戦中派の私から若い方達への申し送りです。どのような事でも世論に流されずに自分の頭で考えましょう。
財務省の矢野事務次官が、月刊誌で自民党総裁選などの政策論争が「バラマキ合戦」だと批判し、それに就いて批判がでています。今日の読売新聞でも小峰大正大学教授の経済対策に就いて似たような意見が出ていました。
私の現役末期に日本能率協会から、TPM(Total Productive Maintenanc:全員参加生産保全の提案がありました。
1.製造業企業の生産性向上のためのマネジメント手法です。基本哲学は変わらずに、常に時代の声に応えて、新たな考えや手法を取ること
2.日本におけるTPMへの期待は、大きく2つあります。一つは人材育成、もう一つはトヨタ生産方式導入の前提としての役割です。 まず、1つ目の人材育成について、最近、日本のモノづくり企業では、再度人材育成を強化し、失われつつある現場力を回復すること
3. 世界におけるTPM活動への期待(省略)
この基本的な考え方は従業員を大切にする会社。従業員の会社への忠誠心とそれに基づく各自の能力最大に発揮することです。
その様な時に持ち込まれたのが従来の人件費を経費で処理できる非正規社員の導入。それに伴う大混乱。社会に対する経営者の謝罪の続発。
総務省の発表によると非正規雇用者の割合が日本の労働人口のなんと4割に占める由。
それに就いての非正規社員の方のご意見です。なお「作業意欲」などの括りは私。
「作業意欲の低下」
・非正規社員は使い捨て要員。正社員はそう簡単には辞めさせられませんが、非正規社員の場合は雇用契約期間満了後、そこで更新されなければ終わりです。業績が悪くなったら更新を止めて、業績の回復が見込めれば再度募集する。その繰り返し。
非正規社員はどんなに仕事スキルを身に付けたとしても、どんなに会社に貢献したとしても優先的に切られるリスクがあります。
若ければ次がありますが、歳をとってから切られると次の仕事探しに影響が出てしまいます。
・若いうち(特に20代)はたくさん仕事があるので非正規社員から正社員を目指したり、仮に契約を止められても次があります。実際に私もそうやってコロコロと転職していた時期もあります。しかし30代を境に正社員の仕事が減り続けます。
さらにもっと上の年代であれば、健康面や体の衰えから就ける仕事も減っていきます。
そうやって仕事が選べなくなれば、最終的に就ける仕事はブラック企業だけ。
さらに過酷な労働環境下で働かざる負えなくなってしまうのです。
「人口の減少」
・結婚できない、もしくはしづらい。非正規社員という立場では、一人ならまだしも誰かを養っていくことはかなり難しくなります。もちろん相手さえ理解してくれれば結婚は可能ですが、いつ仕事を失うか分からない状況下で安心して結婚生活は送れないと思います。それ以上にパートやアルバイトなどの“非正規社員”という言葉は世間的にあまり良く思われていない事が多く、将来性の問題からそもそも恋人ができなかったり、仮に付き合えて結婚を意識したとしても周りに反対される危険性もあるでしょう。いくら給料が良くても“非正規”ってだけで。
そうなれば一生独身という末路が待っています。
「作業意欲の低下」
歳を重ね、正社員である周りとの給料差がハッキリしだすと、「一生懸命仕事しているのになんで・・・」といったネガティブな感情が表れるようになります。また安定しない立場の不安からストレスを抱えることも。そのネガティブ感情が大きくなればなるほど、他人に対しての振る舞いが悪い方向に向かっていきます。会社や社会に対する文句ばかり繰り返したり、友達との集まりなど楽しむところで楽しめなくなったり。他人の幸せも憎らしくなります。自分から距離を置いたり、もしくは周りから人が離れていき、最終的には周りに誰もいなくなり孤立してしまいます。
「苦しい老後」
非正規社員には退職金制度がない場合がほとんどです。退職金がないってことは、極端に言えば死ぬまで働き続けなければならないってこと。すごい貯金があるならいいのですが、薄給の非正規なら貯金すら難しい話。年金は微々たるものだと思うので、老後を生きるためにはどんなにヨボヨボになっても稼がないといけません。しっかりとした退職金がある正社員は定年を迎えれば楽しい老後が待っていますが、非正規社員は苦しい老後が待っています。
「私の意見」
日本でも「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれた時代がありました。いまは市場主義経済を取りいれた中國の為に大きな後れを取っていますが、むかしのような日本や社会のために動く経営者、従業員を大切にする経営者、それに応えて企業へ優れた提案をする従業員。この原点に返れば日本も随分よくなると思います。なお農業の場合は経営者を農協の役員。従業員を農家と読み替えれば良いと思います。
財務省の矢野事務次官も彼を批判する人も非正規の方のお話をよく聞くべきと思いませんか。
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