昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」で北朝鮮のミサイル発射と日本の国防問題に関連して、田嶋陽子さんにしては珍しく、「北朝鮮が日本に攻撃して来たら、米国が反撃して北朝鮮が無くなってしまう」と言っていました。
田嶋さんの言う事は、マスコミやネット上で良く言われることですが、田嶋さんのような絶対的平和論者が言うので、改めて北朝鮮からミサイル攻撃を受けたときの米国の行動を考えて見ました。
[北朝鮮問題に関する日本と米国の動き]
・小泉さんが北朝鮮に乗り込んで、拉致家族問題を含む国交回復の交渉を始めました。
それから数日と立たない内に、米国の高官が日本にやって来ました。
・経緯は判りませんが、結果としては日朝の直接交渉は中止となり、6ヶ国協議の場に移されました。
・小泉さんは当時から北朝鮮の不穏な動きから、万一の場合の米国の支援を保障して貰うために、米国の要請に応じて憲法解釈まで変えてイラクに自衛隊を送りました。
・然し6ケ国協議は報道によれば北朝鮮の思惑どうり、米朝の2ケ国協議に移り、米国が軟化をし始めました。
・そして現在は米国の軟化のために、拉致問題は小泉訪朝から全く進まず、日本の経済制裁の効果が激減しています。
・そしてごく最近では日本と共に北朝鮮のミサイル発射に対して日本とともに強硬姿勢を見せていた、米国も中国とロシヤの6ケ国協議を円滑に進めるためにと言う国連決議反対の動きに同調し、残った日本もやむなく議長声明に賛成の立場を取らなくてはなりませんでした。
然し、米国が自国の利益のために動くのは当然で、独立国としての日本は今までイラク派兵までして協力したのにと、裏では米国の不信をなじれても、表向きには何も言えません。
[中国の動き]
そして肝心の中国の動きも多くの人達の言う様によく分かりません。
何故なら、マスコミも評価家も言う様に、中国は北朝鮮の生命線を握っています。
中国も少なくとも表向上は、北朝鮮のミサイル発射には反対の態度を取っています。
だから北朝鮮が最大の支援国の中国の意志に反したことをすれば、食料の輸出を止めるなり、貿易の一時停止をするなど、その積もりになればなんとでも出来るのに何もしないのは何故でしょう。
何か中国の本音は別のところにあるような気がします。
[日本における米軍基地の意味]
話は変わりますが、敗戦後、米国は日米同盟により、占領後も沖縄中心として大きな軍事基地を持ち続けてきました。
多くの当時の日本人(私もそうですが)は米軍の軍事基地の設立は表向きは、日本の防御のためとなっているが、日本の武力強化の動きを抑えるためだと判っていましたが、敗戦国だからと仕方がないと皆思っていました。
そして一番問題なのは、米国のいろんな面で対立してきた、中国もロシヤもその点に就いて抗議するのは当然だと思うのですが、当時から現在に至るまで、米国や日本に対してクレームを付けてくるなど聞いたことがありません。
詰まり米国・中国・ロシヤ共々日本の武力強化を恐れているのです。
日米同盟に基づく日本の米軍基地は、アジアに睨みを効かせるだけでなく、日本を抑えるためにもあるので、必ずしも日本を何が何でも護るためだけにあるだけではないのです。
然し現実は、米軍基地が出来て半世紀も過ぎた今、それが当然と言うか、それが前提に立ってもの事を考えるようになってきましたが、冷静に考えれば明らかに異常です。
[北朝鮮が暴発した時の米国と中国の対応]
そして北朝鮮が暴発して、万が一にでも日本を攻撃してきたとき、米国が直ぐに北朝鮮を攻撃を加えるのか、その時中国が北朝鮮を見捨てるのか、または支援するのか全く予想が全く着きません。
米国側から言えば、中国はごく近い内に世界第二位の経済大国になり、現在でも世界一の米国債の保有国ですから、米国としては中国との良好な関係を結びたいことと、日米同盟と米国経済の成り行きを見ての重大な決断を迫られることになるでしょう。
中国から言えば韓国と日本に圧力を掛けるのに北朝鮮はこの上ない存在だからです。
[日本の対応]
石原都知事などは日本の防衛のために核の抑止力を持つこと、核開発ができないなら、同じ敗戦国のドイツのように米国の核兵器を導入して、その核ボタンを自国でも押せるようにすべきだと言っていますが、日本人の核アレルギー(私はこれを日本人が持つのは健全な考えだと思いますが)を考えると、素人の私にはどう判断して良いか判りません。
最初に書いた「たかじんの」で金美齢さんのが、「皆さんは日本の国防に関して危機意識を持っていますか」と言っていましたが、台湾人の彼女の主張は所謂、傍目八目で鋭くポイントを突いていると思います。
平和主義者の言うように外交に頼るのなら、如何に外交力を強化するか。
核の抑止力を依然として米国に頼るか、日本が自分で持つか。
米国が日本の危機の時どのように、今までのように米国を信じきって良いのか。
日本人は金さんの言う様に危機感を持って考えるべきだと思います。
今回の北朝鮮のミサイル発射は、自国の利益のために動く(当然のことです)米国・中国を非難しても良いですが、それよりまず独立国の日本として日本の防衛のためにどうすれば良いかを、日本人独自の観点から考え直すのには良い機会だと思います。
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