九州電力へ
九州電力のやらせメールが問題になっています。
これは同社の玄海原発の再稼働をしたい意欲の現れだろうと思います。
然しこのような大チョンボを考える前に、九州電力のやらねばならないことは、悲惨な事故を起こした福島第一と違って、玄海原発が下記のように安全にも安全を期した原発であることのPRだったと思います。
・経済産業省指示の緊急対策は総てクリアしている。
・同じ震災にあって福島第一だけ事故を起こし、同じ福島第二、女川が無事停止したように、玄海は福島第一とは下記の点で異なっている。
福島第一と玄海原発の比較(私の推測によるところは「?」、疑問に思っている所は「??」を付記しています。)
・津波対策
福島:津波の多発地帯で過去大きな津波の記録もある
玄海:少なくも大きな津波の記録はない、想定2.1~2.6mのところを海抜11mの位置に設置
・地震対策
福島:太平洋プレート境界型の地震で大型になる可能性大
玄海:断層型地震の例として震度6の福岡県西方沖地震の記録、原発周辺に活断層はない、堅い玄武岩上に立地
福島:今回の事故の直接原因の一つとなった外部電源が停止したが、一系統しかなかった? (女川は3系統)
玄海:??
・設備とその管理体制の違い
福島:沸騰水型原子炉で現在のように種々のトラブル発生
1,2号機などは原発設計の基礎が確立していないころ建設、特に1号機は耐用年数が過ぎたもの(福島第一1号機64年、2号機69年、玄海1号機75年、2号機81年)
・上記のような古い設備であるから当然の設備の改善、強化は当然の動きがあって当然だが、災害を免れた女川、福島第二の原発に適用された新技術が、福島第一にそのまま取り入れられた形跡がない?
・玄海:加圧水型原子炉で、原子炉本体と蒸気発生器が完全に分離、冷却は蒸気発生器を通じての間接冷却型なので、福島のような水が一気に無くなるトラブルの起こる可能性は少ない
福島に比べれば新しい設備、然し改善、強化はされたか?? (IAEAの報告は絶えざるアップでイトの必要性を指摘)
・玄海1号機の場合炉本体の鋼材の延性から脆性に代わる温度が98℃まで上がっているとして、破壊の可能性のあることが指摘されているが加圧水型原子炉なので、急冷による脆性破壊など起こらない、などその他の指摘に対する反論。
・上記のように古い型式の福島第一の改善が遅れたのは東京電力の利益優先の体質によるである?
九州電力:??
・東京電力は過去の報道によればお役所的体質や、隠蔽体質をもっている?のが、今回の事故の遠因となっている?
その最大のものが、今回の事故で明らかになった現場と本店のコミュニケーション不足で、運転開始以来の現場の意見がどれだけ幹部にフィードバックが不十分の可能性がある?
九州電力:??(やらせメール報道など隠蔽体質は?)
以上は乏しい情報の中から元保全技術・管理者の経験から感じ取ったものばかりで、勘違いや間違いもあると思うし、抜けた所もあると思います。
然し、もし私のヤマカンの指摘があたっているならその対策も考えるべきだと思います。
現役の九電の方達は言うまでもなく深い知識を持っているし、福島第一や東京電力の内情については、同業者ですから第三者の私などよりより詳しい情報も持っていると思います。
問題は事故対策に奔走している、東京電力への配慮もあり、どれだけ東電や福島第一の問題点を曝け出すかは問題ですが、九電として今後の経営戦略の在り方に繋がることなので、ある程度ははっきりさせねばこのまま玄海、果は川内原発停止に追い込まれるかもしれません。
そして纏まった比較データを何らかの形で積極的にPRすべきだと思います。
もう一つの大問題は上にも書いていますように、密室状態で運転される原発の容認を左右するのはそれを運営する電力会社の信用です。
全国の関心が玄海に集まっているときに、よりもよってやらせメール報道など、一気に九州電力の信用をガタ落ちさせてしまいました。
今の時代には告発者が必ず出ること、そしてそれを待ち受けているマスコミ。
そのようなことが気づかぬなど本当に呆れてしまいます。
今後の対策はすでに考えていると思いますが、既に辞意を表明している社長から関係の責任者の総ての解雇くらいの思い切ったやり方が必要と思います。
この謝罪広告に加えて上記のように玄海の安全性について自信があるのなら、九電が玄海原発に対する考え方を新聞広告に出すなど、もっと積極的なPRを進めてはどうでしょうか。
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しかし、これに類した行為はこれまでもいろいろな場面でなされて来ているのではないか、九州電力のみならず、己の利益を優先する考え方は、戦後の我が国の主流ではないのでしょうか。
GHQ・日教組によって刷り込まれた誤った民主主義、アメリカのにより押し付けられ自由競争社会等により、我が国の先人が築き上げてきた「日本の良さ・誇り」を捨ててきた結果のてんけいでしょう。
<話がそれるかもしれませんが、このような手法は、札幌で「子どもの権利条例」が成立された時にも同様の手段が用いられております。>
「やらせメール」に目をそらされ、真剣に取り上げるべき核心(原発の問題)がいい加減にならないことを祈るのみです。