既に一週間以上ブログを更新していない。書くネタが無い訳ではないが、忙しいというのと、夜も10時になると眠くて仕方ない。どちらかと言えば書く時間が無いのだ。もっとはっきり言えば、疲れて眠いから寝てしまう・・・それが正解だろう。
「福島の塩害に遭われた田んぼで綿の花が咲いた」というニュースが流れた。「綿って塩に強いんだ」と（ふとん屋の）娘（？）が言う。花が咲けば程なく実であるコットンボールが付くでしょう。
以前、天竹神社の話をしました。天竹神社のある天竹町は矢作古川の流域です。今でこそ海岸からおよそ5㎞以上内陸です。「棉」を伝えたという崑崙人が漂着したと言われるように当時の海はもっと内陸まで入っていたようです。また、矢作川自体がよく氾濫し、その川筋は頻繁に変わっていたようです。だから、吉良から一色あたり（現西尾市南部）の耕作地は、矢作川によって出来た土地であり、また、海抜的には低いため、塩害にさらされ易い土地でもあった訳です。「棉」の栽培が盛んになったのもそんな理由からかも知れませんが、稲作より現金を得やすかったという実利もあったようです。蒲郡あたりまで木綿の栽培は盛んであったようで、かっては三河木綿の産地として全国にその名は知れたようです。
矢作古川は、かつての本流であったが、氾濫（はんらん）を抑えるため江戸時代初期に新たに開いた水路が現在の本流になった。
「棉」の栽培に適した気候は、陽の光の強い、どちらかと言えば乾燥地帯に近い所が適しているようです。世界の主要産地と言えば、インド・パキスタン・アメリカ（テキサス・カリフォルニア）・メキシコ・ペルーなどです。中国の生産量は実は世界一ですが、国内消費が旺盛で、逆に木綿の輸入国になっているようです。エジプト綿で有名なように、地中海沿岸からアフリカ諸国でも栽培されています。日本での栽培も江戸・明治と盛んで、綿布の生産では世界一になった事もありました。
だが、「棉」の品質に於いては、世界一とはいきませんでした。
かって一色や碧南で栽培された綿は「赤綿」と言われました。皆さんが知っているような真っ白なコットンボールではなかったのです。やや赤みがかっていました。何故、赤みがかっていたかというと、太陽の光が弱く、完熟したコットンボールにならなかったからだと言われてます。
20年近く前まで、弊店でもインドやパキスタンから「棉」を商社を通して買って製綿していました。原綿（250～300㎏）を買うのに数十数百グラムの見本を見て、買い付けを入れます。作物ですから年によって出来不出来がありました。その年の最良の原綿を手当てする訳です。色の白さや繊維の太さを見極めながら選んだものです。当時、平均的にはインドが格上で、パキスタン（バングラディシュも含む）は格下でした。それは、パキスタンの原綿はやや赤みがかっていたからです。「棉」が赤いという事は、ある意味「未熟綿」だと言われてました。実際腰のしっかりしたインド綿は色も純白といった感じで、価格も高かったです。
いま、日本で商業的に「棉」が栽培されている所はありません。趣味の世界と言っても過言ではありません。ご自身で「棉」を栽培製綿して、もめん綿のお布団を販売されているふとん屋さんがあると聞き及んでいますが、どの程度の品質の綿が出来上がっっているか、興味があります。機会があれば見てみたいですね。
台風が近づいている。今日の予定は、安城と春日井とへ配達があり、夕方名古屋の仕入れ先に寄ってから、夜は飲み会
の予定となっている。だが、たぶん全てキャンセルとなるだろう。元々、水曜日は定休日だから嬉しい（？）。のんびりと本でも読もうかと思う。でも、仕事が日延べになった分、後日また忙しい事になる。どちらが良いかは考えものだ。
棉と綿について 「棉」は、植物としての木綿であり、摘み取った状態までのものを言い、「綿」は、コットンボールから種子を取り除いた後の状態のも、あるいは製綿して布団などに入れる状態に加工したものをいう。厳密な区別は無いかもしれない。
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