中国はまた、仏教の国でもある。日本にいろんな宗派があるが、そのほとんどは中国に原型があるようだ。仏教には数知れぬ経典がある。中国で創作された経典も多くある。「お施餓鬼」という風習は、盂蘭盆経からきているが、インドではなく、中国で書かれた御経らしい。ここで、仏教談義をするつもりはない。今回は工場視察が主たる目的であったから、ゆっくり仏教遺跡を観ることはできなかった。いつか第一線を退いたら、中国の仏教遺跡の旅もしてみたいものだ。最後に息抜きとして、観光地を訪れた。
上海という都会は、日本で言うならば横浜のようにその歴史は新しい。アヘン戦争後に開港し、急速に発展した。
それに対して、蘇州市は歴史の町である。駆け足で寒山寺と拙攻園を見た。
「天に天堂(極楽浄土)あり、地に蘇杭あり」
と言われるように、昔から風光明媚な土地であるようだ。北京から京杭大運河(中国の北京から杭州までを結ぶ、総延長2500キロメートルに及ぶ大運河)によって蘇州・杭州までが結ばれたように、水の都と言える都市のようだ。ようだと言うのは、数時間の滞在では十分に解らなかったからだ。
寒山寺前の運河 九賽溝などは別だが、水はどこへ行っても濁っているようだ
寒山寺の本尊 釈迦如来と言われているが、阿弥陀如来ではないかと思った。禅宗のお寺では、釈迦如来が本尊となることが一般的だが・・・。また、寒山・拾得の二聖人のお寺だ。日本では除夜の鐘で有名らしい。(爺は知らなかった)
有名な(この詩も知らなかった)漢詩の石碑。 同じこの漢詩の石碑が境内には多数あった。大きさも書家も異なるようだ。内容は以下のようだ。
楓橋夜泊 (中唐の詩人張継の七言絶句)
月落烏鳴霜満天 江楓漁火対愁眠 姑蘇城外寒山寺 夜半鐘声到客船
科挙の試験に失敗した作者が、失意のうちに故郷に帰るべく客船に乗った時の詩らしい。
「天に天堂(極楽浄土)あり、地に蘇杭あり」。その蘇州に来て拙攻園など名園を見ないわけにはいかないらしい。中国きっての名園だ。が、爺には良さが良く解らなかった。園内にある奇石に、どうやら価値があるようだ。水郷の街ゆえ、周りに山が無い。その為に、奇石をたくさん持つことは金持ちの印らしい。感覚の違いと言えばそれまでだが、爺としては栗林公園や兼六園の方が親しみが持てる。京都大徳寺塔頭 大仙院の庭の方が落ち着く。(やっぱり日本人かなぁ)
最終日には、上海の豫園と周辺の豫園商城に立ち寄った。帰りの飛行機に間に合うように朝8時半開門と同時に入れるように行った。豫園と豫園商城とをわずか1時間半程度という駆け足観光となった。
さながら、浅草の門前のようだと言った方があったが、その通りだ。
視察の駆け足であったが、中国という国はやはりいろんな面で大きい。中国製ということをバカにしてはいけない。今回視察した工場は中国でもトップの工場だ。だが、レベルの低い工場も五万と有るらしい。中国製といえども、品質の確かなものをお客様に代わってしっかり吟味してお届けすることが、小売店であるWatakeiの使命でもある。
改めて、(宣誓!)皆様に良い眠りを提供できるよう最大限努力します。