お月さまがおきれいです。外に出てしばらく眺めていました。夜は冷え込んできているというのに、依然としてちろちろちろちろ虫が鳴いています。
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*
まぎれることはあっても、元の木阿弥。さみしい。
*
おんなのひとに抱かれるといいのかもしれない。おんなのひとを抱きもしないおとこは、しかし、抱かれることもあるまい。
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おんなのひとは愛情が深い。ねっからそう信じている。ふしがある。
*
母はおんなのひとであった。だからかもしれない。
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おとこに犯罪者があっても、おんなのひとに犯罪者があるとはどうしても思えない。
いまでも思えない。そういう人が新聞の記事になっていてもそれでも思えない。
*
さみしい。
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うっすらと秋の綿雲。雲までもがさみしい。さみしい雲が浮かんでいる。
*
さみしさを逃れる方法はないか。
*
仲間の処へ駈けていって、わいわいがやがや酒を飲めばいい。いいけれどもその場しのぎだ。解決にはならない。
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根本的な解決とはなにか?
*
信仰かもしれない。信仰を得たら、そこからさきはさみしくないのだろうか?
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<?>だ。
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先の話ではなく、いまさみしい。
*
さみしさを癒しておかねば、ひんやり冷え込んで、寒くてならない。
*
畑の上を飛び交う白い蝶を見ている。
来週、東京の王子駅付近に住んでいる娘が二人の孫を連れて我が家にやってくることになっています。上の孫は3歳。下は九月に生まれたばかりです。一ヶ月ほど滞在するというので、レンタルの赤ちゃんベッドを借りに出かけました。車に乗せるベビーシートも。レンタル料は4000円でした。
*
ぼくは嬉しいような煩わしいような変な気分です。孫の子守でぼくのぐうたら生活がおじゃんになりそうで心配でもあります。家族の者はぼく以外は働いているので、結局孫の世話をするのはぼくになりそうです。3歳の孫はやんちゃ坊主です。走り回ります。麻痺の足では追いかけられません。
*
ぼくは嬉しいような煩わしいような変な気分です。孫の子守でぼくのぐうたら生活がおじゃんになりそうで心配でもあります。家族の者はぼく以外は働いているので、結局孫の世話をするのはぼくになりそうです。3歳の孫はやんちゃ坊主です。走り回ります。麻痺の足では追いかけられません。
ほとけさまのおいのちに
めざめると
わたしのいのちが
ほとけさまのおいのちであることが
わかってきて
泣けてくる
すまなかった
すまなかったと泣けてくる
ほとけさまの広さ明るさに
めざめると
わたしの広さ明るさが
宇宙全体の広さ明るさであることが
わかってきて
泣けてくる
すまなかった
すまなかったと泣けてくる
悪人のわたしに
ほとけさまのおいのちがやどっていることが
ありえていいのだろうか
悪人のわたしに
宇宙全体の広さ明るさが重なっていることが
ありえていいのだろうか
ありえないことが
ありえている
かたじけなくて
ありがたくて泣ける
めざめると
わたしのいのちが
ほとけさまのおいのちであることが
わかってきて
泣けてくる
すまなかった
すまなかったと泣けてくる
ほとけさまの広さ明るさに
めざめると
わたしの広さ明るさが
宇宙全体の広さ明るさであることが
わかってきて
泣けてくる
すまなかった
すまなかったと泣けてくる
悪人のわたしに
ほとけさまのおいのちがやどっていることが
ありえていいのだろうか
悪人のわたしに
宇宙全体の広さ明るさが重なっていることが
ありえていいのだろうか
ありえないことが
ありえている
かたじけなくて
ありがたくて泣ける
ある日カナリアの親鳥が、
口移しに雛鳥に懸命に餌付けをしている姿を見て、
両手を失って失望と悲嘆の底に沈んでおられた大石順教さんは、
再び光明を見出されます。
ここが大石さんの仏道への出発地点になります。
さぞやお苦しかっただろうと想像します。
ここではカナリアの親鳥と雛鳥がほとけさまです。
現一切色身三昧という三昧を菩薩はもっておられます。
これはどんな姿にも身を変えることができるという神通力です。
*
カナリアさんが
現一切色身三昧をお使いになったとは
とても思えぬ
大石順教さんが
カナリアに
現一切色身三昧をお感じになられたのだろうか
そんな小難しいことは
いらないのかもしれない
カナリアさんがカナリアさんでいる
それでよかったのだ
両手のない大石順教さんは
カナリアさんが
口移しで雛鳥に餌をやるところを
ご覧になってそれでお気づきになられた
両手がなくともいいということ
ないものをねだるのではなくて
あるものに目を向ければいいのだということを
そうだった
口があった
そうだった
目があった
そうだった
足があった
そうだった そうだった
わたしも大石順教さんと
カナリアさんとを見ることができる
わたしもまたそこから
考えることができる
口移しに雛鳥に懸命に餌付けをしている姿を見て、
両手を失って失望と悲嘆の底に沈んでおられた大石順教さんは、
再び光明を見出されます。
ここが大石さんの仏道への出発地点になります。
さぞやお苦しかっただろうと想像します。
ここではカナリアの親鳥と雛鳥がほとけさまです。
現一切色身三昧という三昧を菩薩はもっておられます。
これはどんな姿にも身を変えることができるという神通力です。
*
カナリアさんが
現一切色身三昧をお使いになったとは
とても思えぬ
大石順教さんが
カナリアに
現一切色身三昧をお感じになられたのだろうか
そんな小難しいことは
いらないのかもしれない
カナリアさんがカナリアさんでいる
それでよかったのだ
両手のない大石順教さんは
カナリアさんが
口移しで雛鳥に餌をやるところを
ご覧になってそれでお気づきになられた
両手がなくともいいということ
ないものをねだるのではなくて
あるものに目を向ければいいのだということを
そうだった
口があった
そうだった
目があった
そうだった
足があった
そうだった そうだった
わたしも大石順教さんと
カナリアさんとを見ることができる
わたしもまたそこから
考えることができる
ああん
と
口をあけているから
あんぽんたん
ぽおん
と
足を投げ出しているから
あんぽんたん
たあん
と
長寝をしているから
あんぽんたん
あんぽんたんの僕
その僕を
好きだという人が
あらわれてきて
さあ たいへん
あんぽんたんといると
あんぽんたんでいられるから
気が楽だというのが理由
変な理由
その人は
僕を観察して絵にしている
そのまま
そのまま
そのままにしてて
などと言う
そしてしばらくで
さよならをしていった
空には掃き清める雲もない
丘の上は風もない
昼の月とススキと僕と
そこでいつまでもぽああんとしている
と
口をあけているから
あんぽんたん
ぽおん
と
足を投げ出しているから
あんぽんたん
たあん
と
長寝をしているから
あんぽんたん
あんぽんたんの僕
その僕を
好きだという人が
あらわれてきて
さあ たいへん
あんぽんたんといると
あんぽんたんでいられるから
気が楽だというのが理由
変な理由
その人は
僕を観察して絵にしている
そのまま
そのまま
そのままにしてて
などと言う
そしてしばらくで
さよならをしていった
空には掃き清める雲もない
丘の上は風もない
昼の月とススキと僕と
そこでいつまでもぽああんとしている
「空威張り」
おれはいばっているが
おれのちからで
生まれてくることもできなかったのだ
おれはいばって暮らしたが
おれはおれのちからで
死んでいくこともできないのだ
いばっていてもいいが
こうして考えると
それはみんな空威張りであった
空威張りをしながら
おれは
ススキの野原をてくてく歩いて行く
おれはいばっているが
おれのちからで
生まれてくることもできなかったのだ
おれはいばって暮らしたが
おれはおれのちからで
死んでいくこともできないのだ
いばっていてもいいが
こうして考えると
それはみんな空威張りであった
空威張りをしながら
おれは
ススキの野原をてくてく歩いて行く
薬缶にお茶を沸かしていて、プロパンガスを消し忘れ。台所に戻ってみて、そこではじめてお茶を沸かしていたことに気がつきました。ガスは自動的に止まっていました。薬缶の蓋を取ってびっくり。蒸発をしてしまって水はわずか1cmほどになっていました。危うく火事が起こるところでした。物忘れがひどいです。気のゆるみかもしれません。いや、まったく退廃的なぐうたら生活をしているからこんなことになるのかもしれません。精進をするということがおろそかになっています。わたしの生活全般が反省させられました。こんな怠惰な暮らしをしていると神仏からも見放されてしまいそうです。
こんなになんにも知らないでも
わたしは生きている
わたしがなんにも知らないでも
生きていられるということ
その大きな枠組みを思うと
うれしさがふつふつと涌いてくる
知らないものも
美しく輝く朝日を仰ぐことができる
おだやかな海の波を聞くことができる
でも
知る努力をなんにもしないで
生きてきたことを
誰かに詫びていたい
誰に詫びていいのか
それも知らないので
草の上を流れていく風に
詫びている
わたしは生きている
わたしがなんにも知らないでも
生きていられるということ
その大きな枠組みを思うと
うれしさがふつふつと涌いてくる
知らないものも
美しく輝く朝日を仰ぐことができる
おだやかな海の波を聞くことができる
でも
知る努力をなんにもしないで
生きてきたことを
誰かに詫びていたい
誰に詫びていいのか
それも知らないので
草の上を流れていく風に
詫びている
大器は晩成す。
*
大器晩成酢。
*
そんな酢があれば飲んでみたいよお。
*
大きな人物はゆっくり育つものだ。
*
早く育った人は、大器晩成の教えは癪にさわるはずだ。
*
この教えに賭けるのは、スロースターターだろう。
*
しかしそもそもそんなに大器になる必要があるのかねえ。
*
いいじゃんけ、小器の小人物でも。
*
巨人の国じゃ、小人物の方がきっと役に立つぞ。
*
桃栗三年柿八年。達磨は九年。俺は一生。
*
一生でたりないときにゃ、また次の一生があらあ。
*
こどもがどんどん生まれているんだ。なあに心配はいらねえ。
*
こどもの数の分の一生がある。
*
小器は大器をほめる。にっこりしてほめたらいいんだ。羨むことはいらぬ。
*
大器は小器をほめる。威張るこたないんだ。
*
小さい穴からも月が見える星が見える。こりゃ、嬉しいねえ。
*
大きな窓からしか月が見えないとしたら大変なことだった。心配はいらないんだ。
*
大器晩成酢。
*
そんな酢があれば飲んでみたいよお。
*
大きな人物はゆっくり育つものだ。
*
早く育った人は、大器晩成の教えは癪にさわるはずだ。
*
この教えに賭けるのは、スロースターターだろう。
*
しかしそもそもそんなに大器になる必要があるのかねえ。
*
いいじゃんけ、小器の小人物でも。
*
巨人の国じゃ、小人物の方がきっと役に立つぞ。
*
桃栗三年柿八年。達磨は九年。俺は一生。
*
一生でたりないときにゃ、また次の一生があらあ。
*
こどもがどんどん生まれているんだ。なあに心配はいらねえ。
*
こどもの数の分の一生がある。
*
小器は大器をほめる。にっこりしてほめたらいいんだ。羨むことはいらぬ。
*
大器は小器をほめる。威張るこたないんだ。
*
小さい穴からも月が見える星が見える。こりゃ、嬉しいねえ。
*
大きな窓からしか月が見えないとしたら大変なことだった。心配はいらないんだ。