akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

したコメmeets小津安二郎『淑女と髯』

2016-09-16 | 活弁

したまちコメディ映画祭in台東の前夜祭「したコメmeets小津安二郎」『淑女と髯』、ご招待頂き拝見。

『淑女と髯』は私も一昨年活弁上演した作品でかなり笑いが起きたコメディですが、声優口演ライブは、活弁とはまた違った面白さがありました。

それぞれの役で語るので、セリフが多少かぶったりガヤが生で入れられるのはいいのですが、みんながお腹からしっかり発声するいい声なので、あまりにキャラが違うと感じたり、一斉にしゃべられるとどれが誰のセリフ??というシーンも。

山寺宏一さんの、ライブだからこその個性的な主人公やアドリブも面白く、ちょっとおばさん声のヒロイン野沢雅子さんや、ぴったりはまっていた羽佐間道夫さんなど、楽しませて頂きました。

脚本は、チャップリン研究家でもある大野裕之さん。丁寧に小津のギャグを拾っていて、またスになりそうなところにもギャグを突っ込んでいて(どこからが声優さんのアドリブかはわかりませんが)会場を沸かせておりました。観客の半分以上が声優さんや声優学校の若者たちで、彼らにとっての憧れの大先輩が行うライブは、見る側にも演ずる側にも独特の盛り上がりがありました。

ご一緒した方のお父上は、よく「小津は戦後のものより戦前の作品のほうがバラエティに富んでいてずっと面白い」と仰っていたそうですが、私も同感です。

小津は海外の映画の影響をたくさん受けていますが、その一人がエルンスト・ルビッチ監督。

20日にシネマート新宿で上演する『結婚哲学』の中にも、小津が影響されたのが顕著にわかるカットがあります。ソフィスティケイテッド・コメディと言われる全体的なタッチにも憧れたことと思います。

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