「ナタメカレイの煮物」
主な伝承地域 仙台市
主な使用食材 ナメタガレイ
歴史・由来・関連行事
ほかの地域では「ババガレイ」「インドガレイ」と呼ばれているナメタガレイ。ぬめりが多いことから 「滑多鰈(ナメタガレイ)」と呼ばれるようになったという。ほかのカレイに比べ大きいのが特徴で、「マガレイ」は1尾300g前後なのに比べ、ナメタガレイは冬の時期には1尾600g前後と、ほぼ倍くらいの大きさにまで成長する。身も厚く食べごたえのある魚で、冬は子持ちが増えることから「子孫繁栄」の縁起を、さらに卵が黄金色をしていることから商売繁盛の縁起をかついで年取り魚となったともいわれている。
ナメタガレイは低カロリーで消化もよく、胃の調子が悪い時の体力回復にも効果的。何かと食べ過ぎたり疲労がたまる年末年始に食すには、最適の魚といえる。
ナメタガレイが大みそかに食べられるようになったのは、実は最近のこと。江戸時代から戦前にかけては、仙台の正月の魚は「タラ」であった。このことは、正月の城下に「タラ」が出回らないことを心配した伊達政宗公が家臣に漁師が獲った「タラ」が出荷されない理由を調べるよう指示した手紙(「仙台市史」参考)や、戦前、仙台の年中行事に関して「正月にはタラ汁が欠かせない」と記載された文献(仙台城下「町人列伝」参考)等から見て取れる。現在では、正月に「タラ」を食べる習慣はほとんど残っていない。
食習の機会や時季
大みそかから正月にかけて、煮つけにしたナメタガレイを食す。
飲食方法
ナメタガレイは個体が大きいものが多いので、切り身にして煮つけるのが一般的。付け合わせにわかめなどを添える。また、細切りにしたしょうがを添えることもある。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
保存・伝承に取り組んでいる団体はないが、各家庭で母から娘へと受け継がれている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/nameta_gareino_nitsuke_miyagi.html より
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