「059 木勝シリーズ」
木勝 kikatsu
「木勝と出会うのはBARか料理屋さん」だけでいい。
木村硝子店の木勝シリーズは、木村硝子店がそれまで集めていたヨーロッパのアンティークグラスをデザインソースとして、 今までにない雰囲気のグラスを作ろうと、インハウスデザイナー三枝静代のセンスを前面に出しながら作りました。
ステム付きのグラスから、タンブラー、オールド、ショットグラスまで。約130種類の切子のシリーズです。グラスは国内のガラス職人によるハンドメイド。切子は東京下町の切子職人へお願いしています。木勝シリーズの切子は、非常に繊細で技術も高く、今現在、木村硝子店でお願いできる職人さんはほんのわずかです。
グラスの形状、切子のデザインは、デザイナーの三枝によるものですが、例えばこれは魅力的な図柄がデザインできれば、木勝が出来るかといえば実はそうではありません。切子は様々な道具を使って削り、磨き、仕上げていきます。一本の線や、小さな丸い文様でも太さやサイズが異なれば、また別の道具が必要になります。お願いする切子職人さんが、どのような道具を持っていて、どんなことが出来るか。そういった点の把握や、また職人さんとのコミュニケーションも木勝を作り上げることにとっても大切な要素になります。
『切子』という技法を把握していないと、木勝のデザインは出来ないのです。
木勝が完成し、販売を開始した1994年は、まだ東京にも手作りのガラス工場がいくつかあり、切子の職人さんもお願いできる方は複数人いました。現在では手作りガラス工場は数少なくなり、また切子職人さんも後継者不足などなかなかお願いできる方がいらっしゃらない状況になってしまいました。
現在、国産ハンドメイドのグラスは木勝以外でも生産が難しくなってきている状況です。工場や職人さんの減少という現状で、木勝も生産量は本当にわずかずつしか出来ないのです。
木勝に尽力してくださる、ガラス工場のみなさま、切子職人の方々、また関わっていただいているすべての方々には感謝をし尽くせません。
木勝はバーや割烹など飲食店ルートに限って販売を始めました。 あまり目に触れないほうがそれもまた良いのではないかと考えて1994年より約20年に渡って販売しています。
バーのカウンターや、美味しいお料理のテーブルで、ひっそり木勝に出会っていただけると嬉しいです。
「推薦コメント」
20年近く前に出会い、いくつも揃えてきましたが、どれも使いやすく上品。カッティングのデザインは、単に伝統をコピーするのではなく、すべてに遊び心があるところがいい。非常に大胆な挑戦を行っているメーカーだと思います。-緒方慎一郎-
株式会社 木村硝子店 東京都文京区湯島3-10-7
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