「田芋田楽-ターンムディンガク」
主な伝承地域 県内全域
主な使用食材 田芋
歴史・由来・関連行事
「ターンムディンガク」は田芋をきんとんのように甘く練り上げた料理で、「サーターダーンム」と呼ばれることもある。脂っこい豚肉料理の後によく合いデザート的に用いられることもある。田芋は沖縄の特産品で、水のきれいな水田で栽培される里芋の一種で、水芋とも呼ばれ、沖縄県では「ターンム」と呼ばれ親しまれている。親芋の周りに子芋や孫芋が育つことから子孫繁栄の縁起の良い食材とされ、お祝いの料理には欠かせない食材。沖縄県産の田芋は独特の香りと粘りが持ち味で、特にお正月やお盆などに使われるが、収穫までに一年近くかかるため、農家では逆算して植え付けているという。店頭では生ではなく、蒸した状態で販売されている。全国でも沖縄県が有数の産地で、金武町や宜野湾市の大山が有名。田芋を使った料理には、田芋、ムジ(田芋の茎)、豚肉、椎茸、かまぼこをあらら切りにし、豚だしでじっくり煮込み練り上げた「ドゥルワカシー」、出産祝いに作られた「ムジの汁(ムジ、豚肉、豆腐のみみそ汁)」などがる。近年はパイやスイーツ作りにも用途が広がっている。 18世紀初頭の首里王府では正月元日には田芋を供え物とするなど、儀礼食に用いていた。また、本島北部地区でも「芋折り目」が盛んに行われており、芋は重要な儀礼食材であったことがうかがえる。
食習の機会や時季
お正月やお盆などのハレの日に並ぶ料理のひとつ。子孫繁栄の縁起ものである田芋を使っているため、特にお祝いの席では欠かせない。
飲食方法
田芋は皮をむき、熱湯で静かに5分ほどゆでてアク抜きをする。水気を切った田芋と水を鍋に入れて火にかけ、やわらかくなったら砂糖を加える。木べらでかき混ぜながら煮込み、きんとん状にする。器に盛り、レモンの皮やショウガのみじん切りをふりかける。田芋の練り具合は地域や家庭によってさまざまで、田芋の形を残したり、すべてつぶしたりと違いがある。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家庭で一般的につくられるほか、県内の飲食店でも味わえる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/47_7_okinawa.html より
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