今日は、2020年の4月28日。「4・28」は毎年、訪れる「屈辱の日」である。
1953年4月28日、サンフランシスコ講和条約が結ばれ、日本は独立を果たし、2016年には安倍内閣が「独立の日」として、万歳三唱した日として、記憶に新しい。
その同じ日に、アメリカと日米安保条約が結ばれ、沖縄は27年間のアメリカの統治下に置かれた。忘れてはならないのは、その前の1947年9月に、憲法で国民主権となり象徴天皇制になったはずの天皇がアメリカに対し「25年から50年、あるいはそれ以上の長きにわたって、アメリカが沖縄を支配することはアメリカのみならず、日本にとっても利益になる。日本国民は反対しないだろう」とメッセージを伝えたことだ。
4人に一人が犠牲になった地獄のような地上戦の後は、日本の独立のために沖縄は、反対する沖縄の民意を踏みにじって、アメリカに差し出しだされたのである。その後は、沖縄を踏み台に、米軍と一体となり公共事業としての基地建設などや朝鮮戦争やベトナム戦争など通して日本は高度成長を果たした。それは、今につながる構図である。辺野古新基地建設で、湯水のように使われている建設費用をみるまでもない。沖縄の民意は、今も踏みにじられ続けている・・・・。
2016年4月28日、うるま市に住んでいた二十歳の島袋りなさんが、彼に「ジョギングしてくる」とメールを出したまま、行方不明になった。そして、5月19日に容疑者の嘉手納基地につとめる元海兵隊の32歳の男が逮捕され、その日の夕方、恩納村の喜瀬武原の近くの雑木林で、半分白骨化したりなさんが発見された。
犯人は、りなさんを殺害するまで、2~3時間、沖縄中を「女性はいないか」と物色して車を走らせていたそうだ。そして「沖縄では性暴力でなかなか逮捕されない」と思っていたという。
6月19日、6万5千人が集まった県民集会で父親が「米軍の事件・事故が多発するなかで、娘も犠牲者の一人になりました。なぜ、娘なのか。なぜ、殺されなければならなかったのか・・・次の犠牲者をださないために全基地撤去、辺野古新基地建設反対。県民が一つになれば可能だと思います・・」とメッセージを寄せました。怒りと哀しみで胸が震えます。
二度とこのような被害者はだしてはいけないと沖縄と連帯してたかっている女性たちが、4月29日に原宿でスタンディングをする予定でしたが、残念ながら新コロナウイルス感染防止のために断念しました。
4月28日は「沖縄にとっては屈辱の日」。沖縄の高等弁務官だったキャラウエイ氏は「沖縄の自治は神話である」と言ってのけました。・・・今も、そうです!沖縄の民意を踏みにじる日米によって状況は全く変わりません!
しかし、変えていきましょう!
沖縄差別を許さない!沖縄の民意を踏みにじることを許さない!「命こそ宝」の沖縄を取り戻すために、心あるすべての人と、深く連帯し、たたかっていきましょう!「希望の海」を「希望の空」を「希望のうちなー」をめざして!
4月21日午前8時40分ごろ、沖縄防衛局の職員が名護の北部土木事務所に軟弱地盤の改良工事に伴う設計変更を申請した。
その前日に、コロナの感染拡大を防ぐために沖縄県が独自の「緊急事態宣言」出し、必死の取り組みをしている最中に防衛省は設計変更を申請するという信じがたいやり方には、怒りが抑えられない。しかも、河野防衛大臣は「普天間飛行場の一日も早い危険性除去は県も国も同じなので、県に適切なご判断を頂けると思う」と記者会見で述べている。これほど、沖縄県民をなめ切った言葉があるでしょうか。本当に許しがたい!
「設計変更申請」の翌日の4月22日の防衛相前の抗議行動の開催前、「みなさん、1メートルから2メートル間隔をあけてください」という書いた紙をもって主催者は何度も往復していた。コロナ対策である。
6時半、抗議行動がはじまった。主催者挨拶のあとオール沖縄と神奈川を結ぶ会のアピールのあと、沖縄の山城さんからの電話メッセージ「こんな時に設計変更の申請を出す政府に、怒りと哀しみが抑えられない。ただ一点、こんな安倍政権を倒し、みんなの力で民主主義を取り戻そう」と訴えた。その後、国会包囲実、労働組合、4.29実行委員会などからそれぞれ怒りの発言が続きました。防衛省への申入れは、キリスト者ネット・南部の会・一坪からのそれぞれ抗議文を読み上げ、防衛省の職員に渡された。今度の抗議行動では、コロナ対策でシュプレヒコールはありませんでした。参加者は、コロナの緊急事態宣言が出される中、80名がかけつけました。
南部の会は、以下の抗議文を読み上げ、防衛省職員に渡しました。
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2020年4月22日
防衛大臣 河野 太郎 様
沖縄のたたかいと連帯する東京南部の会
港区芝・・・・・・・
代表世話人 平賀 雄次郎
欺瞞に満ちた「設計変更」に抗議し、辺野古新基地建設の断念を求める
政府のコロナ感染防止のために「緊急事態宣言」が全国に発令され、県は4月20日には独自の「緊急事態宣言」を出した。感染拡大を防ぐために、全力で取り組まねばならない時に、さらに、普天間基地からのドラム缶719本もの大量の泡消火剤が市中や西海岸まで流出・汚染しているにも関わらず、その立ち入り調査すらも実現していない中、大浦湾の軟弱地盤改良工事のための設計概要変更の申請を出すという防衛省の暴挙は、県民の命をかろんじ、踏みにじるもので、断じて許せるものではない!
そもそも政府・防衛省は、2016年には軟弱地盤の存在が明らかになっていたにもかかわらず、市民の情報公開請求で軟弱地盤は90メートルの深さまであることが明らかになるまで、その事実を隠ぺいしてきた。しかし、防衛省は「70メートル以下は固い粘土層」だといい、測定した業者の90メートルにおよぶ軟弱地盤の資料は、「とるに値しない」と切り捨てた。
さらに、軟弱地盤の改良工事を進めるために昨年9月に「技術検討委員会」を設置したが、複数の委員が新基地建設の請負業者から寄付をもらっていたにも関わらず、河野防衛大臣は「特に問題ない」と説明した。検討委員会の公正性や透明性ははじめからなく、これまで防衛省が提出し、検討してきたはずの資料に20か所の間違いがあったが、指摘されるまでわからなかったというズサンさである。それが、砂杭7万1千本をうつ90メートルの軟弱地盤の改良工事にお墨付きを与えたのである。軟弱地盤だけでなく、二つの活断層も横たわっている大浦湾である。このまま工事を進めれば、崩壊すると専門家は指摘している。
また、同じく防衛省が設置した環境等監視委員会も建設業者からの寄付を受けた委員をふくめ、環境への配慮等は全くなく、2月にジュゴンの鳴き声があったと報告されているにも関わらず、工事の中止どころか、質問さえしなかったというから言語道断である。
昨年12月、防衛省は米軍の使用開始まで工期は12年、工費は9300億円と大きく変更し、普天間基地返還は、2022年から2030年以降と大幅にずれ込んだ。政府のいう「一日も早い普天間基地の危険性除去」のために「辺野古唯一」は完全に破たんしている。
私たちは「設計変更申請」に満腔の怒りで抗議するとともに、県民の民意を踏みにじる違法な辺野古新基地建設は即刻中止し、危険な普天間基地は直ちに返還するよう要求する。
4月10日、4時過ぎに普天間基地からの側溝に突然大量の泡消火剤が流れ、大量の泡が空中に飛び交い、近くの第2さつき認定こども園の園児たちは「トックリキワタの綿がとんでいる」と騒いだという。園児たちの頭上や市中のなかを泡が飛び交ったのだ。
泡消火剤には発がん物質のピーフォスが入っており、その毒性から、国際的にも製造・使用が禁止されている物質である。日本でも製造されていないもので、自然界では分解されず「永遠の化学物質」と言われている。
それが、長い間、基地内で洗浄に使用され、嘉手納基地や普天間基地周辺で、川や湧き水、地下水が汚染されてきた。北谷浄水場の水を使用してきた中南部の市民の体内にピーフォスが蓄積されていることが明らかになり、米軍は、ピーフォスを含む泡消火剤を撤去することを表明した。がしかし、今回のドラム缶719本にも及ぶ泡消火剤を市中や西海岸の海を汚染し、回収もせず放置した。犯罪的であり、許されるものではない!
南部の会は、以下の抗議文を、安倍総理・河野防衛大臣などと、米側は、ハガディ米大使、ケビンシュナイダー在日米軍司令官、スニージー在沖米軍調整官、デビット・スチール大佐普天間基地司令官に送付した。
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2020年4月15日
内閣総理大臣 安倍晋 様
外務大臣 茂木敏充 様
防衛大臣 河野太郎 様
沖縄防衛局長 田中利則 様
沖縄担当大使 川村裕 様
沖縄のたたかいと連帯する東京南部の会
港区芝・・・・・・・・・・・・
代表世話人 ・・・・・
普天間基地からの大量のピーフォス漏出汚染に抗議する
一体いつまで米軍は沖縄の住民の命を危険にさらし続けるのか!4月10日の普天間基地から有機フッ素化合物ピーフォスを含む泡消火剤を大量に漏出させ、牧港漁港にまで拡散させた上、回収するどころかそのまま放置。さらに普天間基地司令官のデイビット・スチール大佐は「雨が降れば解消する」と発言した。雨がふれば流れてなくなるというのか。言語道断である。
4月10日、午後4時40分ごろ、普天間基地の南側から漏出した泡消火剤は、側溝に流れ出し、すぐそばの第二さつき認定こども園の園児たちは、園庭でとぶ泡消火剤の泡をみて「トックリキワタの綿が飛んでいる」と騒いだそうだ。泡消火剤は、比屋良川を下って、風で舞い上がる川面の泡を市中にまき散らしながら牧港へ流れ出て、西海岸の海まで汚染したのだ。
ピーフォスは、発がん性や胎児の低体重、成人の生殖機能への悪影響、肥満,甲状腺疾患などの健康リスクがあり、国際的にも製造・使用が禁止され、日本でも製造・使用が禁止されている有害物質である。米軍は「2016年使用を禁止した」と発表していたがしかし、真っ赤なウソだった。
ピーフォスの環境汚染は、普天間だけでなく、嘉手納基地の周辺でも広がり、地下水や川を汚染、すでに北谷浄水場の水源まで汚染し、その水道水を使用していた住民の体内にも蓄積されていたことが明らかになっている。環境中で分解されにくく、蓄積されやすい物質で「永遠の化学物質」と言われているそうだ。現在、汚染されているところは、そのまま汚染され続けることになり、子や孫にいたるまで健康被害が及び、その悪影響は計り知れない。アメリカでは、今年3月に亡くなった娘の死因はフロリダ州のパトリック基地からの泡消火剤の地下水汚染であると議会に訴え出たと報道されている。
普天間基地からの泡消火剤の漏出は昨年の12月にも起きたばかりだ。米軍は直ちに県や地域の基地への立ち入り要請を認め、原因を究明するのは当然であり、拒否するなんてありえない。繰り返されるピーフォス汚染を満腔の怒りで抗議し、以下、要求する。
1、 泡消火剤の大量流出した原因究明と徹底した再発防止策を示せ
1、 流れ出た泡消火剤を回収し、民間地や牧港漁港や海の環境汚染を除去せよ
1、 県や自治体の要請に応じて基地への立ち入り検査を保障せよ
1、 米軍自から表明したピーフォスの入った泡消火剤を直ちに撤去せよ
1、 米軍が違法に造った普天間基地は無条件に返還せよ
1.不平等な地位協定を抜本的に改定せよ