普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

衆院山口2区補選、民主・平岡氏が当選

2008-04-28 07:16:02 | 民主党

 福田政権初の国政選挙となった衆院山口2区補欠選挙は民主党の平岡秀夫氏116,348自民党の山本繁太郎氏94,404の差で民主党の勝利に終わった。

 読売新聞
・この結果となったのは、後期高齢者医療制度に対する批判が選挙結果に反映したとの見方が出ており、民主党は制度を廃止する法案を近く参院に提出する方針だ。
・一方、政府・与党は、ガソリン税の暫定税率を復活させる税制関連法案を30日に衆院で再可決し、成立させる。野党が対決姿勢を強めるのは必至で、福田首相は引き続き厳しい政権運営を強いられる。
・民主党は、福田首相に対する問責決議案は直ちには提出せず、当面、国会論戦を通じて、後期高齢者医療制度の問題点などを追及する。政府・与党は同制度を維持する方針だ。
・選挙戦で民主党は、後期高齢者医療制度、ガソリン税の暫定税率と、年金記録漏れ問題を取り上げ、政府・与党を批判し、支持を広げた。無党派層に加え、候補者擁立を見送った共産党支持層や、自民党支持層の一部も平岡氏に投票したとみられる。
・週明けの国会は、ガソリン税の暫定税率を巡る攻防が焦点になる。政府・与党は、暫定税率の期限切れに伴う税収不足を早期に解消すべきだと判断しており、税制関連法案を30日に再可決する。政府は政令で5月1日から税率を復活させる。また、ガソリン税収を道路特定財源に充てる道路整備費財源特例法改正案についても、5月中旬以降に衆院で再可決する。
・これに対し、民主党は、暫定税率を廃止し、道路特定財源を早急に一般財源化するよう政府に求めていく方針だ。
と報じている。

[私の意見]
医療制度の根本的な問題

 問題の後期高齢者医療制度には私自身もお世話になっているが、以下に書く様に民主党の言うように廃止だけで済むような簡単なものではないと思う。
 少子高齢化の進展に伴う頭でっかちの人口構造結果、若い人達による高齢者を支える今までの医療制度が破綻しかかっていると言う基本的な問題が全く解決されていないからだ。
 少子高齢化の問題は国民の意識の問題とも絡んでおり非常に難しい問題だが、今までこれと言った取り組みもなく、いつの間にか既成事実として放って置かれた結果が今回の結果になっているのだ。
 基本的に長期的に人口を維持できる水準の出生率は2.07だそうだが、06年には1.32だ。
 これはこの儘で推移すれば、ある所で収斂して落ち着いてくるのか、あるいは日本人が消滅するのか素人には判らないが、いずれにしてもことは大き過ぎると思うのだが、その将来像を示した学者も政治家も誰もいない。
 そしてこの結果が一番響いてくるのが医療福祉制度だ。

保険料を年金から天引きする問題
 攻撃の的になっている行方不明の年金から保険料天引きの問題だが、年金を行方不明にさせたのは、民主党の支持基盤である自治労の人達であり、それを統率すべき高級官僚で、それに頼りきってきたのが自民党だからだ。
 民主党は政府を責めても、肝心の当事者のことは何も言わないし、自民党では公務員制度改革の命を受けた渡辺喜美さんの提案に対して、官僚の意を受けた各省の担当大臣が反対する。
 これでは基本的な問題の年金問題も医療問題も解決には程遠い。

医療福祉制度の財源
 それと逼迫する医療福祉制度の財源として、何らかの形の消費税のアップは避けられないことは皆判っているのに、民主党は無駄を省けば財源をひねり出せると言って消費税のことは何も言わないが、当面必要な財源をどうするかは何も言わない。
 自民党は消費税のことは選挙後の話だと言って国民の信用を落としている。
 彼らは昔の頼り無い社会党が野党第一党と言う、彼らにとって古き良き時代に国民を小馬鹿ににするようなことを言ってもいずれ政権を自党に来ると言う考え方がいまでも無くならないのだ。

自民党と暫定税率
 暫定税率について言えば普通の人達が考えれば、当面の地方財政の混乱を避けるためには、08年度に限ることにして以後廃止を提案すれば、民主党も反対し難いと思うのだが、そのことを明言出来ない福田さんが道路族の人達を制御できないと見られて支持率を落としている原因だろう。

民主党と対案
 一方の民主党も今回の後期高齢者医療制度の反対を言っても、その対案を出ないのは、海上給油反対以来の伝統化しているようだ。
 それで昔のどこかの弱小政党のように、二大政党の一つの民主党にマスコミから何でも反対政党のレッテルを貼られかかっている。
 小沢さんは党幹部に政府が呑み込めないような対案を作れと指示したそうだが、政府から呑まれたら政府を追い詰められないからだろう。
 然し、今回の選挙結果で、事態は民主党にまた少し有利になってきた。
 そろそろ自民党は頼り無いが、民主党はなお一層頼り無いと言わせないような国民を唸らせる様な政策を示す時期になっていると思うのだが。

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3 コメント

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言われる通り (古田)
2008-04-28 16:34:55
政治家が言葉を失うとお仕舞ですね、この内閣から一言も国民に希望を語りません、対応ばかり、これじゃ国民は政府の考えている事が何も判らない。
判る様に努力せよ、と言われても努力の仕様が有りません、今回の選挙では民主党は共産党・社民党の票を頂戴した、自民には玉が悪い事も含めて創価票の値打ちも判別出来たでしょう。
日本人が求めている事これを読むのが政治、民意に応える努力は「迎合」とよぶ事位は大人ですから知って欲しいものです。
返信する
調整だけが政治なのか? (破れ傘)
2008-04-28 20:28:13
>衆院山口2区補選、民主・平岡氏が当選

改革こそが政治課題となった現在、与党は従来のように「ばらまき」政策を採ることができず、集票力は確実に減ってきているという印象を受けました。

このまま推移すれば、自民党はジリ貧になることは目に見えています。日本の政治は昔のように安定したものでなくなってきました。この原因は、単に財源不足だけではないように思います。

日本の現在の政治は、利益配分と調整に明け暮れているように思えます。これも一つには政府の説明不足が原因となっているように思えます。福田首相は、日本の国家における問題についてもっと価値判断を明確にするべきだと思います。そして、国民が納得できるように説明すれば、国民もそれほど無理ばかりを国家に対して要求しないのではないでしょうか。また、国民は民主党の幼稚な言説を簡単に信じたりしないのではないでしょうか。

その点、小泉さんはすぐれた表現力を有していました。短いキャッチフレーズで事の本質をずばりと表現する手法を多用して国民を納得させ、国民の支持を獲得していました。福田さんも少しは小泉流を見習って、国家のあるべき姿とその論理についてもっと語ってもらいたいと思います。調整だけが政治では無いはずです。


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はじめまして (たか)
2008-04-29 01:34:45
ご意見、拝読いたしました。

医療福祉制度の財源として、消費税を上げるのは問題だと思いますね。
消費税は逆進性の強い税金ですから、社会保障の財源としてはその理念に反します。
仮に、財源を捻出するならば、所得税の累進性を強化するか法人税を数%引き上げるべきと考えます。
民主党が去年のマニフェストで示したような無駄遣いの是正でも財源はまかなえます。
よく、自民党やマスコミが民主党を攻撃する時に、「財源はどうする?」と連呼します。
これは、一種の偏向報道だと思っています。
国会中継などでは、財源や代案・提案も結構触れていますしね。
他の野党も頑張っていますよ。

後期高齢者医療制度を廃止する代わりに、終末期医療・延命治療をどうするかを国民的に議論するのもいいかと感じますね。
日本は元々医療費が少ないですから、多少増額しないとやがて医療が機能不全を起こすでしょう。
なお、社会保障費の投入は、公共事業費の投入よりも雇用効果・景気対策になることも分かっていますので、日本はむしろ社会保障費を削減するべきではないと思っています。
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