普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

菅さんの施政方針演説・何故国民に訴えないのか

2011-01-28 15:43:41 | 情報、マスコミ

 通常国会が開幕し、菅首相が、初めての施政方針演説を行いましした。
 これに対して各社が社説を書いていますが、ナベツネさんを始めどちらかと言えば自民党よりと見られている読売新聞の社説
の概要を纏めて見ました。
・社会保障と税の一体改革やTPP参加問題や予算関連法案や重要法案を成立させるにも野党の協力は欠かせない。切羽詰まった感のある首相の主張に異論はない。
・問題は、民主党内をまとめ、野党からも合意を得るだけの周到な準備と強い意志が首相にあるかどうかである。
・首相は既に、社会保障改革の方向性を出し税を含む改革案をまとめる考えを明らかにしているが、政府・与党が、具体的な方針を示さなければ、協議を求めても、野党側は受け入れまい。
野党との協議を急ぐためにも、国民の負担増に関して十分議論し、国民にも正面から理解を求める必要がある
・首相は演説の中で、与党と自民、公明など野党との間に「問題意識と論点の多くは共有されている」と述べた。妥当な認識である。
・TPPへの参加問題について、首相は6月をめどに結論を出すと言明した。しかし、米国の主導で関係国のTPP交渉は加速している。交渉参加への合意形成を急ぐ必要があるだろう。
・首相の演説で、決定的に欠けていたのは、国・地方の借金残高が今年度末で868兆円にものぼる国家財政への危機感だ。
 高速道路の無料化や子ども手当などバラマキ政策を続ける余裕はない。無駄を見直せば財源を生み出せるとしてきた政権公約を抜本的に改めるべきだ。
・民主党の看板である「政治主導」については、政策立案・調整から官僚を排除してきたことが行き過ぎだったと自ら反省し、見直したばかりではないか。
 政権公約を大胆に修正する意思を明確にすることが、ねじれ国会を乗り切る手だてにもなる。
・首相は、演説の最後で、国民が国会に期待するのは建設的な議論と、先送りせず結論を出すことだと述べ、今度こそ「熟議の国会」にしようと全議員に訴えた。
 その通りである。臨時国会の二の舞いは見たくない。

[菅さんは国民に訴えよ]
 社説の中で国家財政の危機にでもばら蒔き政策の余裕はないこと、行き過ぎた政治主導の批判をしていますが、民主党政権内での政策の見直しの動き、官僚への接し方の見直しを始めていますので、見方を変えれば、読売新聞は菅内閣の方針の支持とも受け止められます。
 問題は菅さんの演説のやり方です。
 読売新聞は菅さんの演説の全文を載せていますし、多分他の新聞も同じと思います。
 然し彼の新聞紙一面をカバーする演説の全文を読んだ人は(政治に関心のある私を含めて)何人いるでしょう
 菅さんの考えている所得税増税、TPP参加に伴う農業への影響、ばら蒔き政策の一部の見直しなど総て国民の生活に直結するものばかりです。
 然もそのためには国民の意識もある程度は変えて貰う必要もあると思います。
 勿論施政方針演説ですから、読売が触れなかった外交・安全保障などに就いても触れなければならないのも当然ですが、もう少し要点を集約して、国民に判り易く訴えるべきだと思うのですが。
 情報が過多の現在は、良いことか悪いことか知りませんが、世論調査が政局に大きく影響すると言われています。
 菅さんはその考えの総てが編集されることなく各新聞の全文に載せられる機会を何故活用しなかったの手でしょう。
 もしかしたら読売の社説の言うように、そのための周到な準備と菅さんの覚悟が無かったとしたら、それは完全に管政権の責任です。
 これで何時も思うのですが、オバマさんの大統領就任演説です。
 彼の演説は初の黒人の大統領の所為もあったと思いますが日本でも大きく報道されたような名演説でした。
 私の属する英字新聞クラブの女性が感動して、オバマさんの演説の原文をコピーして持って来ました。
 勿論英語ですから日本文に比べて紙面を取るのですが、菅さんの演説の紙面より少なかったような気がします。
 菅さんもオバマさんのように彼の演説の草稿をライターに直して貰って国民の心に訴えるものにすべきだったと思うのですが。
[テレビ特にNHKへ] 
 超党派の中堅・若手国会議員達が国民の眼に多く触れるように、NHKの党首討論をゴールデンタイムに変更、予算委員会の質疑も夜に変更してテレビで報道できるようにと言う提言が報道されたことがあります。
 それと同じで国民生活に大きく影響を与える首相へのインタビューをまず行うこと、そして国民の眼に触れやすい夜に放送してはどうでしょうか。
 新聞でもテレビでも社説、キャスター、識者などが首相はもっと国民に訴えるべきだと言っています。
 然し新聞では前記のように首相の演説の細かいところまで書いても読者の殆どは読んでくれません
 もっと都合の悪いとことには、新聞離れが始まっているそうです。
 テレビではその発言は大幅に編集されて首相の意図は国民に殆ど通じません。
 だから国民はワイドショー化したテレビのニュース番組の報道に載せられてしまいます。
 その最大の被害者が漢字の読み違いや発言の振れでテレビから振り回された麻生さんで、総選挙後の世論調査で民主党を勝たせ過ぎたと言う結果がでるのです。
 だから若手の国会議員の人達が言うように、皆が見やすい時間に、一定の時間を割いて首相に訴える機会を持たせてはどうでしょうか。
 特に公共放送のNHKは会長が替わったのを機会に、是非若手議員の提言を取り上げてはどうでしょうか。
 
(なおこの件については何度も取り上げているので下記のエントリーをご参照下さい。)

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治・人気ブログランキングへ

政治ブログへ

参照:首相の公式の意見を直接聞きたい 
        
NHKの「総理に聞く」にがっかり


最新の画像もっと見る

コメントを投稿