この(冬)季節、布団を干すのはどうしても減ってきます。日本海側や北国では冬季の布団干しはほぼ不可能ですね。また、都会でもマンションによっては外観上ベランダでの洗濯物や布団干しを禁止されているところもあります。
でも、寝具とあなたの健康のためには布団の日干しは大切です。では、「日干し」は何故必要なんでしょうか?
敷きふとんをお求めのお客様です。「お爺ちゃんの布団がいつもジメジメしているみたいだし、いつも寒い寒いと言うんで、暖かい布団を探してるんです。ペッタンコなんです。日に干してもちっとも膨らまないんですけど新しい布団を買った方が良いですかね。」どうやら、敷きだけでなく掛けも木綿わたの布団のようです。羽毛ふとんや今流行の布団は嫌いだと言われます。
掛けふとんも木綿わたという方は最近では稀ですが、敷きは木綿わたという方もまだまだ多いようです。日に干した後の「あのお日さまの匂いがたまらなく好き!」って声をよく耳にします。
日に干せないから、おふとんはなんとなくジメジメ(湿々)してます。でもほとんどのお客様は布団がジメジメ(湿々)とは感じていないかも・・・。冬は寒いから布団の中がなかなか暖まらない、冷え性だから・・・仕方ないと思っている方がほとんどかもしれません。
「温度33℃±1℃、湿度50%±5%」(寝床内気候)が快適に寝られるお布団の中と言われます。この湿度、実は相対湿度のようです。冬から早春は乾燥し易いからといって、ストーブの上にやかんを乗せて加湿しているご家庭も多くみられます。受験生のお宅ではエアコンに加湿器という組み合わせの方も多いでしょう。
室温が10℃と15℃と20℃25℃とを比較すると空気中に含まれる水分量はおよそ10℃の時のおよそ1.5倍・2倍・3倍になります。逆に見れば、室温が下がるに従って空気中に含まれていた水分は空気中に居られなくなります。どこへ行くのか? かっての日本家屋は土壁でそれらの水分を吸ってくれてました。今では壁が吸う量は極端に少なくなり、結露となったり、寝具の中へと入ってしまうようです。布団がどうしてもジメジメ(湿々)してしまいます。さらに人は一晩にコップ1~2杯の水分を発生させています。
お湯を沸かす時、200ccの水と500ccの水とではお湯になるまでの時間に相当な開きがあることはお分かりのように、寝具の中に湿気(水分量)が多いと、それだけ熱量は水分を温めるのに必要となり、結果布団がなかなか暖まらないということにもなります。
布団干しは、10~11時ごろから2~3時頃までがベスト。
布団を干すと言うことは、湿気を減らす事です。
木綿わた布団を日に干すと湿気が減るだけでなく、熱を溜める力もありますから午後の3時頃には取り込み半分に畳んでおくと熱も逃げにくく、暖かく寝られるのです。木綿わたの敷きふとんは決して時代遅れのものでは有りません。日本の気候、日本人の体質にとって最適な寝具の一つでもあります。だが、残念なことに「重い」上に「吸った湿気を自らの力で吐き出すことが苦手」なのです。日に干すことが必要なんです。簡単に日に干すことができれば、とても良い寝具なのです。
日に干せない時は、布団乾燥機や加温のできる敷きや毛布で湿気を飛ばすこともアリですね。同時にエアコンを運転し部屋に溜まった湿気を屋外に出すのもとても有効な方法だと思います。
これからの季節、花粉症の方にとっては日に干せない日々が続きます。
100%日に干す必要のない布団はたぶん無いでしょう。でも部屋干しでOKという布団、あるいは頻繁に日干しをしなくて良い布団はあります。でも寝心地の悪い寝具はもちろん論外ですが、あなたに最適な固さの敷き布団(ベッド)であることが大切ですね。お店であなた自身で寝心地もしっかり確かめてみて下さい。