晴れた冬の唐津の海辺。
浜辺。白い波頭。ランチタイム。
生きているうち。生きているうち。生きているうち。生きているうちに楽しんでおこう。
できることを、しておこう。できなくなったら、しようと思ってもできないんだから。
わははわはは、そう考えて昨日は遠くまでドライブを楽しんだ。一人であてもなく。
トイレを兼ねて、嬉野市吉田地区の小さな道の駅に立ち寄った。ユリの球根10個入り300円を2袋買った。
お昼はコンビニのおにぎり2個。梅おかかと昆布の。
佐賀平野に広がっている田圃の、麦が青々としていた。川縁には鴨がたくさんいた。幾種類もの鴨たちが浮かんでいた。
午前9時を過ぎたのに、気温は2・2℃。手袋をしているが、指がかじかむ。隣家の屋根には霜が降りている。畑の土も寒そうにしている。空が青い。光が溢れている。いい天気になりそうだ。
昨日、苗物屋さんに行って、春ジャガ芋の種芋を買ってきた。メークイン、男爵それぞれ1キロずつ。植え付けの時季が来ているが、畑がまだ凍り付いている。来週になれば、少しは気温が上がりそうだ。それまで待つ。
わたしの書くブログには読者がつかない。書いても書いても。
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書くことは止めにして、どっかへ行こうか。
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行ってもいいのだが、行き先がない。見つからない。
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ハン・ガンさんのノーベル賞受賞の作品「すべての、白いものたちの」を読み返す。全編が詩だ、
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根雪が残っている。隣家の北側の屋根に。ずり落ちそうにして。そこに烏の足跡が残っている。星形をしている。
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いちご園の苺は40分間食べ放題らしい。2300円の代金を払えば。お正月はもっと高かったらしい。2月に入ったからもう実も小粒になっているらしい。
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わたしの書くブログには読者がつかない。のに、書いている。止めようと何度も決断するのに、それを翻して、すぐまた書くからいけないんだ。
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明け方は気温が氷点下にまで下がった。布団の中を寒がった。でも、来週は少しあたたかくなるらしい。よかった。
昨日畑から高菜を摘んで来た。ベランダで日干しにして置いた。
2月9日、日曜日、今朝9時から、それを塩揉みにした。大きなボールに入れて、塩をたっぷり降りかけてまぶして、右手の平で力一杯、ごしごし擦りつけて、しなやかにして、樽につけ込んだ。赤唐辛子ももちろんたっぷり加えた。朝の運動になった。
9時半、高菜の一夜漬けが完成した。
(でも、一夜では漬からない。一週間ほど待つことにする)
読書開始。高菜の青臭い香りがしている、ページを捲る右手の手の平中に、まだ。
臭いトイレが臭くない。
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ちっとも臭くない。
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水洗便所のウオッシュレットになったら便所が臭くない。
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みんな水が流してしまう。
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汚い臭いなんて言わなくてすむようになった。
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さあ、どうしてくれよう。
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いいことばっかりになった。さあ、どうしてくれよう。
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トイレに水仙の花を飾る。咲き出したばかりの。
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と、そこには凜とした冬の水仙の香りが香るだけになった。
今朝のわたしの即興詩「星が光っている」
山鳩暮風
1
あるあるあるあるあるある。
2
こんなにあっていいのか。
3
星が光っている。
4
1個の星でもいいのに、あるあうるあるあるあるある。
5
こんなにたくさん鏤められていないと、わたしは「ある」に気づけないのか。
6
「ある」があふれている。
7
手許に近い銀河の銀河中に「ある」が鏤められている。
8
「ある」の内側にも亦、「ある」が鏤められている。
9
それがみんなして「宇宙の幸福」を語って聞かせている。
10
生きている間の全部の一秒をそこに投入して、それを聞けるようにしてある。
11
わたしはなんにもしないでいい。わたしはちっとも賢者のフリをしなくていい。
12
この美しい宇宙に生きているわたしを讃美すると、とたんに、あるあるあるあるあるになる。
1
ないないないないない。
2
ないないないないないにしてしまう。
3
わたしを苦しませるものなんて、ない。ないにしてしまう。
4
ないものにしてしまう。
5
あるようにしてあるが、ほんとうは、ないもの。作り物。わたしの妄想の作り物。
6
だから、ないないないないにすることもできる。
7
こっちの方がラクチン。
8
ほあんほあんになる。
9
悲しみがない。苦しみがない。イヤなものがない。
10
ふっとだけでいいから、そうする。ないないないないない、にする。
11
そこに菜の花を咲かせる。レンゲ草を咲かせる。薺(なずな)を咲かせる。
12
これで春になる。わたしの春になる。
即興詩「今夜はナポリタン」
腹が減ったなあ。
夕方6時。
今夜は大好きなナポリタンのようだ。
ケチャップに染まった玉葱が
さっきから僕を呼んでいる。
窓の外が暗くなる。
日が暮れた。
今日はいい日になった。
一日をいい日にしてカーテンを閉じる。
即興詩「雪の言葉の全部を使って」
薬王華蔵
1
宇宙がわたしを大肯定しているのが嬉しくって、
雪が降って来るのだ。
2
雪がそれを知っていて、
もう黙っていられなくなって、
宇宙を閉じ込めた雪の結晶を、
わたしに降らせて来るのだ。
3
宇宙がわたしを大肯定しているのが、
雪にも嬉しいのだ。
我がことのように嬉しいのだ。
4
わたしに雪が降って来る。
しんしんとしんしんと雪が降って来る。
雪の言葉の全部を使って、雪が降って来る。