普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

凡庸な経営者と高度プロフェショナル制度の導入

2018-06-09 10:43:23 | 政策、社会情勢

戦前・戦中派の私から若い方達への申し送りです。どのような事でもお互いに世論に流されずに自分の頭で考えましょう。
 5月31日のNHKで高度プロフェショナル制度の導入に就いて討論会が行われていました。推奨の竹中平蔵さんに対して反対の二人。
 同制度の概要です。
・1年間で104日以上、4週間で4日以上の休日を付与すること
・休日や労働時間等に関する下記のいずれかの措置を講じること
a) 勤務間インターバル制度、及び深夜労働の回数の上限
b)「健康管理時間」(=「在社時間」+「社外で労働した時間」)の上限
c) 1年に1回以上、2週間連続の休暇を与えること(有給以外に2週間)
d) 一定範囲の従業員に対する健康診断の実施

 賛成の竹中さんは勤務時間に関係なく早く退社すれば従業員の生産性向上が上がり、会社も従業員もプラスになると持論を言っていました。
 然しこれは一般従業員に言えることで従業員の僅か何分の1しかない高度プロフェショナルには当てはまらない意見です。
 ネットで調べますと上記の制度には批判続出です。
「私の提案」
 私は上記はa)c)d)のどの制度を使ってもb)の「健康管理時間」の上限を護る制度にすべきと思います。規定の就業時間厳守の高度プロフェショナル制度の導入です。
 具体的にはどのやり方でも、在社時間、社外で労働した時間を記録して置き、本人も会社も時間の管理を出来るようにして置くようないべきだと思うし、制度でもその旨を盛り込むべきと思います。
・また必要に応じて同制度が確実に行われているか官庁のチェックが出来るようにすべきです。
「提案の理由」
・万一この制度で過労死が起きたときのその影響の大きさです。
 昔大企業ので過労死が起きたときのマスコミの取り上げかたの大きさを皆知っています。話しは少しそれますが最近の例で言えば日大のアメフト部の問題。経費削減のためと思いますが、他社の取り上げた問題を毎日毎日裏から表から繰り返し繰り返し放送するワイドショー。最近では日大の体質まで話が大きくなっています。
 自分の意志で無理して過労死した本人の責任は言わず、それを出したのは会社の目に見えない圧力などマスコミが言うに決まっています。増して野党全体が反対している同制度を強行採決した安倍政権への批判に終わるのは前に例で明らかです。
 制度ではいざと言う時は本人の申し出でこの制度から外れることが出来ることに成っているそうですが、問題が起きたとき本人が悪いと会社や政府が言えるでしょうか。マスコミは目に見えない圧力が本人に掛かっていると言うと会社を責めその制度を作った政府に攻撃するのは間違いありません。
 経団連、会社の幹部や安倍さんはそのときの対処法まで考えているのでしょうか。
・この制度の欠点のもう一つの理由はこの制度は会社の幹部の人達が皆優れていると言う性善説に基づくこの制度です。
 現実は多くの会社の幹部がそうてはないことは過去の例で判ります。、
 ごく最近の例で言えば神戸製鋼の製品検査への立ち入り問題。無資格者による検査の三菱マテリアルなど数々の会社。企業倫理を忘れた経営者。6日にはスバルの燃費測定不正の報道。
 この報道を見て安倍さんはそれでも経団連の言うことを信頼できますか。
・一昔の話では、リーマンショックのさい非正規社員とホワイトカラーの大量解雇、それに伴う海外への虎の子の技術流出。
・合理化が進んでいた正規作業員は殆ど無傷。詰まり経営者は労働組合対策の要らない(パソコンなど事務機器の発達で事務負担が40%近く減っていたのに)管理職やホワイトカラーの合理化を忘れていたこと。
・リーマンショックの大量解雇の対しての都や有志の年末休暇村の活動に対して何もしなかった企業倫理観の欠如の経団連
・それどころかリーマンショックの際我々は「契約を打ち切っただけで首を切ったのではない」、「離職者のケアは政府の責任だ」と言わんばかりの経団連の幹部の発言などなど聞いて呆れるばかり。
 そんな経営者や経団連の幹部を信頼できますか?
「最低限の労働時間の限度制定を」
 このような経団連・企業理念の欠如した経営者を信頼し安心して残業時間無制限の高度プロフェショナル制度の導入など出来ますか?
 私は高度プロフェショナルを含む労働者の最低限の労働時間の限度を制度として決め、必要に応じて官庁のチェックが出来るようにしないと問題は必ず起きると思います。

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前月号鑑賞「明るい世願うこけしの目がきれい」

2018-06-09 10:36:45 | 川柳
「川柳くろがね」2018年6月号より
前月号鑑賞 石神 紅雀 選・評
「明るい世願うこけしの目がきれい」  吉富 安子
 こけしの目。平坦な顔面に印象の薄い切れ長の目。仏像の目に似ていないだろうか。作者の感性に脱帽。

「赤い糸あなた何本握ってた」     寿崎おとみ
笑える句だ。そんなの1本に決まってるじゃん!と言いたいのだが、そうでもなかったのが夫。

「どの家も花がやさしく包む春」    山内まどか
 庭の手入れの行き届いた住宅地でしょうか。入来麓も春は輝きます。花が包むという表現が素敵です。

「生きている証のように介護され」   亀谷 卓二
 悲しいけれど真実だ。介護されるのは生きているから。迷惑をかけて申し訳ない気持ちでいっぱい。

「今まさに宝の時を刻んでる」     松本 利子
 そうですよね。生きている一瞬一瞬が宝の時。嬉しい時も、そうでない時も、大切な一瞬。

句碑まつり誌上大会
 投句者155名(九州の福岡県外41名、その他34名)
課題 「 碑 」   西岡 南風 選
秀Ⅰ 先人の智恵が碑文の中で生き  島根 竹治 ちかし
秀Ⅱ ここまでは津波が来た碑が救う  福岡 有松 市子
秀Ⅲ こころの碑抱いて家業の灯をつなぐ 福岡 戸次 柳親
佳1 子の顔も見れす戦地へ父の墓碑   愛知 橋本 律雄
佳2 碑は裏の話をしたがらぬ      福岡 古谷 龍太郎
佳3 自画自賛しているだけの碑の寒さ  愛知 森本 恵子
佳4 風雪に銘さえ読めぬ一里塚     福岡 安川 聖
佳5 防人の望郷刻む島の句碑      福岡 山木 良泰

課題 「建てる」   永石 珠子 選
秀Ⅰ 再建の槌音天に地に響く      福岡 坂本 喜文
秀Ⅱ 再建の城に誇りを積み上げる    熊本 黒川 孤遊
秀Ⅲ シェルターを建て独りだけ生き残る 鹿児島 石神 紅雀
佳1 まだ人はバベルの塔を建てたがり  福岡 もり ともみち
佳2 会長二人功績残す句碑建てる    長崎 佐伯 さくら
佳3 リフォームをし寝たきりの母を看る 北海道 桶川 聖柳
佳4 増築へバリアフリーの父母の部屋  長崎 富永 煕子
佳5 親と子のローンで繋ぐ一戸建    福岡 安川 聖
課題 「誇 る」   安部 征二 選
秀Ⅰ 新聞の我が名拡大コピーする    熊本 安永 理石
秀Ⅱ 誇るものないが素直な子がふたり  熊本 徳永 勝馬
秀Ⅲ 誇らしげ一人で行ける通学路    福岡 杉 ちづ子
佳1 9条が国是となっている誇り    福岡 坂本 喜文
佳2 プライドはみんな捨てたという羅漢 佐賀 真島 清弘
佳3 ドヤ顔に努力の潜む逆上がリ    福岡 安川 聖
佳4 生き甲斐はまだ現役である誇り   福岡 弘津 明子
佳5 誇るものひとつ笑顔の妻である   福岡 古谷 龍太郎

課題 「恩 人」   石神 紅雀 選
秀Ⅰ あの時の水一杯に今日がある    福岡 古野 つとむ
秀Ⅱ 金婚を経て恩人は妻と知る     福岡 青木 ゆたか
秀Ⅲ 生還のベッドで医師の背を拝む   福岡 植村 克志         
佳1 名も知らぬ人から受けた血で生さる 福井 貝川 勉
佳2 名も告げぬ善意を探す投書欄    福岡 大庭 堅司
佳3 当り前のことしただけと名も告げず 福岡 渡邉 桂太
佳4 恩人と言われ魔法をかけられる   宮崎 主税 みずほ
佳5 恩人にされて肩こりひどくなる   静岡 川上 はな

課題 「誉れ」    西村 正紘 選
秀Ⅰ 正直に生きた鏡だ透き通る     沖縄 多良間 典男
秀Ⅱ たかがラーメンされどミシュランの星 福岡 青木 ゆたか
秀Ⅲ 二階級特進名誉だけ残る     長崎 平井 義雄
佳1 向かい風まだ裏切りを知らぬ馬   佐賀 真島 久美子
佳2 正直が老舗ののれん守り継ぐ    福岡 池上 秀美
佳3 古伊万里の皿で目刺しが身をよじる 熊本 黒川 孤遊
佳4 半世紀女系一家に鯉職       群馬 野口 らいら
佳5 確実なバトンタッチを墓誌にみる  茨城 片野 晃一

課題 「きらきら」  平田 朝子 選
秀Ⅰ 縮みだす脳にも夢を鏤める    長崎 平井 義雄
秀Ⅱ 披露宴母にまぶしいものばかり  熊本 安永 理石
秀Ⅲ 魂を洗うキラキラの旋律     鹿児島 石神 紅雀
佳1 五円玉きらきら母へ春財布     福岡 下釜 京
佳2 正座して聞く少年の光る膝     鹿児島 前田 一天
佳3 きらきらに賞味期限は無くて良い  福岡 永井 洋子
佳4 捨てられたビンきらきらの空を抱く 福岡 長井 すみ子
佳5 読み聞かせ輝く子らの目が迫る   能本 徳丸 浩 二

課題 「将 来」  古谷龍太郎 選
秀Ⅰ 助かった命で僕は医師目指す   静岡 川上 はな
秀Ⅱ 逞しくなって来いよと滑走路   福岡 時津 みつこ
秀Ⅲ 消しゴムに子の将来を消させない 福岡 山崎 蘭草
佳1 少年の描く未来図は無限大     福岡 中村 鈴女
佳2 将来を見据えときどき手抜きする 熊本 緒方 正堂
佳3 将来の夢少年は天を指す      佐賀 鞆 雄史
佳4 将来を語る炭火を足している    佐賀 鞆 雄史
佳5 原発を昔話にしてしまう      鹿児島 石神 紅雀