この指とまれ

この指とまれ。

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この指にとまってくれるのは風。

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暮風の指にとまってくれるのは雲。

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それっきり。

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相手ができない暮風にはそれでじゅうぶんである。

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暮風はにんげんの相手ができない。にんげんを満足させることができない。

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だったら、にんげんから満足させられることだってありえないはずである。

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風と雲は、期待がない。お返しがいらない。

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好きだよと言ってあげることもない。立春の岡辺に立つ。ほおいほい。

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この指とまれ。この指とまれ。

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むしのいいこの指とまれである。

ダブルファンタジー

村山由佳著「ダブルファンタジー」を読んでみたい。本屋さんで立ち読みした雑誌に著者が石田衣良と対談をしていた。興味が湧いた。





牛尾の梅林に梅を見に行ったら良かろう。小高い岡に梅の林がある。茣蓙を敷いて座って、ほろほろ見上げていたらよかろう。梅の香りに心身染まったら良かろう。