素人の閣僚が原発の安全基準を作れるのか?福井第一の事故の直接原因が判らぬのに安全基準を作れるのか?マスコミは批判ばかりで良いのか?大飯原発に想定水位以上の津波が来るのか?
・素人の閣僚が原発の安全基準を作れるのか?
野田首相は5日、大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を巡る枝野経済産業相ら関係閣僚との2回目の会合を開き、安全性を確認する新たな判断基準を大筋で了承した。
政府は6日に3回目の関係閣僚会合を開き、判断基準を最終決定する。その後、大飯原発が基準を満たしているか判断し、枝野経産相が来週にも福井県を訪問して再稼働を要請する方針だ。
判断基準は〈1〉地震や津波による全電源喪失を防ぐ対策を実施済みであること〈2〉炉心の冷却継続機能を国が確認していること――を盛り込んだ。また、電力会社に対しては原発の安全性、信頼性をさらに高める計画の策定を求める。経済産業省原子力安全・保安院がとりまとめた30項目の安全対策を2段階で実施することになる。(読売新聞より)
野田さん以下の関係閣僚4名は技術的には総て原発の素人です。
その素人が作った安全基準を誰が信用するでしょうか。
結局は今では悪者扱いにされている原子力保安院の作った対策の一部を取り上げただけです。
今朝のテレ朝でもこの点を批判していました。
私は安全基準を作るには、原子炉の学者、東芝、日立などの原子炉メーカーの技術者、それに当事者の東電は無理としても、他の電力会社の原発の運転・保全の技術者を集めて作らせるのが必須と思うのですが。
・福井第一の事故の直接原因が判らぬのに安全基準を作れるのか?
同じテレ朝でプラント技術者(この様な呼び名を聴いたのは始めてですが)と言う人が、プラントの事故原因もはっきりしていないのに、安全基準を作るなど考えられないと言った趣旨のことを言っていました。
正論です。事故原因が判らずに安全基準を決めるなど本末転倒です。
然し政府の事故調査・検証委員会が昨年の7月8日、都内で2回目の会合を開き、「事故原因等調査チーム」は事故後の対応に主眼を置き、原発のベント作業などの対処や意思決定の実態解明に乗り出す。次回会合は9月27日を予定しているのを読むと事故原因の追求は10月以降になると言うのんびりした対応です。
そして事実、政府の事故調査・検証委員会が福島第一の事故の直接原因を発表したと言う報道は今でも聴いたことがありません。 (その後発足した国会の事故調査委もその結果も出していないようです。政府も国会もそして事故調査委までも、未曽有の事故の対応に追われて他の原発をどうするか考えて居なかったのでしょうか)
・マスコミは批判ばかりで良いのか?
私は原発政策決定には福島第1事故の原因究明が先決だとブログで書きましたが、テレ朝を始め各マスコミは何故この問題を追求しなかったのでしょう。
結果に就いての批判は私のようなネット評論家でもできます。オピニオン・リーダーであるべきマスコミは事前に問題点を政府に指摘して、 (多分前記名なような事情で処理の順番を間違えている)政府の行くべき道を誤らせないようにすべきと思うのですが。(参照:呆れた福島第1原発事故の事故調査・検証委員会)
・大飯原発に想定水位以上の津波が来るのか?
大飯原発3、4号機について関西電力は、設計上の想定を超える地震、津波に原発がどこまで耐えられるかについてコンピューターを使って評価した結果、想定する地震の1・8倍、津波は想定の4倍の11・4メートルまで安全性の余裕があるそうです。
日本海側で起こった大津波は、新潟地震 4m、日本海中部 男鹿半島 5~6m、北海道奥尻島沿岸では3~4m(最高 16.8m)佐渡、能登半島および隠岐の沿岸 2~3m が残っているだけで、他は総て太平洋沿岸に集中しています。
一番大きいのは奥尻の最高16.8mですがこれは同島の地形から考え遡行水位と思いますので、大飯の地形から見ると11.4mの設計は余裕が有り過ぎる設計です。
と言う事は地震以外の故障原因はないことになります。 (反対派の人達やマスコミは免震重要棟の建設遅れや取付道路の山崩れやテロ対策不十分を言っていますが、地震やテロの起きる確率と時間の問題です。)
・想定の11.4m以上の津波が福井・京都の日本海側に来たら? もし大飯が想定する11.4m、反対派の言うそれ以上の津波が福井県、京都府の日本海沿岸に来たとき、津波慣れして東北の人達と違って福井・京都の被害者の数はどうなるのでしょう。
若し反対派の人達やマスコミが、本当に11m以上の津波が来るかもと心配しているのなら、地域の防災対策を打つよう福井県知事や京都府知事に申し入れるべきです。
そう言う動きの報道がないのは何故でしょう。
野田さんも自ら言っていますが、1000兆に近い国債が示すように、原発問題でも「決められない政治」が続くと、これから先日本はどうなるのでしょう。
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