「食と農林漁業の再生実現会議」がTPP参加見合いで、概要次のような上記の方針(青字)をだしました。 (黒字は私の意見です。)
a.農家の高齢化で大量の離農者が出ると見込まれるため、集落営農組織や農業法人に農地を集約。水田の場合は、平均的な農地面積にあたる20~30ヘクタール(中山間地は10~20ヘクタール)規模の経営が大半を占めるよう、農地を手放す側にも奨励金を支払う。
・20~30アールに規模を拡大しても当面の相手先の米国の規模に比べれば、全く相手にならない。
・農地を手放した農家の奨励金が切れた後の生活費はどうするのか?産経は減反を廃止してコメ作りを自由にし米価を市場に委ねれば、価格が下がり、地代の方が得になる兼業農家は農地を専業農家に貸すようになると主張している
b.戸別所得補償制度は、対象品目や単価の拡充、制度改正を視野に、「適切な推進」と「改革」を進める。
・a で書いたように全く相手にならない日本と米国の農産品の価格差を埋める所得補償がどれだ要するのか判らない
c.若者の新規就農を促すため経営支援や人材育成を強化 (賛成)
d.農家が生産だけでなく、加工や販売も手がける6次産業化を推進 (賛成、但し後記のような祖規模の問題がある)
e.農家が行う事業に出資するファンドの創設 (詳細不明)
f.太陽光や風力、木質バイオマスなど再生可能エネルギーの開発
・対策は良いが農産品自由化にたいしてどれだけ穴埋めの効果は薄い?
g.林業や漁業については国産材活用や事業者の集約・協業化を進める(付け足しの感じで関係者の賛同は得られそうにない)
産経新聞はその社説の農業再生計画 ばらまきでは強くならぬ で上記以外に、
・高齢化が進み、耕作放棄地は全国に広がるのに、担い手対策は具体性を欠く。そうした中で、既存の農協を離れ自ら生産から流通、販売、加工まで手掛ける元気な農家や農業法人も少なくない。再生計画には、挑戦する農家を「再生の核」とし、農業を成長産業に育てる視点が不可欠だ。
・農家が潤沢な補助金を得られるという誤った印象が広まり、それが現実化すれば、財政難に陥りかねない。何のためのTPP交渉だったのか、ということになる。
コメの一部市場開放が決まった平成5年のウルグアイ・ラウンド(多角的貿易交渉)合意の際、6兆円もの対策費を支出しながら、農業衰退には歯止めをかけられなかった。今の日本には、同じ轍を踏む余裕などないのである。
と主張しています。
私は農村問題に就いては、工業製品を生産している企業との生産性と農業の生産性の比較して考えるべきだと思います。
私の子ども時代の九州の田んぼは米と麦の二毛作で畦には大豆が植わっていました。
春には土壌改良のためのれんげ草か菜種油を取るための菜の花。
今では九州でも多くが米作専門、れんげ草も菜の花もなし。貴重な生産資材である田んぼを半年以上遊ばせてます。
農家では省力化のために高い農業機械を買っていますが、年に稼働するのはそれぞれ数日、普通の製造工場では考えられないことです。
もちろんこれは農家の責任と言うより国や農業団体の責任です。
生産資材だけでなく、農業の従事者もいくら頑張っても農繁期、農閑期がでるのはいたしかたない事で、これも製造業では考えられない事です。
これから考えられるのは、全国規模の農業の展開とそれに伴う若い人達の参入です。
幸い日本は長い島国ですから、農業の従事者も農業機械も南から北へある程度移動や機械の使い廻しができます。
田畑も若い労働力が入れば、地力が落ちない範囲で昔のように最大限に活用できます。
勿論米国のように田畑の集約化ができませんがある程度の生産性の向上ができます。
農閑期対策としては、再生案のように同じ企業が、農産品を使った食品や本来の製品を造り、農繁期には田畑に廻すことも出来ます。
それでも起こる米国農業より生産量とコストの弱いところは、米国得意の遺伝子操作の食品を拒絶することですが、日本がこれで米国を納得させる意欲、力はあるでしょうか。
その点から考えれば前にも書いたように、私の言う製造業に限らず日本の中・大企業(中企業と言ってもいまの農家や農業法人に比べれば遥かに大きな企業です)の農業への進出が出来るようにすべきです。
そしてこれらの企業では農産品の価格決定にも、今までのように大手の流通業者のいいなりになることはないと思います。
勿論、日本は複雑な地形の国ですから、棚田のように小型の農業も必要になりますし、産経の指摘しているように、農業法人による地産地消、インタネット利用や自然農業などに依る生産者と消費者の結びつきの活動ができるような支援も必要になるでしょう。
これまで書いた中で肝心の農協など農業団体のことは書いて来ませんでした。
実は私のいうように全国規模の展開を考えると今までの経緯から考えれば、農協などが最適な団体です。
しかし地域によれば、産経の指摘のように農協に信頼をおかずに独自の動きをしている農家も多いようです。
私は農業機械の全国的な使い回しと誰もが考えることを書きましたが、実情は農協が高額の農業機械を農家に売りつけ、その資金をJAバンクで農家に貸し付けて、農家を金で縛りつけているというような書き込みをネット上で良く見かけます。
農業団体が民主党のTPPの会議で今までの圧力団体まるだして反対をする前に、自分自身がどうすれば良いか考えるべきです。
民主党は農業団体に反対をするならその対案と、彼ら自身の改革はどう考えているのか、そうでなのなら君たちの反対論はなかったことにするくらいを言うべきです。
何しろ今日の読売によれば、TPPがなくても農業の就業人口が05年は335万人、10年に260万人、15年には約160万人になるかもと言うのですから。
私は前にも書いたようにTPP参加は日本のとって良いか、悪いか判りません。
しかしTPPがどうであれ、日本のごく近い将来の農業の衰退は目に見えているのです。
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一方、生産性が低いと言うことは、人手に頼ると言うこと。つまりだ、たくさんの人間を雇用しなければならないと言うこと。生産性の高い企業は少数の人に高給を払う。生産性の低い企業は多数の人に低給与を払う。
多くの人が無収入になるのと低収入だが収入があるのと、どっちが国民経済にはよい?
アメリカではIT革命で多数の企業が生まれた。マイクロソフト、グーグル、アップル、アマゾンetc。これらの企業が雇用している人数は合わせて11万人。最盛期のGMの3分の1もない。
国民経済的には、トヨタ、ホンダ、現代、フォルクスワーゲンなどを市場から追い出して、GM、フォード、クライスラーを守った方が得さ。
自由貿易はよいとか、生産性を上げるのはよいとかの阿呆な経済学に拘るから貧乏人だらけの国家になったのさ。これも一種の自爆じゃないかな?
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加や武器輸出三原則緩和など5つを
「対米公約」として早急に実現に移す考えを表明する方針を固めた。
複数の政府高官が明らかにした。日米最大の懸案となっている
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に進展の兆しがない中、
米側がかねて要求してきた案件をすべてのまざるを得ない状況に追い込まれた。
首相が表明する「対米公約」は、(1)TPP交渉への参加(2)武器輸出三原則の緩和
(3)南スーダンの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊派遣
(4)牛海綿状脳症(BSE)問題を機に実施された米国産牛肉輸入規制の緩和
(5)国際結婚の子の親権に関するハーグ条約加盟-の5つ。
首相は、11月12、13両日にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に際し行われる
オバマ大統領との会談で、5つの案件を早急に実現する考えを表明した上で、
安全保障・経済の両面で米国との関係強化を打ち出す。
オバマ大統領は9月21日に米ニューヨークでの初の首脳会談で、
普天間移設について「結果を求める時期が近づいている」と不快感を表明した上で、
TPP、牛肉輸入規制、ハーグ条約加盟の3案件を挙げ「進展を期待する」と迫った。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111021/plc11102101370002-n1.htm