川柳くろがね10月号より
前月号鑑賞 小川 清隆 選評
「また転ぶ愚を重ねても重ねても」 時津みつこ
人間とは忘れる動物。同じ石に何度も躓く愚を重ねる、これが人間というもの。愚を悟ることは良いこと、愚を愚と悟らなければ救いようがない。無理しないで気楽に生きて行きたいもの。
「ストレート一本の九州男児」 虞永 雅彦
能本には肥後モッコス、筑豊では川筋気質、何れも融通の効かない一本気の性格。曲がった事は嫌い、他人に娼びることはない、これが九州男児。変化球は持っていない直球一本の頑固もの、天然記念物。
「二千万貯めて置けよと財務省」 金子 満男
六十五歳からの老後資金は二千万円必要と言われ、議論が湧いている。しかし彼等は預貯金は平均二千五百万円あるとも言わしている。差し引く五百万円は残る。目先のことに拘らず鷹揚に生きていこう、オレオレに引っかからぬように。
「ゲームなし昭和の子等の夏休み」 栗田 修一
終戦を境として生を受けた子ども達の生活環境は大なる差異がある。特に昭和の一桁生れの人は戦争に翻弄され、食糧難にあえぎながらの日々だったろう。ゲームなんて夢のまた夢の話、二度と戦争はしてはならない。
「卒寿です生き方はもう変えられぬ」 林田 律子
歳だからと言って自分の殻に閉じ篭ってはならない。現代は多様な時代、新しいものに挑戦してみよう。年齢なんか考えてない方がいい。ウルマンが説いているようにいつまでも青春を謳歌しよう。自分らしく生きて。
本社句会「自由詠」(雑詠)合評
司会:古谷龍太郎 左の数字は上位の得点、句の下の欄は個々または全体的な指摘、「」内は参考句。(参考句は作者 and/or 評者の考えを忖度して試作したもので必ずしもベストではないので念のため。)
3・薄毛でもカット指示する横の椅子
薄毛のカットの方が手間かかかる由。薄毛を最後にして句を締めること。「何やかや注 文付けている薄毛」
・このウミを出し切りますとウミが言う
正に小判を貰った関電の社長のこと。出し切ります→連れ出します。
6・魔女になる名前優しき千曲川
最近の洪水のこと取り上げた。
8・お互いに錯覚のまま添い遂げる
このままで良い
14・ひらがなを上手く煮込んだ国訛り
面白い。ひらがな→カタカナにする言い方もある。
・恋心胃袋つかむ好きな人
つき過ぎ。当然。「鈍い彼の胃袋つかむ恋心」
7・ゼロ金利次は預金の預け賃
預金の→預金に。
6・起き抜けのアイドリングが長い朝
つきす過ぎ。朝→なくても判る。「起き抜けのアイドリングを急かす妻」
・捻まけば明日のシナリオ炎えてくる
捻→捻子。「ば」が入ると説明句になり易いので注意。逆詠みが良い。「捻子まいて も明日のシナリオ未だ出来ず」
・目が焦る祖母の手を引く信号機
目が焦る→面白い。祖母→動く。「青信号に遅れる老いに目が焦る」
・怪しげな素振りを見せる別れ時
怪しげな素振り→どんな素振り?「家出する妻が何度も振り返る」
4・髪形を元に戻して恋終わる
全体としてこのままで良い。髪形→髪型でも良い
4・忖度とお世辞で泳ぐ出世魚
とくにコメントなし。
・大海を夢は自由に駆け回る
大海→動く、泳ぐならまだ良い
3・どちらにも靡く美人を斬る斬らぬ
このままで良い。
4・お早うの後は多用途新聞紙
このままで良い。
・月旅行ちょっと一息ステーション
意味不明。「月旅行までは一息ステーション」?
・待ち望む香ぐわしさ過ぎ案山子おる
全体として何を言っているのか判らない。
3・地球の声が聞こえだすような夜
5・7・5の定型を守ること。全体として判るような判らないような句。「地球の嘆き身に滲みて来るような夜」
6・嬉しさは共に歩ける今がある
嬉しさは→別の表現はないか。「は」→を使うと説明になり安いので注意。全体として言ってしまった句。「老いてなお共に歩ける今がある」
・昔はね爺ちゃん語る若き日々
昔→最後に置く。「若いころ自慢の祖父が抱く昔」
3・災害が否応なしに持って行く
何を持って行くのか?「否応なく台風瓦を飛ばし去る」
5・たらればは言わぬ結果を受け入れる
このままで良い。
・踞まる仕切り線から洩れる愚痴
踞まる→どれにかかっているのか?句意からすれば洩れた愚痴が踞まる?「仕切り線から滲み出た愚痴踞まる」
・日常にじわりと増えるカタカナ語
じわり→現実はどんどん。平凡、そうですか川柳
・5個入りの菓子折りだけで許す罪
5個入→動く。菓子折り→話題の小判にしたら。
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前月号鑑賞 小川 清隆 選評
「また転ぶ愚を重ねても重ねても」 時津みつこ
人間とは忘れる動物。同じ石に何度も躓く愚を重ねる、これが人間というもの。愚を悟ることは良いこと、愚を愚と悟らなければ救いようがない。無理しないで気楽に生きて行きたいもの。
「ストレート一本の九州男児」 虞永 雅彦
能本には肥後モッコス、筑豊では川筋気質、何れも融通の効かない一本気の性格。曲がった事は嫌い、他人に娼びることはない、これが九州男児。変化球は持っていない直球一本の頑固もの、天然記念物。
「二千万貯めて置けよと財務省」 金子 満男
六十五歳からの老後資金は二千万円必要と言われ、議論が湧いている。しかし彼等は預貯金は平均二千五百万円あるとも言わしている。差し引く五百万円は残る。目先のことに拘らず鷹揚に生きていこう、オレオレに引っかからぬように。
「ゲームなし昭和の子等の夏休み」 栗田 修一
終戦を境として生を受けた子ども達の生活環境は大なる差異がある。特に昭和の一桁生れの人は戦争に翻弄され、食糧難にあえぎながらの日々だったろう。ゲームなんて夢のまた夢の話、二度と戦争はしてはならない。
「卒寿です生き方はもう変えられぬ」 林田 律子
歳だからと言って自分の殻に閉じ篭ってはならない。現代は多様な時代、新しいものに挑戦してみよう。年齢なんか考えてない方がいい。ウルマンが説いているようにいつまでも青春を謳歌しよう。自分らしく生きて。
本社句会「自由詠」(雑詠)合評
司会:古谷龍太郎 左の数字は上位の得点、句の下の欄は個々または全体的な指摘、「」内は参考句。(参考句は作者 and/or 評者の考えを忖度して試作したもので必ずしもベストではないので念のため。)
3・薄毛でもカット指示する横の椅子
薄毛のカットの方が手間かかかる由。薄毛を最後にして句を締めること。「何やかや注 文付けている薄毛」
・このウミを出し切りますとウミが言う
正に小判を貰った関電の社長のこと。出し切ります→連れ出します。
6・魔女になる名前優しき千曲川
最近の洪水のこと取り上げた。
8・お互いに錯覚のまま添い遂げる
このままで良い
14・ひらがなを上手く煮込んだ国訛り
面白い。ひらがな→カタカナにする言い方もある。
・恋心胃袋つかむ好きな人
つき過ぎ。当然。「鈍い彼の胃袋つかむ恋心」
7・ゼロ金利次は預金の預け賃
預金の→預金に。
6・起き抜けのアイドリングが長い朝
つきす過ぎ。朝→なくても判る。「起き抜けのアイドリングを急かす妻」
・捻まけば明日のシナリオ炎えてくる
捻→捻子。「ば」が入ると説明句になり易いので注意。逆詠みが良い。「捻子まいて も明日のシナリオ未だ出来ず」
・目が焦る祖母の手を引く信号機
目が焦る→面白い。祖母→動く。「青信号に遅れる老いに目が焦る」
・怪しげな素振りを見せる別れ時
怪しげな素振り→どんな素振り?「家出する妻が何度も振り返る」
4・髪形を元に戻して恋終わる
全体としてこのままで良い。髪形→髪型でも良い
4・忖度とお世辞で泳ぐ出世魚
とくにコメントなし。
・大海を夢は自由に駆け回る
大海→動く、泳ぐならまだ良い
3・どちらにも靡く美人を斬る斬らぬ
このままで良い。
4・お早うの後は多用途新聞紙
このままで良い。
・月旅行ちょっと一息ステーション
意味不明。「月旅行までは一息ステーション」?
・待ち望む香ぐわしさ過ぎ案山子おる
全体として何を言っているのか判らない。
3・地球の声が聞こえだすような夜
5・7・5の定型を守ること。全体として判るような判らないような句。「地球の嘆き身に滲みて来るような夜」
6・嬉しさは共に歩ける今がある
嬉しさは→別の表現はないか。「は」→を使うと説明になり安いので注意。全体として言ってしまった句。「老いてなお共に歩ける今がある」
・昔はね爺ちゃん語る若き日々
昔→最後に置く。「若いころ自慢の祖父が抱く昔」
3・災害が否応なしに持って行く
何を持って行くのか?「否応なく台風瓦を飛ばし去る」
5・たらればは言わぬ結果を受け入れる
このままで良い。
・踞まる仕切り線から洩れる愚痴
踞まる→どれにかかっているのか?句意からすれば洩れた愚痴が踞まる?「仕切り線から滲み出た愚痴踞まる」
・日常にじわりと増えるカタカナ語
じわり→現実はどんどん。平凡、そうですか川柳
・5個入りの菓子折りだけで許す罪
5個入→動く。菓子折り→話題の小判にしたら。
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