中心性頚椎損傷
初めて聞く病気(症状)でした。公園を散歩中に転倒され、打ちどころが悪く「中心性頚椎損傷」になられたそうです。手を付く事も出来ず顔面からバッタリと、砂場であったのですが、顔だけが縁石にもろに当たり、歯も折れ顔面血だらけに、それ以上に首が強く曲がって(骨折寸前?)しまったそうです。その直前まで、元気で働いてみえた方です。
救急車で病院に運ばれましたが、その間全て鮮明に覚えていたそうです。自分では手を動かそう、足を動かそうとしても、全く命令が届かず、どうなっているんだと叫びたかったし、頭はクリアであったから凄い恐怖感が有ったそうです。
医者からは、肢体は全く動かないので、寝たきりになると家族に説明があったそうです。でも、ご主人は懸命にリハビリされました。杖を突きながらも、自分の意思通りに手足を動かして、車から店内まで約50mを歩いてみえました。
オーバーに申せば今回そんな重篤なお客様でした。周りで支えながら計測させて戴きました。
このような方は、計測した通りに枕を作ると、全く合いません。ここは、1,300人程の計測をした経験から、爺の頭の中で若干修正して作りました。
「おぉ!良いねェ」そう言われながらも、爺としては少し不満でした。説明をしながら不満な所を少し指摘させて戴くと、「あぁ・・ほんとだ。こちらの方がいいなぁ」。修正させて戴いて再度試し寝をして戴きました。
ご本人は、納得されたようです。でも、もう少しさらに修正させて戴きました。「ん~ン、本当に良いねェ!これでOK!だよ。」 爺としても妥協せず、全神経を集中させてお作りしました。
さらに、ベッドの話になり、ご主人に合った硬さのマットで、枕共々試し寝をしていただきました。日本ベッドのシルキーマットです。寝具を販売する者としては、枕と敷きは夫婦の関係とよく言います。残念ながら、枕と一緒に敷き(ベッド)ふとんを購入される方は少数です。でも今回、病気をして1年半、枕・敷き(ベッド)の硬さがぴったりしたと大変喜んで戴けたのは、爺としても嬉しいものです。一人ひとりに合った枕と敷き(ベッド)は快眠を云々・・・ではなく「幸せをもたらす」と(オーバーな表現ですが)言えますね。
昔、こんなキャッチコピーがありました。「寝室(寝具)を大切にする奥さまは幸せです」
枕と敷き(今回はベッド)とがぴったりその方にフィットすれば、そんな重篤な方でも喜んで戴けるんですね。爺としても喜びとやりがいのある接客でした。なお、奥さまも相当な「枕持ち」で「お店にあるより、私の方がたくさん有るわよ」と。もちろん奥様も測定し、ぴったりの枕を作らせて戴き、ベッド共々ペアでお買上戴きました。
その場で、友達・知人に されてました。「ベッド要らない?」と、今お使いのベッドの引き取り手を探して・・・(それほど古くはないので、このまま処分するのは・・・
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