第169回 2017年9月12日 「カラフル!きらめく漆器~福島 会津塗~」リサーチャー:堀田茜
番組内容
カラフルでかわいい!それも手ごろな値段で手に入る!これまでの漆器のイメージを一新するデザートカップが若者に人気。福島県会津若松市で発展した「会津塗」の器。いま現代の生活スタイルにあった会津塗の新製品が続々誕生している!神秘的な模様のデザインが目を奪うワイングラスやステッキ。「金虫食い塗り」とよばれるきらめきの伝統技法で作られた。伝統を受け継ぎながら華やかに進化する会津塗の魅力に、堀田茜が迫る。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201709121930001301000 より
「会津漆器」の生産は遺跡などの出土品から縄文時代にまで遡ると言われています。
今から500年程前の室町時代、芦名氏が漆樹の植樹を奨励しましたが、
会津塗が本格的に作られるようになったのは、天正18(1590)年、豊臣秀吉の命を受けて会津の領主となった蒲生氏郷公が、産業として漆工芸を奨励したことによります。
蒲生氏郷が会津に入ると、前の領地であった近江・日野(滋賀県)から木地師や塗師を呼び寄せて、先端技術を伝授させます。
当時日野は、「日野椀」の産地としてその名を馳せていました。
蒲生氏郷は、「利休七哲」の筆頭に数えられる文化人であり、また信長の産業振興の影響を受けて、地元産業の発展のため「会津塗」の基礎をつくり上げたのです。
漆工養成と技術の進歩を図り、会津塗の技術は飛躍的に進歩を遂げ、漆の栽培から加飾までを一貫して手掛ける
一大産地となっていったのです。
江戸時代には会津藩の藩祖・保科正之公が漆の木の保護育成に努め、また、歴代藩主も技術革新に熱心に取り組み、China、オランダなどへも輸出され、隆盛を迎えます。
しかし、幕末の戊辰戦争において会津漆器は壊滅的な打撃を受けました。
明治の中期には、会津は日本有数の漆器産地として、その名を再び轟かせるに至ります。
そして昭和50年、全国で2番目に国の伝統的工芸品の指定を受けました。
そして今、現代の生活スタイルにあった会津塗の新製品が続々誕生しています。
1.金虫喰塗(吉井漆器工房(大吉屋)の吉井信公さん)
会津塗には、「金虫喰塗」という独特の模様があります。
黒漆を塗り、漆が乾く前に大麦または籾殻を全面に蒔いて、乾燥後に大麦を取り除くと表面は凸凹になります。
その上に色漆を塗り、銀粉を蒔き、乾燥させて炭で磨いて作ります。
まるで虫が食ったような斑点の独特の模様ができます。
48工程ものあり、手間がかかる職人技です。
「金虫食い」(きんむしくい)と言えば、木製漆器一筋60有余年の職人・吉井さんです。
なお、吉井さんの工房では、職人さんから直伝スタイルで、イッピンでも紹介されていた「金虫食い技法」のマイ箸を作ることが出来ます!
2. 惣兵衛シリーズのプレート(福西惣兵衛商店)
「福西惣兵衛商店」は、江戸時代から13代続く福西本家より、大正8年に初代惣兵衛が分家し、現在は四代目の福西正樹氏が会津若松市の七日町通りで漆器屋を営んでいます。
伝統的な会津塗だけでなく、扱いやすく暮らしに取り入れやすいモダンなシリーズの両方をラインナップしています。
「惣兵衛シリーズ」は、伝統的デザインである「会津絵」(おめでたい松竹梅と菊の絵柄)が、熟練の蒔絵師によりひとつひとつ手描きで描かれたものです。
3. レーヴシリーズ(re-ve)(福西惣兵衛商店)
カラフルでかわいい!
それも手頃な値段で手に入る!
これまでの漆器のイメージを一新する若者に人気のデザートカップです。
「reve」とは仏語で「夢」を意味します。
この”re-ve”シリーズがいつもの食卓にあることで、夢のある暮らしを楽しんでいただければという思いを込めて名付けました。
他にも素敵な製品がいろいろあります。
(1) 漆芸グラス
神秘的な模様のデザインのワイングラスです。
華道家・假屋崎省吾さんデザインプロデュースの新感覚の会津漆芸グラスも人気!
(2) 化粧筆セット
(3) WAYOWAN 会津
食洗機、電子レンジ対応の会津塗の器です。
(4) ペンダント
(5) 陶胎漆器 などなど・・・。
*http://atmarymead235.seesaa.net/article/453416400.html より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます