普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

小泉さんと郵政改革と麻生さん

2009-02-14 15:41:04 | 麻生内閣

 小泉さんの発言で与野党の間が揺れているようです。
 然しマスコミの報道やネット上の意見から見るとこの揺れは一時的なものに終わりそうです。
 小泉さんの発言の中心は、
 野党が反対している定額給付金について、「本当に3分の2(の衆院での再議決)を使ってでも成立させねばならないような法案とは思っていない」と述べ、参院で多数を占める民主党など野党の理解を得られるよう見直すべきだとの考えを示した。   (産経新聞より)と言ったことにあるようです。
 私は定額給付金については前にも書いたように、小泉さんの意見に賛成ですが、今となっては麻生さんも自民党はもう引っ込みが付かないでしょう。

 ここでは郵政選挙で自民党が衆院議席の3分の2以上を占めたこと、国民の郵政改革の理解度、小泉さんの功績とマスコミのキーワードで考えて見たいと思います。

[自民党圧勝と小泉さんの功績と国民の郵政改革の理解度]
自民党圧勝の理由

・小泉さんの人気
 「ヨン様に振った手を純チャンへ振る」と言う句がありますが、カッコ良い小泉さんの出現にふだんは政治に無関心の人達が政治に関心を持ち始めました。
 詰まり政治に無関心な人でさえ彼のリーダーシップに歓呼の声をあげたのです。
・マスコミの選挙中の偏向報道
 小泉さんの郵政改革反対者への離党勧告、除名、さらには刺客派遣という奇策に乗せられたマスコミ、特にテレビが選挙の真っ最中に刺客の動きや、小泉さんの演説に歓声をあげる小母さん連中の報道ばかりしました。
・そのようなテレビの報道で今まで政治に関心がなかった人達まで投票にでかけました。
  そして多分その人達は殆ど自民党に投票したと思います。
 つまりマスコミ、特にテレビは自民党圧勝に大きな貢献をしたのです。

・小泉さんの功績
 小泉さんの優れたリーダーシップ、巧みな選挙戦術、(政治家としては時に必要な?)反対者への冷酷な扱いなどでマスコミを味方につけた、郵政選挙の圧勝は殆ど小泉さんの功績と言って良いと思います。

・郵政民営化の理解度
 麻生さんが「国民が4分社化など知らなかった」と言って顰蹙を買いましたが、上記のように国民のかなりの部分の人達は、(郵政改革に賛成と言うより)小泉さんに投票したので、3分の2以上の議席数と国民の郵政改革の理解度は必ずしも正確な相関関係ではないと思います。
 だから郵政改革を唱える人達の言う様に「麻生さんは3分の2の以上の議席数の重みを知るべきだ」と麻生さんを批判する前に、郵政改革の良い所を進め、悪い所を直すというフランクな立場で検討すべきだと思います。

[小泉さんの学ぶべきところ]
拙いところ

 現在日本の大きな社会問題になっている年金問題の放置、強引な経費削減による社会福祉・医療・介護の崩壊、労働関係の規制緩和に伴うセイフティーネットの強化の放置、三位一体の名のもとの地方分権で実は地方交付税削減による地方の疲弊、消費税増税の先送りは自民党政権の足元を揺るがしています。
 但しこれは小泉さんだけの責任ではなく、後任の安倍さんが改革の負の部分の修正、見直し、後始末をしなかった責任もあると思います。(私は安倍さんの言う「改革の継承」でなくて、「改革からの脱却または見直し」とすべきと書き投書もしたのですが。
参照:カテゴリー→安倍内閣

 私は麻生さんが小泉改革の負の部分が何故生じたか、小泉さんが先送りした消費税増税など、小泉さんのやり方の拙い点は反面教師として学ぶべきだと思います。

良いところ
・優れたリーダーシップ
 私は小泉さんが上司として一番優れたところは良いところは、政治では素人の竹中さんをバックアップし、その力の100%かそれ以上の力を発揮させたところと思います。
 麻生さんの不規則発言やそのブレの裏には、何でも自分がやろうとしているように見えて仕方かないのですが。
 麻生さんは何か新しい発言をする前に、関係閣僚の意見を良く聞くことだと思います。

・発言にブレがないこと
・言い訳をしないこと、小泉さんへの人身攻撃に取り合わないこと
 上の2件に付いては昨日も触れました。
・政治家に時には必要な冷徹さ
・機を読むことに優れている
・巧みなマスコミの操縦術

 以上思いつくだけ並べて見ましたが、小泉さんと麻生さんのやり方は好対照のようです。
 麻生さんもその人柄から小泉さんの真似したくても出来ない事もあるかも知れませんが、それでも小泉さんから学ぶことも多いようです。

 麻生さんは小泉さんの発言を「厳しい激励の言葉と受け取っている」と言ったそうです。
 小泉さんの発言に対し、内心はどう思っているか知れませんが、ここではフランクに小泉さんの良い所、拙い所を見て国のリーダーとしてどうあるべきかもう一度考え直す機会だと思うのですが。

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追記:民主党のせこい対応
 民主党は小泉さんの定額給付金反対の発言を聞いて、参院での関連法案採決の時期を小泉さんのロシヤからの帰国まで伸ばすそうです。
 詰まり参院での関連法案の否決→衆院での再採決の時小泉さんの反対(を予測)→マスコミの一斉報道と言う劇的な効果を期待しているのでしょう。
 何時もの党略優先のせこいやり方には情けないやら呆れるやらです。


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4 コメント

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同感 (ろっし)
2009-02-14 19:20:22
 全く、同感です。当初、バー通いなど「演出」を真似していた部分はあろうかと思います。特に選挙のための内閣でしたし。

 二人の最大の違いは、景気上昇局面と下降局面です。逆の立場だと全然違う双方の評価になったと思います。

 麻生首相は、人が良く、サービス精神や自分でなんとかしようという意志が強すぎると思いますね。執行部ももっと協力、閣僚に対する隔てない関係性。半径2mの男と言われているそうですが、解かるような気がします。親分タイプですしね。
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Unknown (paka)
2009-02-14 23:26:52
小泉さんには、「情」がない。
麻生さんには、「情」がありすぎる。

小泉さんが麻生さんを総務大臣に起用した理由。

「打たれ強そうだから」  麻生さんの総務大臣就任記者会見での発言です。

この言葉を信じたいですね。
返信する
Unknown (Unknown)
2009-02-15 22:06:10

聖書には「人からちやほやされた時は、災いである」、「人から罵られるときは、幸いである」という言葉があります。

今は、小泉元首相も、麻生首相も「ちやほやされている」とは言えません。

むしろ、小沢党首が「ちやほやされていない」とは言えない。

この三者の中で国家と国民に一番貢献するのは誰か、まだ、国民は判断ができていないように思えます。

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>追記:民主党の… (みも)
2009-02-16 20:27:56
初めての訪問者です。

これは逆ではないでしょうか。
再可決の時に小泉元総理は反対できないだろう、そして過去の人に過ぎないことを満天下に曝そうとの戦略ではないだろうか。
かつては60余名の小泉シンパも既に20人足らずに激減した。これだけを見ても落ち目であることは否めない。
シンパ全員が反対に回って始めて否決が可能になる。
前回は賛成しておいて、今回は否決ってまともな政治家ならできないでしょう。
当時はブレない政治家を演じていた人だ。
つまり、まともでないことを天下に曝す愚を冒すことはいくらなんでもない。
つまり、元総理は本会議欠席が関の山である。
理由はロシアに行って体調不良とか何とかテキトウなことを言うに違いない。
そういう行動には、「逃げる政治家」のレッテルを貼りたい。
※選挙は近いから引退宣言はしているし、落ち目の政治家の尻馬に乗るというか、付和雷同することは常識的に考えられないがいかがだろうか。ましてや、郵政改革の本質が抉られつつあるタイミングです。
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