自分がまだ現役の頃、海外出張が多く家の猫たち(旧3匹組)との付き合いは浅かった。それでも猫散歩だの何だのと楽しい思い出は尽きない。早期退職後は進んで世話係を、ハナとクモを亡くしてからはテツの介護に務めた。その頃に出会ったのが家裏のソトチビとみう、そしてニャー、シャッポ、チビのお店3匹組だった。外資系の役員まで昇りつめた一方で荒んでいた自分の心が、彼らと接するうちに自覚できるほどはっきりと和んでいく。当ブログを始めたのはそんな時だったが、同時にチビとテツを失った。人の心を癒す猫の神秘的な力。ブログ最初の記事以来、この猫の神秘を追求することがテーマとなっているのです。
わが家ののんびり派、シロキ
人間の持つ邪心や功名心や損得勘定や猜疑心に欲望・・ありとあらゆる雑念を取り除くと、きっと猫のようになるに違いない。そのピュアな心というものがとてもやさしくて寛大で、何より接するだけで癒されるものだとわかってきた。そのことを、これまで事あるごとに書いてきたつもりだけど(脚注・主な関連記事)、いつも自分の表現力のなさでうまく伝えられないもどかしさが伴った。ところが最近になって、そういった内容の記事に触れる機会があるのです。
本記事と同じ「猫と暮らし猫を知る」カテゴリーの前記事「猫に学ぶ」で紹介した猫心理学者、高木佐保さんの記事(PHP研究所監修)や、最近フランスでベストセラーとなった本「猫はためらわずにノンと言う」など、ネットで検索すればその要約も散見できます。でも、自分としてはやはり何と言っても養老孟司先生だ。東大医学部卒、医学博士、解剖学者、鎌倉での愛猫まるとの生活は知る人ぞ知る。まるを通して先生が語る人間のあるべき姿。とにかく力が抜けている。ときとして哲学の域に達し、意味不明だったりもする。そんな先生の言葉に心酔し、これまでの記事でも何度か紹介しました。
「何の役にも立たないが、そこにいるだけで癒される存在」だという猫。先生のまるに対する究極の評価だ。そのまるを亡くしたとき、あの先生でさへ重い"まるロス"になったという。それから1年、ようやく先生が書き上げた新書が「まる ありがとう」。解説するまでもありません。内容紹介付のサイトを下にリンクしておきました。
もうひとつ、直木賞作家の朝井まかてさんとの対談もリンクしておきます。朝井さんも24才の老猫マイケルと「ネコメンタリー」に出演しましたが、実はまると3日違いでマイケルを亡くしています。この対談記事はちょっと長いですが、なるほどと感心できる。できたら時間に余裕のある時に読まれることをお勧めします。
シロキ「何故かシロちゃんとまるの話の時はオレが出るな」
(ブサイクだけどのんびり感と模様が似てるから)
脚注)当ブログ内の主な関連記事
「猫に学ぶ」(2021.8月)
「人の心を癒す力 ~猫の魅力を考える~」(2021.8月)
「PURE HEART<汚れなき心>」(2021.6月)
「猫の倫理、そして愛情」(2020.11月)
「はじめまして」(2016.9月)
追申)48時間大雨のおかげでダメかと思っていた満開の桜がまだ健在でした。(本日の様子)