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流れ流れてきた此処は、終の棲家にふさわしいのか?入ってみなきゃ分からない、それがリスク。

幻影の手術室: 天久鷹央の事件カルテ

2016年10月26日 00時29分29秒 | 読書事
知念実希人さんです。

実は、

この間まで。

知念さんは、

「みきひと」さんだと思っていました。

完全に思い込みですが。



閑話休題

手術室での不可能犯罪。なぜ麻酔医は死んだのか。手術後のオペ室で起きた医師死亡事件。記録用のビデオに録画されていたのは、一人の麻酔医が「見えない誰か」と必死に格闘し、その末に絶命する場面だった。手術室は密室。容疑者は全身麻酔で身動きのとれない患者のみ。西東京市・清和総合病院で起きた不可能犯罪に対し、天才女医・天久鷹央は独自の捜査に乗り出すが……。事件に隠された“病”を解き明かす、本格医療ミステリ。  by Amazon

結構前に読んだんで内容を覚えていません。

私の記憶にとどまるのはせいぜいが1~3日でしょう。

おそらく「私の頭の中の消しゴム」が作用しているのだと思いますが。



再度、閑話休題。

知念さんのこのシリーズは、ライトノヴェルシリーズの「新潮文庫NEX」に載せるには、ちょっと勿体ないくらいにミステリだ。

ミステリにおいて「こじつけ」が「こじつけ」を超えて「推理」になるには全体の構成と控えめな主張が必須だと私は考える。

私が好きな作家の鯨統一郎さんはそれを逆手に「こじつけて」いる。

しかも縦横無尽に。





ほとんどすべてのトリックが出揃ったと思しき現在。

現代科学の先端部分の導入(曰く、島田荘司氏)。

または、

一般人の知識の及ばない分野(「警察」と「探偵」だけは昔からジャンルとしてはあったのですが)の、化学・医学・調理・司法・自衛隊・図書・書店・飲食・動物などなどの専門分野の追求しかないと思われる。

なので、ここ10年ほどの間に、探偵自身の職業を活かした「専門職探偵」が跋扈しました。

珈琲・レストラン・調理・動物園・落語・書店・時計・修理業、などなど。

でも、それらも飽和した現在。



あえて、

わたしが、

予想します。



完結しない推理。




今までは、不確定な複数な推理で幕を閉じることはあった。

が、

今後は一気に。

推理で幕を閉じない物語に違いない。

それってミステリとして成り立たないのでは…、って思われる人もいると思う。

が。



我々の現実は、すべてが解き明かされる日常ではない。

逆に言えば、解き明かされた現実って言うのは、単に私が推理、納得した選択肢の一つ。

したがってカタルシスはない。



形式は、提示された推理はあるが、本当かどうかはわからない。

現状で考えられる推理で一番近いのは「それ」だが、それ以上は今、検証できない。

解決方法としては、別の事件で「補足する事実」または「反論される事実」を盛り込んだ連作集になっていれば、人生と同じように、

「あの時、真実だと思っていたのが実は…」

となって、

次の「あの時真実がと思ったこと」が再構築される。

それを濃縮したのが、小説としてのミステリでしょ、っとなるわけだが、ミステリを読んでいていつも思うのは、予定調和って大事なの?ってこと。

それにチャレンジした(著者はそう考えてもいないし、チャレンジもしていなさそうだが)森博嗣さんは素晴らしい。

でも、森さんの新しい作品は読んでいて「私の読みたいもの」ではない。





脱線しました。

まぁ、このシリーズは面白いので次も読みます。