一つ山越え もう一つ山越え あの山越えて わたしゃあんたに惚れとるばん 惚れてるばってん 言われんたい
追々 彼岸も近まれば 若者(わかもん)衆も寄らすけん 熊本(くまんどん)の夜聴聞(よじょもん)詣りに ゆるゆる話もきゃあしゅうだい
男振りには惚れんばな 煙草入れの銀金具が それが因縁たい
アカチャカベッチャカ アカチャカチャー
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熊本県民謡「おてもやん」の歌詞の二番です。
その頃の女性は,女性から男性に告白して言い寄ることはできなかった。その代わりに出会いの場を用意してあった。それが夜のお寺での御聴聞(ごちょうもん)会であった。説法を聞きながら、気が合った男女が交じり合って恋のさや当て仲間作りをしたようだ。
ここでだったら女の方からも言い寄ることができたのだろう。妖しい妖しい。
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芸者のチモさんが訛って「おてもやん」になったらしい。
男振りには惚れたはず。言い訳か。