島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「家 上巻・下巻」です。これは明治期の二つの旧家の没落を描いたもので小泉家と橋本家の2つの旧家が登場人物している。前者は藤村の生家である島崎家を、後者は藤村の姉園が嫁いだ高瀬家をモデルとしているのことです。
自叙伝小説のようであるがあくまでもモデルにしただけで創作小説のようです。読んでみてその時期の明治期の家長制度の大変さがよく分かった。2家共に長男が結果として失敗して没落していく様が哀れに思えた。一方で三男の藤村は気軽な立場なのでマイペースで成功していくのが対照的です。小説としては長編で登場人物が多くて読みごたえがありました。ある程度の一気読みしないと物語の筋がわからくなります。但し、引用は少なくて読みやすいので藤村の長編小説を読もうとする人にはお勧めです。
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