戦前・戦中派の私から若い方達への申し送りです。どのような事でもお互いに世論に流されずに自分の頭で考えましょう。
私はシンガポールで怪我をしたとき同国の病院で見て貰ったことがありました。驚いたのは病院に行くたび、折角できた瘡蓋(かさぶた)を剥がして薬を塗るのです。これでは何時もでも治らないとと思って病院行きを止めて直ぐ治りました。それで出来たのが「瘡蓋をまた剥がすよう八月忌」の句です。八月の十五日近くになると恒例のように戦時の瘡蓋を剥がすようにして当時の問題を放送されているからです。
この原稿を書いた年もNHKから15日に、「ノモンハンの真実、暴走を許した無責任体制、自決を迫られた部隊長発見、情報軽視の末に太平洋戦争に突入」の放送が有りました。
その内容はノモンハンでロシアが日本攻撃の情報の真偽に揺れる参謀陣。現実は大量の戦車投入のロシヤ、それに対して火炎瓶で抵抗するしかないない日本の関東軍。日本の敗北が濃厚になり首脳陣は退却を決定。それから首脳陣の思いも寄らない動き。首脳陣の判断ミスを棚にあげて、退却を命じた部隊長に責任を負いかぶせることに、本来なら軍法会議にかけて処罰を決める訳に行かないので、部隊長を拘束、責任を追求しついには自決に追い込んだ。濡れ衣を着せられた部隊長はもちろんその家族の悔しさ。然もそれを実行したのが初年兵で終わった私から見れば、神様のような軍隊のトップの人々。軍人として一番恥ずかしい「卑劣極まるやり方」。自決すべきなのは部隊長に自決を強いた軍人だったのに。
NHKの言う「情報の軽視」ではノモンハンでは同情すべきところも有りますが、米国への宣戦布告に際しては少年の私たちでさえそれで良いかと心配したほど無視。
その後の女性学者の指摘では当時の国民総生産、大砲・砲弾・工場の増産に繋がる粗鋼生産量はともに米国は日本の12倍。車の数、石油の生産量は日本の数百倍。
然も彼女の説によると1937年頃からの中国への宣戦の拡大などの理由で軍も「NHKの言う情報の軽視での米国への宣戦布告。その頃使われた言葉「大東亜共栄圏」「八紘一宇」。当事者も心に引っ掛かりながら国民をその気にさせる標語。
その後戦線の拡大に伴う補給線の拡大による戦力の低下の兆しがではじめたころハルノ-トによる厳しい指摘,ついに日本の宣戦布告。
然しその前にも日本が戦争を思いとどまる機会があったのです。
1931年のリットン報告です。
当時は満州での関東軍の暴走に対して国連は反日一辺倒、米国主導のABCDライン(米・英・中・オランダ)による日本への石油封鎖の中で、国連はリットン調査団をアジアに派遣しました。その結論は「樺太、朝鮮半島、台湾、満州の既得権益は認めるが、(関東軍主導による)満州国建国などそれ以上の権益拡大は認めない」というもの。当時の世界の考え方はこの程度なら国際法違反にならなかったのでしょう。今となって見れ当時から軍部は関東軍の暴走に手を焼いていたのです。
然し私の説によれば当時の行け行けどんどんの空気に流されてこの好条件も蹴ってしまったのです。
その後起こった蘆溝橋事件から中国の戦地の拡大、1939年のノモンハン事件のあとの関東軍幹部の醜態を抑えきれない日本陸軍の幹部。戦線が伸びきった後の1941年のハルノートの要求を期にNHKや女性学者の言うように、情報無視の米国への宣戦布告。
何故日本は10年前の日本にとって最も有利な条件の1931年のリットン報告を受け入れなかったのでしょう。
日本政府の判断を誤らせたのは眼に見えないが圧倒的な力を持つ国中に漲る私の言ういけいけどんどんの「空気」でした。
そして今も空気に流されて国の生存に関わる9条問題にまともに触れない日本。憲法がこれだけ議論されているのに、肝心の憲法学者の意見が全くと言って良いほどでない日本。9条の弱点を補うのが日米同盟という名の米国の保護国化、それでも9条を誇りに思う人。その日本のウイークポイントをさらけ出して見せたのはアメリか第一のトランプさん。それに翻弄される安倍さんを揶揄するマスコミ。元は変えられぬ9条から出ているのに。
「空気に流されて出来た素人ばかりの政府、国会調査団」
温暖化の進行よる大きな自然災害の続出に対する最大で最も有効な手段の一つの原発問題も空気に流されてまともな議論も出来ない日本。風力、太陽光で日本の電力量を満たしているからと反対派の小泉さんは言うが、その停止に備えて火力発電所が温室効果ガスをを排出、そのため温暖化合意の批准が遅れた自然災害対策先進国の日本。
なお福島第一の事故が起きたときに使われた言葉「原子力安全神話」、「原子力村」。先の「大東亜共栄圏」と同じ人を誤られせる使い方。これが保全の専門の私からみれば素人ばかりの政府、国会調査団を産み、冷戦沈着なwikipdiaから完全に無視」後の反原発裁判で裁判官から、また新潟県知事から事故調査がなされていないと言う評価が出て、その後の原子力政策に大きな影響を与えました。私は素人ばかりの国会調査団の対案を出したのですが勿論完全に無視。
空気とは怖いもので山本太郎さんの煽りに乗せられて原発事故と無関係の地域の瓦礫処理まで反対。しかも行政も彼らの抗議を恐れて瓦礫処理に協力したのは北九州市ほか数団体だけ。可笑しいと思いませんか。勿論wikipdiaはその結果を完全に無視。
冒頭に書いていますように、「どのような事でもお互いに世論に流されずに自分の頭で考えましょう。」と言うのが若い方達へのお迎えを目前にした私の申し送りです。
皆がそれぞれ良く考えて上での9条遵守、原発反対なら良いのですが、大戦突入以前からの空気に流され挙げ句、無残な敗戦を経験したた日本のように、また空気に流されて国の方向を間違えて欲しくないことを祈っています。
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「追記」これを書きながら気付いたのですが、全体として大きな流れで動いているような気がするのですが、そう思われませんか?
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