原子力安全委員会が、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の「ストレステスト」について、“合格”とする検証結果めたのに対してまたまた揉めています。
これに対して原発再開容認の読売新聞はその社説 で概要次のように述べています。 (括弧内は私の意見です。)
・福島第一原発の事故後に政府が命じた緊急安全対策により、設計時の想定を4倍上回る高さ11・4メートルの津波に耐えられるようになるなど、安全向上で一定の効果が示されたとしている。
・耐性検査は、定期検査で停止した原発を再稼働させるかどうかを判断する条件として、政府が昨年7月、各電力会社に実施を課していた。
・技術的検討は終わり、この2基の再稼働は野田首相と関係閣僚の政治判断にゆだねられる。
・国内の原発は次々に定期検査に入っており、5月にはすべて止まる。原発抜きでは当面、電力の安定供給は望めない。
・合理的な理由もなしに、再稼働を先送りしている余裕はない。
安全対策に問題がないと判断される原発は、再稼働すべきだ。
(NHKは昨夜のニュースで最近の実績からして今年の夏まで原発を停止しても電力量に余裕が在る筈だと主張して居ました。唯一言産業界に電力量の不安があると付け加えただけです。NHKは火力発電所では定期的検査で止めねばならないこと、原発停止に伴う老朽火力発電所の再開や、従来の発電所の酷使の影響でほ大きな事故の可能性があることを抜きにしています。九州電力の火力発電の苅田発電所が故障の時は計算上の予備率ゼロの所、大口需要の節電で2%の予備率になった事実など無視ししています。)
・課題は、福井県など地元の同意をどう得るか、である。
(野田政権もこれを条件にしていますが、従来のような原発所在地の県や市町村に限らず付近の地方自体も含むとしています。原発立地のための補助金などの恩典のない自治体が危険性のある原発再開を自治体が賛成するでしょうか。民主党政権は地方自治体も国のためにある程度のリスクは我慢すべきだと一種の性善説に立っているのか、他の自治体が反対するから仕方がないと引っ込むのか、彼らが言うようにどの政治判断をするのか判りません。)
・今回のストレステストでは、炉心冷却用の電源を喪失すると重大事故につながるという原発の最大の弱点を十分補強できた、ことを確認したのがポイントだ。
非常用電源、蓄電池まで失った福島第一原発のような事故のリスクは低減されたと言える。それを政府は丁寧に説明すべきだ。
(そのためには事故を起こした福島第一と無事停止した女川・福島第二と再開予定の原発の違いを説明すること、福島第一だけどうして事故を起こしたかを説明すべきですが、それにしても政府事故調査委員会も、国会の事故調も福島第一の事故の直接原因の究明がされてないままです。それで後記の余り信用されていない保安院の30項目の安全対策を基準に説明するしかありません。)
・もちろん、安全確保には各原発で不断の努力が欠かせない。
安全委も、もっと詳しく安全性を検証するストレステストの「2次評価」を全原発を対象に早急に実施し、継続的な改善を目指すよう注文をつけている。
(原子力安全委員長の斑目さんは大飯原発の「ストレステスト」が出た後も、事故発生後の対策に対する2次評価がいると言っていましたが、各原発としては政府の指示によりストレステストの結果を出したのに、何を今更と困惑するのは当然です。
昨日の安全委員会のときも「1次評価はOKだかBut付きで後は政府の責任だと言わんばかりの発言をしていました。彼の安全優先発言は身の安全を守るための発言とは思いたくありませんが、どうしてこのような発言がでるのでしょう。
それにもう一つ、昨日の放送では安全委員会の決定に反対するグループの人達が暴れ廻っていましたが、どうして純粋の技術的な問題を議論する安全委員会の会合にこのようなグループを会場に入れるのでしょう。外野から見れば彼らを入れたのは、何か特別の意図があったのかと思うのは当然ですが。)
・心配なのは、原子力規制庁の4月発足が大幅に遅れることだ。原子力の規制と推進が分離されていないなど、多くの欠陥が指摘された今の体制が中途半端に続く。
・原発の地元には、再稼働を求める声と同時に、規制庁が発足しないままでは判断できないとの不満もある。国会は、規制庁法案の審議を放置してはならない。
・福井県は、今回の事故を踏まえた「暫定的な安全基準」や、原発の必要性に関する政府の見解を提示してほしいと要望している。
・政府は、事故時に原子炉圧力を下げて破損を防ぐ装置の強化などすでに30項目の安全対策をまとめている。これを基準化し、実施工程とともに示す必要がある。
(福井県の「暫定的な安全基準」や、原発の必要性に関する政府の見解を提示してほしいとの要望は当然です。本来なれば正式の安全基準を出すべきですが、付記の資料によると原子力規制庁が作るようになっているのにその発足が4月からのの発足が遅れるので「暫定的」の言葉が出たのでしょう。そうなれば暫定基準を信頼のない保安院と逃げ腰の安全委員会のどちらで作るのでしょう。
また県の言う原発の必要性に関する政府の見解の提示は当然の話しで、私も何度も書いてきたのですが、野田さんは所得税の不退転の決意のほか、彼の自分を曝け出した意見を聴いたことが無いのですが、もう少し国民に直接訴えたらどうでしょう。
肝心のときは"もごもご、彼の政策とやる気と違うと思われる人材の政府や党の要職に据えるなど、もっと自分を打ち出さねば物事は進まないと思うのですが。
野田政権、原子力安全委員会、地方自治体、一部のマスコミ・半原発グループなどの無責任な言動が、唯でさえ厳しい日本経済の沈滞から沈没状態に導かないように祈っています。
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付記:30項目、安全基準に反映・保安院の山形浩史・管理官に聞く
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皆が疑心暗鬼になっています。
個人の付き合いでも、一度信用をなくしたら、取り戻すのには何倍もの労力と時間を要します。
権力のある人たちは、大きく損ねた信用を、口先だけで回復できると勘違いしています。
しかも、その口先があまりにもひどい。
野田総理は、国家公務員の新規採用数を7割削減するということを心配した大学生たちに「痛みを分かちあおう」と言ったそうです。
ちょっと待って下さい。財政支出の削減は震災以前からの問題であって、震災とは全く別の話ですよね?
震災にかこつけて、これからの日本を担う人たちにだけ、負担を押しつけるというのはどういう魂胆なのでしょうか。そのくせ、定年国家公務員の再雇用を義務化したりしています。
また、野田総理は、TPPについて
「TPPはビートルズ。日本はポール・マッカートニー、ポールのいないビートルズはあり得ない。米国はジョンレノン。この2人がきちっとハーモニーしなければいけない」
と言ったそうですね。
本当に情けない。唖然とします。
TPPの本質について真摯に説明をし、どれだけ国益に適っているのかを訴えるのが貴方の仕事なのではないですか?
ビートルズだから仲良くやろう?
国民はそんなに馬鹿ですか?我々は幼稚園児ですか?
もし、野田総理が、本心から、このふざけた発言で、国民を説得できるのだと考えているのだとしたら、残念ですが、その程度の能力しか無い人なのでしょう。
こういう人たちが、原発の必要性を唱えても、信用しない人達が沢山でてしまっても、しょうがないと思います。