滅多にに降らない雪がこの冬は3回も(?)、しかも僅か数センチですが積りました。碧南で雪が積もるのは数年に一回(感覚としては10年に1回)程度です。いかにこの冬は寒いか、老体の身には凍みます。
日曜日のことです。穏やかな日でもあったことから、車で3~40分の遠方から、そして歩いて1~2分のご近所からと久しぶりに忙しい一日でした。快眠ひろばもフル回転でした。オーダー枕も都合9個お作りさせて戴きました。
接客させて戴いた老夫人の話です。ご主人がベッドの生活です(要支援)。今年は特に寒い冬ですから、掛け布団が落ちないように、また、起き上がりが難儀になって来たので、できれば手すりも兼用できる品を探しにご来店戴きました。目的の商品をお買い上げ戴いた後ムートンの話になりました。
以前いわゆる催眠商法で何十万円も出してムートンを購入されたそうですが、殆ど使っていないと言われました。もったいないですね。理由を聞くと「使うと顔や目が痒くなる。」と言われました。つまり、埃がひどいから使わないというのです。
ムートンでアレルギー? 埃がひどい? ・・・・ 考えられない!今まで何十枚とムートンシーツやムートンカーペットを販売してきたが、お客様からその手の苦情相談も戴いたことはありません。ムートンでアレルギーを起こすなどどうしても考えられないのです。ヨーロッパのある国では生まれたてのBabyをムートンの上にそのまま寝せるとか、パンダの保育器の中にもムートンが敷かれているとか(いずれも未確認情報)。さらに、WOOLの布団ともめんの布団とで赤ちゃんの成長を比較したら、WOOLの布団に軍配が上がったという大学の研究も報告されています。それほど生き物に優しいムートン(羊毛)が害を及ぼすなんて考えられないのです
月曜日の午後手が空いた時に、西川のムートンの担当者に電話をしていろいろ教えて戴きました。
「ムートンでアレルギーがあるのか?」
WOOLの拡大(顕微鏡)写真です(大東紡織HPより)
アレルギーには、①吸引性アレルギー②接触性アレルギー(金属性アレルギーも含む)③食物性アレルギーと大きく3つに分けられます。寝具で問題になるのが①と②です。①はいわゆる埃の問題です。代表的なのはダニアレルギーですね。②は染色等による「かぶれ」の問題です。今回の場合は考えられるのは①の埃の問題でしょう。
担当者の話を要約すると次のようなところです。可能性は「0(ゼロ)」ではないという事でした。ムートンも長期のわたって使用すると、若干の埃が出るそうです。ムートン、つまり羊の毛も同様に、人の髪の毛も鱗状になっている「キューティクル」があります。そのホコリとは剥がれたキューティクルが大部分だそうです。痛んだ髪の毛は艶もなくバサバサになります。同様にムートンも長期にわたって手入れをしないと埃が出ることは考えられるそうです。西川リビングのムートンクリーニングは、まずホコリ落としを十分にします。他社のクリーニングと大きく異なるところです。
また、WOOLには独特の油分・ラノリンという肌によい油分があります。ムートンの良し悪しは毛の太さ・密度が重要である事は何度も言っています。同時に、科学的な数値で表現できませんが、その脂分が少ないとダメなことは人の髪の毛・肌と同じだと言えますね。現物を見ないと判りませんが、ひょっとしたら、そのホコリがひどいムートンは年老いた羊の皮であったかも知れませんね。
人に優しいムートンですが、僅かとはいえ埃がでるのは身体に悪いのではないかと思われる方もいらっしゃると思います。心配はありません。
30年以上前に風邪を引いて診て戴いた時、医師から意外な質問をされました。「布団屋さんは職業柄肺がんなどの方は多いのかね。」お医者さんからそんな質問をされるとは思ってもみませんでしたから正直びっくりしました。「そんなことはありません。(ちょっと間を置き)木綿わたは天然繊維ですから、肺に入っても溶けて吸収されると言われてます。鉱物性の物は解けず害があるようです・・・。だから布団屋は肺がんの人間が多いというのは聞いていません。」そんな意の事を話しましたら、「そうかね(納得された顔)」と一言言われました。
後に問題となった石綿は鉱物性です。塵肺の原因となり裁判にもなったことは皆さん良くご存じの事と思います。
ムートンの埃も言ってみれば天然ものですから人体に害を及ぼすことは無いでしょう。でも、大量に吸えばアレルギーも起こさないとは限りません。そこで、ムートンの手入れを聞かれますと、「一にも二にもまず、電気掃除機をかけて下さい」そう爺は皆さんに申し上げます。キューティクルがある故、実は汚れも付きにくいんです。別の言い方をすれば、純毛はキューティクルのお陰で、汚れが繊維の中に染み込み難いのです。これに反して化繊の繊維は汚れが染み込み易いのです。表面の汚れは落ちても染み込んだ汚れは落ちにくいのです。だから、化繊の服などをクリーニング屋さんに出されてもイマイチ綺麗にならないのは、汚れが染み込み綺麗にならないからです。
ホコリ化した汚れは電気掃除機で取りましょう。
「クリーニングをされたら如何ですか?」 「そんなに使っていないし、クリーニング代って高いんでしょう」 「買った時の金額に比べたら大した金額ではありませんよ」 「そうね!・・・・」 「ならば、とにかく電気掃除機を架けまくって下さい」 「それ位なら安いし、できそうね。・・・」そう言ってお帰りになられました。
寝具は宝石や金(Gold)のように、買うこと所有することが目的の品ではありません。使って、気持ち良くぐっすり寝て初めて価値があるのです。快眠ができてナンボのものですよ。見かけで、連れ側位で買う商品ではありません。
ゼンリンの地図が訂正されるまで、「安ら館碧南」となっている場所が弊店新店舗です。
ああ~・・ぐっすり寝たー!
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