昨日のNHKのクローズアップ現代で「“現代型うつ”にどう立ち向かうか」と言う、ふさぎ込んで仕事は出来ないが旅行や趣味には積極的、自分を責めず人のせいにする。従来の「うつ」と大きく異なる“現代型うつ”に翻弄される医療や企業の現場を見つめる。と言う趣旨の番組が、日本うつ病学会理事長で、九州大学大学院教授の神庭重信さんを迎えて放送されました。
従来型のうつ病の、「几帳面」で「責任感」が強く「まじめ」、こういった特徴を持つ人達が周りの環境の期待、変化などを敏感時感じ取り、それがプレッシャーとなり、うつ病になり家に引きこもってしまうのと違って、現在型うつ病は下記のようなの特徴を持っている。
現在型うつ病の特徴
・上記のような人と関係なく起こる
・会社では激しく落ち込み、うつ病の診断書だして休むが、その間呑みに行ったり、旅行に行ったりしてで元気に過ごす
・自分ではなく、他人を責める、「会社が悪い」「上司が悪い」「親が悪い」というように、周りを責めることで苛立ち、憂うつになる
・会社でちょっと注意されただけでうつ病になることがある(*注記参照)
現代型うつ病の原因
について神庭教授は下記のように解説していました。
・世の中に自分のことは言わずに他の責任ばかり追求する傾向が強い
・学校でも家庭でもあまりにも優しく育て過ぎた
・少子化で少年社会での社会的訓練が出来ていない
・上記の理由で青年の幼児化が進んでいる
・一方昔は企業にも余力があったが、現在は企業に即戦力が求められる時代になった
[私の意見]
・権利ばかり教え義務、責任を軽視した学校教育
この種の問題ですぐに思い起こすのは、昭和40年代に本屋で見た教師用の公民の指導書を見て驚いたことです。
日本憲法では国民に権利はあるが、義務はないのだと言うのです。そしてその推薦者に当時教科書裁判で名あげた家永さんの名を見つけ、左翼の人が書いたものと判りました。
それで心配になって生徒用の参考書を見て国民の権利と共に義務があると言う内容を見て少し安心しました。
確かに実際に憲法を見ても権利の文字は多く出ますが、義務の文字は数カ所しかありません。
これを米国の謀略だと言う人もいますが、私は善意に取って考えて見ますと、米国で何時も問題になるように、「個人の責任」重視の文化があるので、権利に伴って当然に付随する義務や責任の記述の大切さを忘れたのかも知れません。
問題は先の指導書のように日教組などの左翼教師が純真な生徒に、権利重視、義務・責任軽視の教育をしてきたのだと思います。
私は多分当時の親と同様に子ども達に権利より、他への思いやりや、権利に伴う義務や責任もあると教えていたのですが、敗戦のショックで首を捻りながらの意見なので力がなかったことを思い出します。
しかし当時の父兄の中には、敗戦の反省から万事米国が言う事が正しいと思っていた人もいたようです。
学校ではかなりの教師が権利ばかり教え、いくらかの父兄がそれをそのまま黙認、その子が大きくなり子どもを持つと言う負の連鎖で、「荒れるこども」や所謂モンスター***が産まれました。
上記の現代型うつ病の発生もその流れに合ったような気がするのですが。
・やさしくなった学校と世の中
学校ではお手手繋いでゴールの教え方、偏差値教育を産み出す原因となったオール百点の採点、生徒の教師に対する暴行でも体罰の禁止、教育の独立の名の元の校内の犯罪事件でも警察の介入反対
などなど、子どもを甘やかしたきました。
家庭では前述のように少子化、プライバシーの考えなど子どもを甘やかす家庭が増えてきました。
・子ども社会の喪失
昔は子沢山の時代ですから、地域でも小学6年生から幼稚園児、中には赤子をおぶって遊ぶ子もいました。
そこで自然に上下関係ができ、上の子が下の子の面倒を見たりしていましたし、近所の小父さん小母さんも適当に目を光らせていました。
今の子どもは、受験戦争、ゲームなどやることが多すぎますし、グループを作ると言えば部活を除いては、同級生の集まりしかありません。
詰まり言わば同志の集まりに過ぎません、だからそれに合わない人達は除け者にされたりいじめられたりします。
私は子どもの健全な育成のためにも、少子化問題はもっと真剣に取り組むべきだと思うのですが。
上記のように、権利重視ばかりの教育、やさしいばかりの学校と家庭、そして社会的訓練不足の環境で育った人たちの一部が、職階と言う階級もあり、年齢も違う人ばかりの企業に入り一寸したストレスでも、現代型のうつ病になるのは判るような気がします。
なおネットで調べている内に、NHKの番組を紹介したブログにNHK批判に加えて、従業員をこき使う企業の責任を追求する多くの若い人達と思われるコメントを見ました。
然し私は身近な人で従業員を大切にすることで有名な大企業に入社し、何年もうつ病で会社に出勤したり、何とか理由をつけて現在型に似た休みを取ったりを繰り返していて、奥さんが幾ら従業員を大切にする会社と言っても、この状態では何時リストラされるか判らないと心配していることを知っています。
つまりどんな良い会社でも現在型のうつ病は起こる可能性が高いのです。
私は現代型うつ病の蔓延を防ぐためにも、国は学校教育の在り方や、少子化などに取り組んで貰いたいのですが。
然し学校教育の在り方変更と言っても日教組出身の人を文科省の政務官に送り込んでいる民主党政権が安倍さんの作った教育基本法に基づいた指導が出来るのかとまた心配をしています。
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*注記:現代型うつ病の特徴の追記
番組では触れていませんでしたが、ネット上で調べると下記のような特徴もあるそうです。
・すぐにいらだつ
・決められた仕事以外は、やらなくて当然と思う傾向がある
・こんな職場では、自分はダメになる、やりがいのある仕事に巡り会えていないと考える
・仕事は、上司、先輩に教えてもらうのが当然とおもう傾向がある
・仕事ができない事、仕事の失敗を、同僚、上司のせいにする傾向がある。
・自己自身への愛着
・規範に対しストレスであると抵抗
・私は偉い、その気になればできると思う
・通常型は中高年層に多いが現代型は青年層に多い
高齢者の愛国行動は税金を払い、かつ、若い人を応援する消費をすることだと思いますよ。私も年金生活者ですが、サッカーJ2、地方劇団、地方オーケストラ、あるいは、さまざまな、職人の産物にお金を投じます。
一円でも安いものを購入するなどというアメリカ経済学のニヒリズムに同意しません。高くても日本の職人が心をこめて作った製品を買う。愛国、愛国という言動より、消費と言う行為によって日本人を愛しましょう。
他人のせいにするのは、日教組の教育のせいだ。とか、ゆとり教育で阿呆になったとかは、わかりやすい理屈。だからまちがい。
教育を受けることが”得”になることが見えにくい先進国では教育しにくいものなのだ。
それと、みんなががんばれば国は破滅する。だらしのない、ダメな奴も、「あんなのが何とかなっている」と思えば、気楽になる。
シナの古典の知恵に”無用の用”がある。アメリカ人はもちろんわからん。現代のチャイナ人も忘れている。シナの古典古代の保存庫である日本人のみが知っている。阿呆もノラも、それなりに役立つものだ。諸子百家の時代のシナの英知は日本人の中に生きているものだ。