今朝の新聞にこんなチラシが入っていた。
嘘八百の「八百」とはたくさんという意味で使われる数である。例えば、八百屋とか八百八丁とか八百八橋などと、たくさんあることを意味します。つまり、嘘八百とは嘘がたくさんということから、やたら述べ立てるたくさんの嘘、または嘘だらけという意味になる。
このチラシが嘘八百かと言えばそうではない。だが、見捨てておけない嘘が書かれている。
「寝具店などでは2万円前後で売られている・・・・の高級寝具です!」
こんな粗悪な布団は、全国の寝具店でまず99.99%売られていないと思います。少なくとも弊店では絶対あり得ない!商品です。
万に一つ、販売するとしたらその程度の価格の布団です。何故なら、①充填物:フェザー90%②側地ポリエステル100%・・・つまり、980円の羽根枕を1~2個使用した程度の羽根ふとんです。価値は2,980円ならむしろ高いぐらいではと思ってしまった。
3枚目以降は15,800円にてご購入戴けます。
さも高級寝具であるかのごとく、そして消費者が勘違いするのを狙っているかのごとく、上手く書かれています。冗談でも15,800円は無いでしょう。
羽根と羽毛とは全く違います。いまさら言うまでもなく、羽根ふとんとはダウン(羽毛)50%未満のもの、羽毛ふとんとはダウン(羽毛)50%以上のものです。弊店で15,800円の羽毛ふとんならダウン90%を入れることはできます。且つ、生地は綿100%で。ポリエステル生地ではたぶん蒸れて寝られたものではありません。また、生地の厚さがどの程度か分かりませんが、フェザーですから、生地を突き破って出ることも十分に考えられます。
さらに、一字一句良く見ると、書かれるべき事が書かれていません。産地(中国製なのか、あるいはベトナム製なのか、どこ製なのか)は書かれていません。「水鳥」のフェザーなのか?品質表示には水鳥100%とは書いてありません。うがった見方をすれば、ニワトリの羽根かも・・・。
スモールフェザー これが入れば羽根ふとん
ダウン こちらなら羽毛ふとん
30数年ほど前にあるお客様が「羽根ふとんをくれ」と言って来店されました。もちろん昔から弊店では羽根ふとんは売っていません。当時はまだダウン70%があり、最安値の羽毛ふとんを見て戴きました。高い!と一言。一桁安い「羽根ふとん」をどこかで見られたようです。いろいろと説明しましたが、理解して戴けませんでした。
話をすれば、やはりこの時のお客様もダウンとフェザーの違いが良く分かっていなかったようです。
どんな業界でも、そこに長く身を置いた人にとっては「当たり前」かもしれないが、他の方(特に素人のお客様)にとっては「初耳」が多い。
「説明」って本当に難しいですね。
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