<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

さみしいのはしとしと降る雨のせい

2012年10月27日 21時50分28秒 | Weblog
夜に入ってもいぜん雨が降り続いています。
やや、雨量が増えたようです。
障子戸の向こうにしとしとしとしとと雨音がします。
誰からも遮断されたようでさみしさが襲ってきます。

雨は遮断ではありませんから、さみしくなんかならなくていいはずです。
それを勝手に遮断ととってしまうのは、こちらのあやまちです。
雨のお陰で、畑に蒔いた秋野菜の種が発芽できます。
発芽を明日に迎えた秋野菜の種は、ずぶ濡れをよろこんでいます。

この高齢ですから、女の人を恋しがることはもう不必要であってしかるべきです。
でもやっぱり美しいやさしい女人を恋しがっています。
それはしかし母性の女人であって
異性としての女人ではないようです。

母親からこどもは産まれてきます。
ですからいのちの母親のところで死んでいきたいと思うようです。

わたしは、残念ながら、お金持ちにはなれませんでした。
みんなから尊敬をもらうような立派な地位にも就けませんでした。
どんな偉業をも成し遂げていません。
みずからのうちに有り余るほどの豊かな才能をも見出していません。

しとしとしとしと雨が降っています。
畑の土がしっとりと濡れていきます。
わたしが凡人であっても非凡であってもそれにはかかわりがなく、雨が降っています。
わたしが非凡でなければ雨が降ってこないというのであれば、
非凡には絶対の価値がありますが、そんなことはまったくありません。
わたしはここに安心を見出します。

安心を見出すこと、これを最終の結論にできることで閉幕しようと思います。

雨がしとしと降っています。
安心を知っているのに、それでもわたしのさみしさは不動の位置を占めて座り込んだままです。
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あっちにも笑いたい客がいっぱいいっぱい

2012年10月27日 07時41分07秒 | Weblog
南伸介というおもしろい人がいた。いるだけ面白いって顔芸をしてた。ありゃ、きっと筋書きなしだって、客は満足をしただろうな。コント書き作者がいなくったってかい? あいにく早死にしてしまった。残念だった。なあに今度はあっちで面白劇団を作って笑わしているんじゃないかな。あっちにも笑いたいって客がいっぱいいっぱいいる。
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火付け女盗賊改め方

2012年10月27日 07時23分50秒 | Weblog
奇妙なことなんですが、ね、ああた。

へ、どんな?

なまめかしい女の人がやってきて、いきなりですぞ、いきなりわたしに。

ほう、そりゃ、きてれつ奇妙。

わたしはあなたが好きでなりません、と言うんです。

なおさら、きてれつ奇妙。

でしょう? わたしもそう思うんです。

で、その人はいまどこにいるんで?

へ、そう言ったなりで、消えてしまったんで。

恋を告白したらそれでもう気が済んだんでしょうかね。

そっちが気が済んでもこっちはそれじゃ。

火が点いたまんま、てんでしょ?

そうなんで。思い出す度、もうその女の人がなまめかしくて、いろっぽくて。

そんななまめかしい人に恋を打ち明けられたあんたは、いいねえ。

よかあない。火が点いたまんまにされちまって。で、ぽい。消えちゃった。

じゃ、火付け盗賊だ、その女盗賊は。あっしがその火付け奇妙女盗賊改め方になってあげましょう、会わしてくださいよ、今度是非。

    *

これ、コントにならないかなあ? アリキタリかな?




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若い実直なわたしとすれ違う

2012年10月21日 01時39分18秒 | Weblog


真夜中。

目が覚めたらもう眠れなくなってしまった。

瞑想をした。

瞑想の森の中の、落ち葉の道を歩いていく。

落ち葉にはもうしっとりと朝露がおりている。

向こうから歩いてくるわたしと出会う。

向こうから歩いてくるわたしは、まだ若い実直なわたしだ。

わたしは帽子をふかぶかと被って、若い実直なわたしとすれ違う。
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トンカチでとんとんと叩いて歪んだ性格を修整するのだが

2012年10月21日 01時17分32秒 | Weblog
歪むことを、当地では<よごむ>とも言う。訛っているのだ。

性格が、四角の枠組に変に力を加えたときのように、歪(いびつ)によごむ。

真四角ではない。ずれ込んでいる。ぐにゃりとしている。だから、人と同じようには反応をしない。

で、「あいつは変人だ」ということになる。歪んだ柱と柱の間に、真四角の障子戸は収まらないのだ。

ジャッキを持ってきてこちらの歪んだ性格の柱を元通りに立て直さないと、直球の返事はいかない。相手はミットをどう構えていいか分からなくなってしまう。

そういう自分を反省はするのだが、わが天の邪鬼はそうやすやすと素直にいうことを聞いてくれなくなっている。

そうしてしばらく時間の経過があって、その人に詫びを入れたくなるが、そのときではもう遅いのだ。相手も憮然としている。

今日もそういう我が輩が暮らしをしていた。よごんだままの我が輩を、真夜中起きてきて、布団の上に座り込んで、トンカチでとんとん叩いて、歪み修整を施したが、さて、まっすぐになったかどうか自信はない。

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こけてしまった。悔しい。

2012年10月21日 01時01分36秒 | Weblog
右手に杖とベゴニア、左手にももう一つのベゴニアの鉢をうやうやしく捧げ持ちながら歩いていたら、あっというまにこけてしまった。ばったり倒れて鉢は前方に吹っ飛んで、ベゴニアは裸になって転んだ。ばったり手をついた右手の、親指が怪我をした。大きな鉢に植え替えて、外の水道で水をたっぷり注いであげたところだった。左足はまだ麻痺を引きずっているので、支えにならないのだ。倒れてもすぐには起きず、泥まみれになって、園児のように、悔しがった。夕暮れのことである。片手には杖をしっかりついていなければ危ないのだ。横着をしてしまうと、こうやってこけるのである。悪いのは横着をしたことなのに、それでもこけるのが悔しい。倒れてしまうということがとっても悔しい。
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昨日会った人は魅力的だった

2012年10月07日 06時12分00秒 | Weblog
このごろできた店に行きました。パスタ屋さん。娘と二人で。板敷きにテーブルが幾つも列んでいる。足の短いテーブルだから、椅子はない。壁にはいかにも女性が好きそうなかわいらしい小物もいろいろ提げてある。

でね、一つ向こうのテーブルには二人の女性が座っている。こちら向きをしている人の顔が見える。その人がとっても魅力的だった。で、娘に気づかれないようにして、ちらちら盗み見をしていた。

盗み見っていやらしい?

いやらしいかもしれない。

とくにこんなに高齢者だったらね。

でも、ずっと見ていたいほどだった。

人は魅力を湛えている。

その魅力を湛えて人には、引かれてしまう。

これは不自然じゃないよね。

強くじゃないけど、微かに微かに。

微かにだけど、引かれていることに違いはない。

こちらの食事は終わった。

娘が帰ろうよお父さんとせき立てた。

で、席を立った。

手を振ることもない。もちろん手を振られることもなく。

一晩経ってまだその人の魅力が菜の花畑の白い蝶のようにちらちらちらついている。
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