
ある飲食店で働くA子さんは帰るお客さんの後ろ姿に向かって、「ありがとうございました」という言葉の後で、“どうぞ、お幸せに”と念じているそうです。これはA子さんが幼いときから、お父さんに「どんな人にも、その人の幸せを願う気持ちで接することが、結局は自分自身の幸せにつながる」と教えられてきたからです。心づかいは目に見えるものではありませんし、その実行の結果も、多くの場合、すぐに表れてはこないでしょう。しかし、温かく慈(いつく)しみのある心づかいは、やがて春の陽のように穏やかに、人々の心に浸み込んでいくのです。そのためには、家庭や職場で、まず自分から温かい心づかいを実行していくことが、幸せへの第一歩を踏み出すことになるのではないでしょうか。

今年になりすでに135日が過ぎましたが、“どうぞ、お幸せに”などと思えたことは何回あるでしょうか

