血煙高田馬場』(3人)と『ドタバタ撮影所』(2人)を、リレー活弁で。
子どもたちは、今年は小学2年生から中学2年生まで。上級生がまとめ、すぐに仲良くなります。みんなで短期間に一緒に作品を作る中で、チームワークができあがります。
大人は、演劇経験者や謡の経験者もいれば、その昔父親が趣味で自宅に客を集め映写機を廻しては弁士のようなことをやっていたという方まで、それぞれに実に個性的でした。短時間でしたが、なかなか得られない体験だったのではと思います。
23、24日と二日間のワークショップと午前中のリハーサルまでは、発表までこぎつけられるかしらと冷や冷やしたり、檄を飛ばしたりしましたが、本番は子どもたちも大人も、皆楽しく語っていて、会場からも笑い声が飛び、それぞれにいい口演になったと思います。
私の口演した小津安二郎監督の『東京の宿』は、今回初めて取り組んだ作品です。昭和10年、世相を反映して、喜八もののなかでももっとも暗い内容の作品ですが、小津監督の独特の笑いや下町の人情が描かれていて、重いテーマの中にもしみじみとした味わいがあります。
世はちょうどトーキーに以降していた時期ですが、小津監督は撮影監督茂原英朗の茂原式トーキーができるのを待って、音楽だけのサウンド版で作りました。
作品の作り方(編集の仕方)はほとんどトーキーです。字幕を抜いて声が入れば、そのままトーキー版になるような。
以前観た時は、暗くて淡々としてドラマの少ない作品だなあと思いましたが、やはり、自分が活弁をやると、登場人物や物語、背景にも愛着がわきますし、シーンごとの小さなドラマもけっこう面白く感じます。小津監督が作品に込めた、社会や人生への憂い、ちょっと酒にだらしがないけれど懸命に生きる男の滑稽さ健気さ、子どもや大事な人への愛情等を感じながら、それがちゃんと伝わるようにと願いつつ語りました。
「いい作品だったね。語りの力ってすごいね」「今と似た世相で考えさせられたけど、今は(飯田蝶子のような)人情味のある近所のおばさんがいなくなったね」などの感想をいただきとても嬉しくなりました。
広島映像文化ライブラリーの皆様には、今年もたいへんお世話になりました。
そう、昨年行った『おくりびと』バリアフリー版(私の副音声付き)上映会には、障害者、健常者あわせ、350人ほどの方がいらして下さったそうで、それも嬉しいことでした。
本当にありがとうございました。