「たけしの本当は怖い家庭の医学」 この番組を見ている方って、結構いらっしゃるんですね。(オーダー)枕を求めてご来店下さる方が、あの番組後増えました。
接客中、試し寝をして戴き「寝返り」をお願いすると、何人かの方が、エジプトのファラオがごとくに、胸の前で両手を組んで横向きになられます。思わず吹き出しそうになりました。(お客様には大変失礼ですが、ぐっと我慢して・・・)
確かに測定する時は、手を肩に掛けて戴きます。 それは、横寝をする時に必要な肩巾を求めるためです。決して寝返りがし易いように、手をクロスしている訳ではありません。両手をクロスして寝る方はいません。 (と、思いますが・・・) 測定する意味やポイントを理解下さるお客様が多くなり、測定もさらにスムーズに行くようになりました。
さて高齢者の不眠と枕の話です
刈谷市からの78歳のお母様の話です。
子供の頃(70年前?)に、母親が作った「そばの実」の枕が欲しいと来られました。そば殻では無く「そばの実」だそうです。ふとん屋を40数年やってますが、お恥ずかしいことながら、「そばの実」の枕は初耳でした。
なにぶんスゴイ不眠症だと、ご本人は言われます。
「枕は何十個とある。ふとん屋より沢山持っている。温熱の敷きふとんも持っている。冬だけ使っているけど寝られんのだ(意味のない間違った使い方をしてみえる)。九時十時に床に入るが、二時三時まで眠れん時もある。(入)眠剤を医者からもらってるが、どうしても寝れん時に(眠剤を)飲むことにしている。時には十一時ごろ眠れることもあるが、二時三時時ぐらいには目が覚めてしまう。もうそれからは寝れん!」と、 「昼寝はしますか?」「仕事・趣味は?」など、所々で質問しますが、およそ30分間独演会に近い状態でした。
持病(ぜんそく・脳梗塞・高血圧など)についても、いろいろと細に入り聞きました。入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒と、どうやら典型的な(老人性の)不眠症のようです。(医者ではありませんから診断はできませんが・・・)
「ぞばの実の枕は無い」と何度申し上げても、諦めて帰られるのかと思いきや、枕のことをいろいろとお聞きになられるのです。
「測定させて戴かないと、どんな枕がよいか、どんな敷き(ベッド)が良いかは分からりません。」
「パイプの枕は嫌いだ。そばの実の枕が欲しい」 「ですから、当店にはありませんから、信州に旅行してお求めください」 「ふにゃっとした柔らかい枕も買った。首が暑くて寝とれん」 「宇宙船のように、温度湿度が一定のところで寝るから良いんです。地上は季節があります。ましてや、高温多湿の日本の気候には合わないですよ」 「ふ~ン」 「竹の炭が入った枕も持っているけど、そばの実の枕はどこへ行けば有るかね」 「・・・・・
」
そんなやりとり(?)をして、結局オーダー枕を作ることになりました。中材のパイプを決めるまで、さらに30~40分、やっとこ、試し寝にたどりつくまでに、小1時間です。
とどのつまりが、昔を思い出して「そばの実」の枕で寝ると、若いころのように熟睡できると思い、「そばの実」の枕が欲しくなったという訳です。
残念ながら、高齢になると若い時のようには寝られません。眠りの質が変わってくるからです。ノンレム睡眠、特に徐波睡眠(深い眠り)が減って来ます。それに加えて、このお母さんの場合、入眠障害と早朝覚醒が高頻度に見られるようです。
不眠の原因はと言えば、一言では言い表せないのですが、①毎日の生活リズムが不規則である ②何事にも、興味が薄れる ③体型の変化。 意外と体重の低下(つまり痩せること)など、また、いびきや呼吸停止が、不眠の原因になり易いようです。
枕を変えたからと、不眠が必ず解消できるものではありません。でも、いびきは枕の高さが最適化されるだけでも軽減されることは多々あります。
このお母さんの場合、昼寝はしない。ところが処方された薬を、毎日飲んでいないために、入眠時間がバラついてしまいます。従って、日々の生活リズムが規則正しく刻まれていないことが、不眠の最大の理由のように思われます。
逆説性不眠症も考えられます。「寝なければ、寝なければ」と、いわゆる「考えすぎ、思いこみ過ぎ」が、自分にプレッシャーをかけてしまい、結果不眠に落ち込んでいくことになります。
どの枕も、私の頑固な不眠の前では同じだ、と言わんばかりです。
「試し寝されましたが、如何ですか? 無理に買う必要はありません。考えて来てもらってイイですよ。」と言うと、 「いや、買う」と。
12時少し前に来店され、お帰りになられたのは2時半過ぎでした。付いてきたお嫁さんも「お疲れ様でした」・・・。 私も腹がへりました。3時に約束のお客様がありましたので、昼食に有り付いたのは4時近くでした。
今日から、上海へ行ってきます。
主に、上海近郊の西川の(協力)工場を2か所見学してきます。
世界は中国を無視できません。 これからの世界経済は中国の動向によっては、また、嵐が吹き荒れるかもしれません。リーマンショックの比でないほどの嵐が・・・。
上海万博ももうすぐです。中国4000年の歴史と13億余の民の国「中国」の一端をこの目で見てきます。「百聞は一見にしかず」
ああ~・・ぐっすり寝たー!
枕の調整会 開催中! ちょっとでも違和感があったら、気軽に調整しに来て下さい。